8月3日、第3次安倍内閣の全閣僚の顔ぶれが出揃った。“ポスト安倍”に注目が集まったなか、野田聖子氏が重要閣僚に起用された一方で、石破茂氏の入閣が見送られるなど処遇がはっきりと分かれた。

 3日放送の『けやきヒル’sNEWS』(AbemaTV)に出演したテレビ朝日政治部デスクの細川隆三氏は、今回の内閣改造の注目点として、野田氏の総務大臣内定と河野太郎氏の外務大臣内定を挙げる。「これまで安倍政権に対して物申してきた、安倍総理と比較的距離があった2人。今回、官邸サイドは“近い人は遠くに、遠い人は近くに”という方針で考えていた。この2人が入ったことは非常に注目できる」と話す。

 野田氏は小池東京都知事と仲が良く、東京五輪担当大臣での起用とも言われていた。「小池さんと近く、パラリンピックに力を入れていたので東京五輪担当は適任だったと思う。ただ、安倍総理サイドが野田さんに入閣を依頼するのは今回が3度目。さすがに役所があるそれなりのポストとしてお迎えした」と、細川氏は見解を述べた。

 一方で、外務大臣を5年務めた岸田文雄氏は閣外となり政調会長に就任。これに関して細川氏は、「ポスト安倍を争う石破さんと比べると、石破さんが地方で相当人気があるのに対して、岸田さんは派手さがない。それがウィークポイントでもあるが、外務大臣は海外に行くことが相当多い。今回、岸田さんは初めて自民党の党4役(幹事長、総務会長、政調会長、選対委員長)に入った。周りでは全国を回って知名度を上げていくことも考えている」と解説した。

 細川氏は今回の内閣改造を「カメレオン内閣」と表現する。「安倍総理が変幻自在に色んな戦略を立てられる可能性がある内閣。安倍総理は(土俵の)俵に足が2本かかるくらい窮地に追い込まれていたが、経験者を重視してこの危機を乗り切るということで、今足を1歩前に出せたかなというところ。これから色んな技を繰り出すことができるようになる可能性がある」と、今後の展開に期待を寄せる。

 また、安倍総理の思惑として、「来年の総裁選挙で安倍総理は3回目の当選を目指している。いわゆる3選。ただ、都議選に惨敗して諸々の騒動があって支持率も落ち込んで、果たして立候補できるのかというところまで追い込まれていた。この3選に対する思惑が滲んだ内閣改造だった。今回、安倍総理は岸田派を4人入閣させた。さらに、岸田さんを政調会長にするなど岸田派を厚遇している。これは、『岸田さん、あなたは私の次ですよ。今は私の寝首をかく時じゃない。次なら応援しますよ』という(安倍総理の)サインだとみている」との見解を述べた。

 支持率も落ちてきた今の安倍政権では、体力がなく“解散権”が使えないとも言われている。「野田さんと河野さんを入れたことで、色々と物申してくれる。そうすると内閣の風通しがよくなる。まだ未知数だが、この先、国民からの評価が得られれば、もう一度解散権を懐に入れることができる。これが一番政権の強みになる。そういった戦略が組み立てられる可能性がある」と、“カメレオン内閣”の意味を述べた。

 一方、ハフポスト日本版編集長の竹下隆一郎氏は、今回の内閣改造を「ボロを出さないぞ!内閣」と表す。「留任が6人いて、閣僚経験者が7人いて、非常に守りを固めたなという印象。色々な不祥事があったこともあると思うが、守りに入っているということは一方で古いということ。社会全体が『ダイバーシティ(多様性)』と言っているなかで、女性も少なくほとんどがベテラン議員というこれだけ多様性がない内閣というのは、ボロが出ない意味ではいいかもしれないが、2017年としてはあまりにも古臭いと思う」との見解を示した。

 さらに、細川氏は「すごい良く考えられた人事。総理周辺からも今回総理はすごい綿密に考えたと(いう声があった)。じゃあ今までは何だったんだって思うが、それほど崖っぷちだった。これから何をするかを見ていかないといけない。顔ぶれで批判するべきではない」とコメントした。

■第3次安倍第3次改造内閣

【財務大臣】 麻生太郎氏(76)

【総務大臣】 野田聖子氏(56)

【法務大臣】 上川陽子氏(64)

【外務大臣】 河野太郎氏(54)

【文部化学大臣】 林芳正氏(56)

【厚生労働大臣】 加藤勝信氏(61)

【農林水産大臣】 斎藤健氏(58)

【経済産業大臣】 世耕弘成氏(54)

【国土交通大臣】 石井啓一氏(59)

【環境大臣】 中川雅治氏(70)

【防衛大臣】 小野寺五典氏(57)

【官房長官】 菅義偉氏(68)

【復興大臣】 吉野正芳氏(68)

【国家公安委員長】 小此木八郎氏(52)

【沖縄・北方担当大臣】 江崎鉄磨氏(73)

【経済再生・人づくり革命担当大臣】 茂木敏充氏(61)

【1億総活躍・働き方改革担当大臣】 松山政司氏(58)

【地方創生・行政改革担当大臣】 梶山弘志氏(61)

【オリンピック・パラリンピック担当大臣】 鈴木俊一氏(64)

(AbemaTV/『けやきヒル’sNEWS』より)

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