お金に苦労せず、幸せに生きていくことを目指す【脱貧困診断】。今回の相談は、三宅ひろ子さん(仮名・百貨店勤務・29歳)からの質問です。

「ネットなどの記事で目にすることが増えて、ふるさと納税が気になっています。税金が安くなったりするなら、やってみたいと思います。でも、よくわかりません。どういうしくみで、なにが、どのくらいお得になるんでしょうか」

スタート時、大きな話題になったふるさと納税。今でも、各地の返礼品についてのニュースが届くことがあります。そのたびに、お得なのかなぁ、やってみたいなぁと思いつつ、めんどくさそうという気持ちもあって……。今回こそ、チャレンジしてみようではありませんか! 
まずは、ふるさと納税のしくみから、森井じゅんさんに聞いてみましょう。

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寄付金から2000円を引いた額が税金から控除される

ふるさと納税とは地方自治体への寄付の仕組みです。「ふるさと」という名前はついていますが、どこの自治体に寄附を行なうかは、本人の自由。
ご自身の出身地はもちろんのこと、旅行で気に入った地域や行ってみたい地域、憧れの地域など、好きな自治体を選べます。

そして、この寄附金は「寄附金控除」の対象となるため、寄附した金額に応じて税金が安くなります。

具体的には、寄附金のうち2000円を超える全額が所得税と住民税から控除されます。ですから感覚的には、ふるさと納税は「自己負担2000円で、自身の居住地に関わらず、好きな地域に納税できるもの」ということになります。

2,000円の身銭を切るならマイナスじゃないか、と考える人もいるでしょう。

ふるさと納税がお得といわれる理由は「返礼品」

ふるさと納税がお得といわれるのは、多くの自治体がこうした寄付に対してお礼の品(返礼品)を送ってくれるからです。

お肉や魚介類やお米などの自治体の特産品をはじめ、パソコンや野球観戦チケットなど、様々な品が返礼品として寄付した方々に送られています。

より多くの寄付(ふるさと納税)を集めるため、各自治体の返礼品は、豪華になる傾向があります。今年、総務省は、返礼品について寄付金額の3割以下とするよう通知を出していますが、実際には寄付金額の4割程度が平均となっていて、返礼品の調達費が寄付額の6割を超えるものあります。

ふるさと納税したときのお得度は?

それでは実際にどのくらいお得になるのか、試算してみましょう。

返礼品の額は、総務省通知の通り、寄付額の3割に落ち着いたと想定します。

まず、3万円の寄付をしたとしましょう。2万8000円が所得税・住民税から控除され、9000円程度の返礼品を受け取ることができます。つまり、自己負担2000円で9000円の返礼品を受け取ることができます。2000円で9000円のものを買えた、7000円の得と考える事も出来るでしょう。

5万円の寄付ではどうでしょうか。4万8000円が所得税・住民税から控除され、1万5000円の返礼品が受けられれば、1万3000円の得と考えられます。

ただし、2000円を超える全額が税金の控除となる上限額は、所得額や家族構成により変わります。

例えば、会社にお勤めで年収300万円独身の場合。全額控除の上限の目安は2万8000円です。年収600万円で独身の場合なら、7万7000円が目安。それを超える金額を寄付した場合、控除額は「2000円を超える全額」とはなりません。

つまり、自己負担額が2000円よりも大きくなるのです。

例えば、年収300万円独身の方が5万円の寄付をした場合、税金の控除は約3万円です。この場合、自己負担は2万円で返礼品は1万5000円相当です。

また、他に収入があった場合や、住宅ローン控除や医療費控除、その他の控除を受ける場合などでも上限金額は変わってきますので注意が必要です。

寄付金控除の目安は、総務省のホームページでわかります。また、ふるさと納税のポータルサイトでは、詳細な家族構成、住宅ローン控除や医療費控除等の控除も加味した試算ができますので、参考にしてください。

災害・被災地支援や、使い道を指定して寄付することも可能

ふるさと納税は、「2000円払えば、それ以上の価値のあるものを手にいられるもの」と考える人も少なくないですが、あくまでも「寄付」。自分のためだけでなく、人のためになる使い方もできます。

たとえば、ふるさと納税を通じて、災害支援・被災地支援を行なうこともできます。

実際、ふるさと納税が広く知られるようになったのも東日本大震災が大きなきっかけとなりました。今年、平成29年の九州北部豪雨にもふるさと納税を通じた寄附が集まっていますし、東北豪雨への支援もはじまっています。

さらに多くの自治体では、自分の寄付したお金の使い道を指定することもできます。つまり、ふるさと納税による寄付を通じて、地方の意思決定に影響できるのです。

2000円でそれ以上のお得&社会貢献ができる。それがふるさと納税。

そして、そうした多くの自治体では寄付金の使い道を公開しています。寄附した自治体がどんな風にお金を使ったのか、確認することもできますね。

「ふるさと納税」は、自分が社会と繋がっていること、そして役に立っていることを実感できるものでもあるのです。



■賢人のまとめ
控除の目安さえ間違えなければ、2000円の自己負担でメリットが得られるのが「ふるさと納税」。返礼品目的だけでなく、災害や被災地支援などの社会貢献にも活用できる「寄付」です。

■プロフィール

女子マネーの達人 森井じゅん

1980年生まれ。高校を中退後、大検を取得。レイクランド大学ジャパンキャンパスを経てネバダ州立リノ大学に留学。留学中はカジノの経理部で日常経理を担当。

一女を出産し帰国後、シングルマザーとして子育てをしながら公認会計士資格を取得。平成26年に森井会計事務所を開設し、税務申告業務及びコンサル業務を行なっている。