「アバターエージェントサービス」によるテレビ番組画面のイメージ(ソニーの発表資料より)

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 ソニーは3日、テレビ番組などの原稿を音声とCGに変換し、バーチャルアナウンサー「沢村 碧(さわむら みどり)」に自動で読み上げさせることができる「アバターエージェントサービス」用ツールの提供を開始したことを発表した。

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 ソニーの自社開発技術である同ツールは、情報コンテンツ用の動画と音声を短時間に作成することが可能。発話とアニメーションを高精度に連動させる技術により、バーチャルアナウンサーは自然な表情や動きで原稿を読み上げる。

 システムの開発には、ボイスインタラクション(音声通話)の独自技術である「ソニーエージェントテクノロジー」を使用。「Xperia Ear」や「Xperia Touch」、「めざましマネージャーアスナ」など音声対話機能を持つ製品やアプリケーションに採用されてきた。

 16年8月に実施したソニービジョン渋谷におけるバーチャルアナウンサーの街頭実証実験を皮切りに、複数回における実証実験を実施。有用性や自動読み上げによる情報の伝わり方などを改善し、今回正式に同サービスの提供開始を決定した。

 バーチャルアナウンサーといえば、12年にお披露目されたフジテレビ制作の「杏梨ルネ」がいる。キャラクターデザインを漫画家の江川達也氏が手掛け、音声はフジテレビの女性アナウンサーの声をサンプリングしていた。しかし、口元しか動かない味気ない造形と耳障りのする機械的な音声により評判は著しくなかった。

 今回改めて両キャラクターを聞き比べてみたが、「沢村 碧(さわむら みどり)」はデザインのリアルさや音声においてはるかに優れたものになっていた。キャラクターには奥行きと柔らかさが備わり、音声は抑揚が付き機械的な不快感が無かった。人間の声と機械との調和が進んだことで、今回キャラクタ―ボイスを担当した声優の寿美菜子氏の声が大変生かされていた。

 「アバターエージェントサービス」は今後事業パートナーである共同通信デジタルを介して、テレビ局やラジオ局などの番組制作やコンテンツ制作会社に提供する予定としている。音声認識と同時にAIの技術革新も進んでいることから、バーチャルアナウンサーの更なる成長に期待をしていきたい。