フワフワしたウィスパーボイスと多彩なサウンドで、独特の世界観を放つシンガーソングライター、ラブリーサマーちゃん。最新作『人間の土地』について話をうかがいました。

最新作は4曲入りEP盤『人間の土地』。ラブリーサマーちゃんが大好きだというサン=テグジュペリの作品名をタイトルに借り、海を思わせる曲もある、サマー気分な作品だ。

「名前もこうなので、今までも『夏っぽい曲を書いて』と言われていたんですが、去年までは頑なに拒否していました。いわゆる『ザ・夏の曲』みたいなイケイケな世界観が苦手なんですよ、根暗なので。だけど、あの夏はラブサマちゃんの曲けっこう聴いたなー、と言ってくれるファンがいるかもしれないと思い、ポリシーを崩して、夏に聴きたくなるような曲を書いちゃいました(笑)」

とはいえ≪終電で海へ行く≫という物語が彼女らしいというか、ユニーク。全ての歌詞は実体験に基づいて書いているそう。一曲一曲から彼女の物事の感じ方や捉え方が誠実に伝わってきて、ハマる人が多いのもうなずける作品ばかりなのだ。

「高校時代に同い年の子たちとバンドをやっていたんですが、3年生になるとみんな受験で忙しくなり、一人になってしまって。そこから宅録を始めたんですよ。パソコン音痴だったので、ハウツー本を見ながら曲を作り始めました。そうすると今日はエフェクトのかけ方を覚えたとか、毎日少しずつですが新しいことができるようになり、なんて楽しい! とモチベーションになりました」

完成した作品をネットにアップし始めると、徐々にネット上で知られる存在に。アーティスト名もそのころ決めたそうで、本名の漢字を英語に置き換えたものとか。

「本気で書いたガチンコの曲が評価されなかったら落ち込むと思ったので、最初はふざけた曲ばかり上げていました。その後、本気で書いた『あなたは煙草 私はシャボン』がきっかけでレコード会社から連絡が来たんです。でもネットでしか活動していなかったので実在しないと思われたみたいで、中の人はこんなです、って自分のプリクラを送って、実在する女の子だと信じてもらいました(笑)」

今作『人間の土地』はメジャー2作目。今までの曲と同様に、ラブサマちゃんが日々様々なものを見て感じて、悩み傷つき…というリアルな息遣いが聞こえてくるよう。つぶやきのような歌詞と、その言葉に寄り添うアッパーなサウンドが、聴くほどに沁みてくる。

「音楽を作るって、自分の頭の中でしか鳴っていないものを、他の人も聴けるようにすること。そういうモノ作りが、すごく面白いんです」

ラブリーサマーちゃん 1995年生まれ、現役大学生。高3のとき自宅で音楽制作を始め、ネット上に公開した作品が話題になる。昨年秋『LSC』でメジャーデビュー。8/25にShibuya WWW Xで初の自主企画イベント「ラブリーサマーソニック 2017」を開催する。

1st EP『人間の土地』【初回限定盤CD+DVD】¥1,800 「海を見に行こう」など4曲入りEP盤。DVDには初の映像作品を収録。【通常盤CD】¥1,200(SPEEDSTAR RECORDS)

※『anan』2017年8月9日号より。写真・水野昭子 文・北條尚子

(by anan編集部)