1999年に公開され、カルト的な人気を博した『ファイト・クラブ』。ブラッド・ピット演じる“タイラー・ダーデン”とエドワード・ノートン演じる主人公“ナレーター/僕”の衝撃的な物語のトリビアを、なんでもランキングサイト<Ranker>の記事の中からいくつかピックアップして紹介しよう。

1.伏線が張られまくってる

タイラーと“僕”ことナレーターが同一人物ということがわかる場面は、実は劇中に散りばめられている。例えば……

・タイラーとマーラ(ヘレナ・ボナム=カーター)が階上で激しく“音”を立ててセックスしている時、ナレーターは自分の部屋を歩き回る。だがナレーターが(彼の自宅で起きた爆発事件を調べる)刑事からの電話を受けると、その“音”はぴたりと止むのだ。

・タイラーとナレーターがバスに乗っている時、長髪の男が立っている2人の間を通り抜ける。だが男はタイラーには何も言わず、ナレーターにだけ「ちょっと失礼」と言うのだ。つまり男には、タイラーが見えていないってこと!

・タイラーとナレーターが、バットで車をメッタ打ちにする場面。タイラーが先にバットを手にするのだが、車のアラームが鳴るのはナレーターの時だけ……。

2.タイラーが殴られる時、ナレーターも思わず反応する

自分のレストランの地下で、ファイト・クラブの面々を発見したオーナー。彼はタイラーの腹にパンチを食らわせると、そばに立っていたナレーターもまるで自分が殴られたかのように下を向く。さらに、倒れて膝をついた状態のタイラーの顔をオーナーが蹴ると、これまたナレーターも自分がそうされたかのように頭を反らすのである。

3.原作となった同名小説のもとになったのは、著者の実体験

著者チャック・パラニュークの脳内に『ファイト・クラブ』の構想が浮かんだのは、自身がキャンプに行った先で他の客と騒音をめぐってトラブルになり、殴られたことがきっかけだった。その後、出社した彼の顔の傷を見ても、同僚は「週末は楽しかったかい?」と聞くだけで、あえて傷にはふれなかったという。パラニュークはそこで、同僚が彼に何があったのかを聞けば、彼との余計な関わりが生じること、そして彼らはそこまで彼に興味を持っているわけではないことを悟る。ある意味、人づきあいの“隔たり”が小説のベースになったのだ。

4.タイラーとナレーターが同一人物であることは、原作者自身も意図していなかった

パラニュークは小説の3分の2を書き進めるまで、タイラーとナレーターの行動が1人の人間としてリンクしていることに気づかなかったという。その偶然の一致に気づいてから、1人の人間として完結するようにしたのだとか。

5.マーラのモデルは……往年の大女優だった

タイラー/ナレーターの恋人マーラを演じたヘレナ。彼女の役作りには、ハリウッドの名女優で歌手のジュディ・ガーランドの人生、特に薬物中毒や病に苦しんだ時期が参考になったという。ジュディといえば映画『オズの魔法使い』の愛らしいドロシー役が有名だが、年を重ねるにつれ、色々な問題に苦しんでいたのも事実。デヴィッド・フィンチャー監督は彼女の役作りに協力すべく、撮影現場ではヘレナを“ジュディ”と呼んでいたそう。

6.ミート・ローフのファットスーツは、乳首“あり”と“無し”の2種類あった!

精巣がん患者の自助グループのメンバー、ロバート(ボブ)・ポールセン。ロック歌手のミート・ローフ演じるロバートのファットスーツは「(配給元の)20世紀フォックスが“乳首あり”をOKしてくれるかわからなかったから」という理由で、乳首ありとなしの2パターン作られたという。OKしたかどうかは、映画を見て確かめよう!

7.タイラーの初登場は、空港のシーンではなかった!

空港の動く歩道でナレーターとすれ違うシーンが、タイラーの初登場だと思っていた人、いませんか? 実はその前に以下の4回、タイラーの姿がサブリミナルで挿入されているんです。

・ナレーターの職場のシーン、コピー機の近く
・病院の診察室を出たところで、ナレーターと話をする医師の後ろ
・自助グループのミーティング
・ミーティング後、ナレーターがマーラを見かけるシーン

8.これも役作りの一環!? 石けん作りを習っていたブラピとE・ノートン

役作りとして、ボクシングやテコンドーの訓練を受けていたブラッド・ピットとエドワード・ノートン。彼らは石けん作りの講座も受けていたそうで、クランクインの頃には自分で作れるようになっていたとか。タイトルのイラストや、ブラピ演じるタイラーの商売道具として登場する“ピンクの石けん”。映画ではそのエグい原料も見ることができる。

9.主役の最有力候補は、マット・デイモンとショーン・ペンだった!?

制作陣は当初、ナレーター役にマット・デイモンかショーン・ペンを考えていた(ショーンはタイラー役の候補でもあった)。フィンチャー監督はこれに対し、1996年の映画『ラリー・フリント』での演技を高く評価していたエドワード・ノートンを希望。当時のエドワードは『リプリー』や『マン・オン・ザ・ムーン』への出演オファーがあったそうだが、前者はマット・デイモンが、後者はジム・キャリーが主役を射止めたこともあり、『ファイト・クラブ』への出演が決定した。

10.監督候補にも錚々たる名前が!

一方、監督にはピーター・ジャクソン、ブライアン・シンガー、そしてダニー・ボイルの名前が挙がっていたそう。だが、第一希望のジャクソンは脚本を気に入ったものの、『ロード・オブ・ザ・リング』の制作準備で忙しく、これを断念。シンガーにも脚本が送られたが、スルーされてしまった。一方、ボイルも作品自体を気に入ってはいたが、レオナルド・ディカプリオ主演の『ザ・ビーチ』の監督に専念することに。そこでフィンチャー監督に白羽の矢が立てられたとか。20世紀フォックスの制作陣は、ブラッド・ピット主演の『セブン』でフィンチャー監督の腕を絶賛していた。彼はフォックスでの『エイリアン3』が不評だったこともあって最初は難色を示していたが、最終的にはメガホンを取ることになったという。