■8秒間に渡って頭を下げた安倍総理

 「先の国会では、森友学園への国有地売却の件、加計学園による獣医学部の新設、防衛省の日報問題など、様々な問題が指摘され、国民の皆様から大きな不信を招く結果となりました。そのことについて、冒頭、まず改めて深く反省し、国民の皆様におわび申し上げたいと思います。」

 第3次安倍内閣発足後、3回目の内閣改造を行った安倍総理。記者会見の冒頭、こう述べたあと、目を閉じ、8秒間に渡って頭を下げた。その上で、「この内閣はいわば結果本位の『仕事人内閣』であります。国民の皆様の声に耳を澄まし、国民の皆様とともに政治を前に進めていく、そしてしっかりと結果を出していく。その決意でございますので、皆様のご理解とご協力とご支援をお願い申し上げます」と述べた。

 安倍総理の説明どおり、19人の閣僚のうち、閣僚経験者が7人、閣内残留組が6人、そして初入閣は6人という布陣になっている。

 顔ぶれを見てみると、自衛隊の日報問題で大臣以下幹部が辞任する事態となった防衛省には小野寺五典氏が再登板。共謀罪をめぐる不安定な答弁で批判を浴びた金田前法務大臣の後任には上川陽子氏。そして加計学園問題で揺れる文部科学大臣には林芳正氏が就任した。また、経済再生担当大臣に就任する茂木敏充氏は、閣僚や党の要職を歴任した調整力が期待され、目玉政策である教育無償化など「人づくり革命」を担当する。

 自民党の役員人事では、高村副総裁と二階幹事長は留任し、総務会長には竹下国対委員長が就任。また、筆頭副幹事長には、小泉進次郎氏が抜擢された。ポスト安倍の1人とも言われ、第2次安倍政権の発足当初から約5年間外務大臣を務めてきた岸田文雄氏が政調会長に就任した。

 今回、入閣が注目されているのが、総務大臣に起用された野田聖子氏だ。これまで自身と距離を置いてきた野田氏について安倍総理は「平成5年の総選挙で初当選した同期。平成5年の総選挙では我が党が野党になった政権を失った選挙でありまして、私たちは野党生活から議員生活をスタートした。その意味において何でも率直に耳の痛い話も言ってくれる」と語った。

 野田聖子氏も就任会見で「この職をいただいたときに『あなたは耳の痛いことをしょっちゅう言うよね』と、総理自身もそれに対して『すぐ顔に出ちゃうんだよね』という話をされました。でもそれを乗り越えていかないといけない。だから『今まで通り伴走してほしい』と言われたので、適度な距離を保って、自民党の自由さ、鷹揚さ、そういうものを皆さんにもう一度お示しできればと思っています」と述べた。

 閣僚経験者を多く取り込み、安倍総理と距離をおく、野田氏などを抜擢した今回の内閣改造。支持率が急落する安倍政権にとって起死回生となるのだろうか。

■津田大介氏「すごく配慮された、考えられた人事」

 3日放送のAbemaTV『AbemaPrime』に出演したジャーナリストの津田大介氏は「冒頭のお詫びが結構長かったですよね。ただ、支持率が下がっているのは、単に加計学園や森友学園問題だけが理由ではない。むしろ共謀罪の進め方など、複合的なものなので、何に対して謝っているのか。そこじゃないだろうと思った」と話す。

 「今起きている色々な問題の背景には内閣と官僚の一種の争いがある。メディアの報道も、"今の安倍内閣の体制では無理だ、こんなことじゃやってられないよ"と役人達がリークしたものが多いと思う。そんな中で、今回は仕事のできる人をちゃんと起用している。また、日本は女性議員の比率が先進国で比べても低いので、話題づくりとして女性大臣も起用したい。現政権はメディアとの敵対関係も強くなっているので、高市さんの後の総務大臣には橋下さんでも入れてメディア叩きをするのかなと思ったら、野田さんというある種の穏健派を起用して、女性活躍担当大臣も任せた。あえてライバルでもある野田さんを起用したというところも含めて、すごく配慮された、考えられた人事だなと思った」(津田氏)

■さりげなく「解散」をちらつかせた?

 安倍総理は憲法改正と2020年の施行目標について「今でも経済最優先で取り組んでいく。その使命を第一に考えなければならないと考えている。その上で、本年で憲法施行70年の節目を迎えた。この70年で世界の情勢も人々の暮らしも大きく変わった中において、憲法はどうあるべきか考えていかなければならないのではないか。議論をさらに深めていく必要があるという考えから、私は一石を投じた。ある種のスケジュールについても一石を投じたが、スケジュールありきではありません。これからは党でしっかり議論し、国民の皆様の議論が深まり、国会での議論が深まっていくことを期待している。」と述べた。

 テレビ朝日政治部の細川隆三デスクは、「スケジュールありきではない」と述べたことに注目したという。

 「今度の秋の臨時国会の中で自民党の憲法改正案を提出すると言ったことに対し、党内からもスケジュールありきではないでしょ、という声があった。今回、それを降ろしたということ、は解散の可能性がある。今まで政権の体力が弱っていて、とても解散できるような状況じゃなかった。総理の一番の権力である解散権を、手元に私持ってますとアピールしたのではないか」(細川デスク)

 その解散について、安倍総理は会見で「全く白紙であります」と強調していた。細川デスクは今すぐに解散する可能性は低いとした上で「総理にとって解散権は最大の権力だし人事権。特に解散権を失った総理は求心力がなくるし、弱体化する。今まさに弱体化していたので、ここでもう一度解散権を振るおうとしたのではないか。普通、解散について聞かれたときに明確に否定する言い方は『考えていません』だ。"白紙"っていう言い方はちょっと引っかかりました」とコメントした。(AbemaTV/『AbemaPrime』より)


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