地方都市のホストはかくも悲惨だった…逃走中の元ホストが語るリアルな裏話

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 関東のとある小さな歓楽街。この場所にあるホストクラブを飛んだ男性・荒巻さん(仮名・22歳)と会うことになった。指定された駅前に向かうと、キャンプ用の帽子を深くかぶり、脚を組みながらベンチに腰かける荒巻さんがいた。彼に会うのは2年ぶりだ。その間に色々あったという噂は聞いていたが、元気にしていただろうか。

「正直いまビクビクしています。見つかったらボコボコにされるので逃げてくださいね」

 なんでも彼が在籍していたホストクラブはこの集合場所から、歩いて数分の場所にあるらしい。彼が住むアパートもすぐ近くにあり、店を飛んでからというもの、この帽子は欠かさず身に着けているそうだ。

「お金がないので、安い店でいいですか?」

 案内されたのは串焼き1本120円、ビール1杯400円のチェーン店。ホストといえば、少し派手なイメージもあるが、すっかりその勢いは失っているようだ。

「実はですね、今年の春からあるビジネスを始めたのですが、わずか1か月で破綻したんですよ。事業を始める前に借りたカネとビジネスの失敗でできた借金の両方があって。ホラ、ちょうどあそこにもありました。エレベーターで上にあがるときは心臓バクバクでしたよ」

 そう言って彼が指をさしたのは消費者金融の看板。闇金ではないことにホッとしたが、自分と同年代の男性が大きな借金を抱えていることに衝撃を受けた。彼はビジネスの失敗で借金を背負い、その返済のためにホストクラブに入店した。さらに、昼間は正社員としてまっとうに働いている。

 だが、浴びるように酒を飲み続けるホストクラブと一般企業の掛け持ちには無理があり、そう長くは続かなかった。別の仕事が忙しいという理由で、すんなりと店を辞められるほど甘い世界ではない。そこで、やむをえずホストクラブを飛んだというわけだ。

 もうホストクラブの世界に戻るつもりはないという。彼の心中は察するが、この際、業界のリアルな裏話やルール、実態を暴露してもらうことにした。

◆逃走中のホストが語る業界のリアルな裏話

「飛んだ理由は、体がもたなかったのが大きいですが、あまり太客を捕まえられなかったことも事実としてあります。太客がつけば、短い時間で大金を稼ぐことが可能なので、体を壊すこともなかった。でもやっぱり歌舞伎町みたいな大きい歓楽街に行かないとダメですね。この中途半端な街にはカネを持っている女などほとんどいない。客のほとんどはお水系ですが、そもそもカネをばらまけるような男がこの街にはいない。だから、彼女たちもそこまで稼げていないんですよ」

 ホストクラブを利用する女性客の大半は水商売に従事している。しかし不景気も相まって、男たちはキャバクラや風俗でカネをケチってしまう。そのしわ寄せが、ホストクラブにきてしまっているわけだ。いま、小さな歓楽街の経済は回らなくなっているらしい。

「ほとんどの客は1人のホストに大金をつぎ込みます。太客はホストにとって命の次に大事なモノ。当然、だれかの太客に手をだすのはNGです。でもライバルホストの太客に個人的にメール営業をかけて、奪い取ったホストがいたんです。そいつはボコボコに殴られて人前に出られないような顔になってしまいました。もちろん店になんてしばらく出られません。まあ、業界では爆弾と呼ばれるタブーを犯したホストが悪いので、そればっかりは自業自得ですけどね。ちなみに、私は“店を飛ぶ”というご法度を犯しているので、肩に爆弾を抱えながら生活しているんです。それは時限爆弾なのかもしれませんがね……」

 荒巻さんは苦笑いを浮かべながら続ける。

「太客が付かなかった私は、メリットの少ない“枝客”や“痛客”の相手ばかりでした。痛客は一時的には大金を使ってくれるので、初めはいいカモなのですが、後々足手まといになる。必要以上に自分を大きく見せようとしたり見栄を張ったりする女は、カネは使いますがホストに利益はもたらさない。そういう女はゾッコンになっているホストの前で彼女ヅラをするんで厄介なんですよ。さらに、ほかのホストの接客はなっていない、顔がイマイチだとか悪口ばかり。ときにはヒステリックなんか起こしたりして。そんな客といつまでもくっついていたらほかのホストとの関係も悪くなるし、客も寄り付かなくなる。そういえば最近、最後はAVまで落ちたタレントがいましたよね。あれが痛客の典型例です。松居一代なんかも、いまホストに行ったらドハマりするんじゃないですか」