日本銀行(中央銀行)はこのほど行われた金融政策決定会合で、2%のインフレ目標の達成時期を2018年から19年に先送りし、当面の政策を引き続き継続することを明らかにした。

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日本銀行(中央銀行)はこのほど行われた金融政策決定会合で、2%のインフレ目標の達成時期を2018年から19年に先送りし、当面の政策を引き続き継続することを明らかにした。日銀が兆量的緩和政策を打ち出してから、インフレ目標を先送りしたのは6回目で、黒田東彦総裁の任期中にデフレから脱却するという望みが消え去ったことを意味する。

日銀が2%のインフレ目標に固執するのは、黒田総裁の説明によれば物価安定の確保のためだ。具体的には次の3つの理由が考えられる。第1に消費者物価指数事態に上昇発展するという特徴があること。第2に金融政策のための余地を残しておけるということ。第3に2%のインフレ目標が国際的な共通認識であることだ。これ以外にも2つの重要な原因がある。円高圧力の緩和と日本の財政再建への支援だ。現在、日本の国債発行残高は1071兆円に上り、国内総生産(GDP)の約2倍にあたり、世界最高レベルとなっている。インフレ率が上昇すれば政府の債務負担が軽減され、もしも2%のインフレ率が10年間続いたなら、日本の債務は235兆円減少することになる。

日銀はかつて「今後2年で2%のインフレ目標を達成する」との目標を設定したが、うまくいかず政策は徐々に強化されてきた。国債や証券取引所における上場投資信託(ETF)などの購入限度額の大幅な引き上げ、大量のマネタリーベースの市場への注入が行われ、日銀は16年初めには初めてマイナス金利を導入し、9月にはイールドカーブ・コントロールの方針を打ち出した。だがこうした金融政策はいまだに期待されたような効果を上げておらず、かえって日銀のバランスシートを持続的に拡大させ、今年5月末には債務規模が500兆円を突破しなんがら、自己資本は8兆円にも満たないという状況になった。日銀はすでに進退窮まる困難な局面に陥っており、目盛りの上限を突破するのではないかとの懸念が日本経済に脅威を与える新たな時限爆弾となっている。

現在の日本には次のような問題がみられる。

第一に、日本政府の「一連の改革」は継続力が弱く、日銀が孤軍奮闘しても政策の効果は大いに割り引きされてしまう。安倍晋三首相はかつて「改革に聖域はない」としていたが、農業、医療、エネルギーなどの分野の構造改革プランは実質的に発展せず、今日の「日銀のソロダンス」の事態を招いている。

第二に、財政再建計画は事実上破綻しており、消費の信頼感が損なわれた。財政再建プランと経済成長戦略は安倍政権の経済改革の重要な両翼とみなされてきたが、2回にわたる消費税率引き上げの先送りで財政再建の基盤が瓦解した。日本政府の最新の試算では、20年の日本の基礎的財政収支は少なくとも8兆2千億円の赤字になり、安倍政権が掲げる20年に黒字化を実現するとの目標は根本的に絵空事だということがわかる。

第三に、バブル経済崩壊後、日本の経済構造には重大なモデル転換が起こり、日本社会は貧富の格差が深刻化した。12年には相対貧困率が16%を突破。現在、日本の非正規労働者が占める割合は40%に迫り、非正規労働者と正規労働者の所得格差は平均36%にも達する。こうした要因が社会全体から消費能力と消費意欲を奪っており、金融政策が効果を上げることを難しくしている。(提供/人民網日本語版・編集KS)