昨年からブームが続いている、クラフトビール。ひと昔前まで「地ビール」とも呼ばれ(今でもその呼び名は健在)、もっぱらビーラーの愛好物でしたが、最近では味も洗練され、専門店の店内も「とりあえずビール!」のお店よりシックでオシャレとあって、若い人の間にもじわじわ人気が広がっています。デートで「クラフトビールが飲めるお店、どう?」というのも、けっこうポイント高いのではないかと思われます。

夏休みに行っちゃう?クラフトビール見学

ちなみにクラフトビールはビール酵母が瓶内に残っているものが多く、いわば発酵飲料なので美容にもいいと言われています。もちろん飲み過ぎは論外ですが。そこでクラフトビール入門としまして、いきなりですが、クラフトビールの工場見学のレポートをお届けします。はじめに選んだのは、夏休みの小トリップがてら、東京からサクッと行ける軽井沢ブルワリーです。

JR北陸新幹線・佐久平駅からタクシーで10分弱。軽井沢ブルワリーの工場はドーンと大きい。設立は2013年とクラフトビールの中では後発組ですが、規模がデカイ。年間200万リットルという生産能力は日本のクラフトメーカーの中ではトップクラスです。さらに9月には工場増設が完了し、今より2.5倍の500万リットルにパワーアップ。国内のクラフトビールで最大の生産能力になるそうです。

 軽井沢ブルワリーにしかないビアサーバー

オープンして4年目のきれいな工場。見学者には若い女性グループ、男性グループと、思いのほか年齢層が若いです。「先日もSNSで知り合ったという20代の女性たちがいらっしゃって、ワイワイ楽しそうに見学されていきました」と軽井沢ブルワリーの小林さん。

ドーンと大きな軽井沢ブルワリー。JR佐久平駅からクルマで10分弱。

ビールの香りがほのかに漂う仕込み室、巨大なタンクが並ぶ発酵・貯酒室、缶詰め、瓶詰め工程の生産工程を見学。その工程自体は大手のビールと変わりはありません。このブルワリー見学の目玉はテイスティングするビアホールにありました。カウンターに並んだ3台のピカピカのビアサーバーが、サクソフォンの形をしているのです------と思ったら、「イタリア製の本物のサクソフォンに管を通してサーバーに仕立ています」とのこと。社長のこだわりがサーバーに表現されています。

見学後は、できたての生がサクソフォンから!

もうひとつの見所は、ビアホールからの眺めです。晴れた日にはテラスから素晴らしい景観が望めます。

奥に見えるのは浅間山。この景色を見ながらビールを飲む、そのためだけに来る価値あり。

軽井沢ビールは、この浅間山からの伏流水で仕込まれています。ビールは90%以上が水ですから、水の性質がビールの性質を左右します。

できたての飲み比べが楽しい!

軽井沢ブルワリーではクラフトビールには珍しく、エールタイプとピルスナータイプの両方を造っています。エールタイプの多くは醸造期間が2週間ほどですが、ここでは1か月以上と長い時間をかけています。ピルスナータイプ(大手ビールのほとんどがこのタイプ)では40日間以上の醸造、時間をかけています。

左から「クリア」「ダーク」「白ビール」。

「クリア」、「ダーク」、「白ビール」の飲み比べをしました。フルーティーな「白ビール」、深みとコクがあり、ほのかに甘みを感じる「ダーク」、そしてさわやかさと華やかさを感じる「クリア」。ビール工場見学の醍醐味のひとつは「飲み比べ」にありと実感。プハッ!(見学中の試飲は1杯無料で、お土産にビール1本もらえます)

ビール瓶とは思えない磨りガラスのオシャレなボトル入り、100%麦芽の「プレミアム・クリア」と「プレミアム・ダーク」。瓶ながらツイストキャップで栓抜きいらず。

せっかく来たのでプレミアムもいただきました。プハッ(こちらは無料じゃありません)!

佐久市は「日本3大ケーキのまち」だった 

テイスティング中にブルワリーの小林さんが、いいことを教えてくれました。この工場のある佐久市は実は神戸、自由が丘に次ぐ「日本3大ケーキのまち」と呼ばれているそうです。聞けば、ケーキの素材に恵まれているのが理由だとか。佐久のあたりは日照時間が長く、寒暖の差が大きい。そうした気候が上質な果物を育てます。また、近辺の牧場から新鮮な牛乳、卵なども調達しやすい。そんな土地柄から佐久にはケーキ職人が多く、お互い切磋琢磨する街になったそうです。

なかでもおすすめと聞いたのは『ケーキブティック ピータース』という洋菓子店。桃をまるごと1個使ったスイーツが大人気で、すぐに売り切れてしまうそうです。

また佐久のあたりはクラフトビールができる前から、日本酒とワインで酒好きにはよーく知られたエリア。浅間山の水で仕込んだ酒もあれば、八ヶ岳山系の水で仕込んだ酒もあります。佐久市の北にはぶどう畑が多く、マンズワインの小諸ワイナリーもあります。というわけで、このあたり相当なグルメです。夏休みのプチトリップにいかがですか?

軽井沢ブルワリー工場
住所:長野県佐久市長土呂64-3
電話:0120-919-144
アクセス:JR北陸新幹線・JR小海線 佐久平駅からクルマで6分
見学の申し込みはこちら
●予約制。8月、9月は毎日開催。料金500円。

ここでもできます!クラフトビールの工場見学

そのほか気になる、工場見学ができるクラフトビールをピックアップしてみました。

 ◆ヤッホーブルーイング(長野県佐久市)
コンビニでも買える「よなよなエール」「水曜日のネコ」「インドの青鬼」などを製造するクラフトビールの老舗。8月〜10月に開催される「大人の醸造所見学ツアー」は毎回大盛況。ビール好きが集まるディープな醸造所見学として知られる。8月は毎土曜・日曜、および8/11(金)、14(月)〜16(水)に開催。要予約(HPから)電話:0120-28-4747

 ◆ベアード・ブルワリーガーデン修善寺(静岡県伊豆市)
伊豆・修善寺、狩野川のほとりにある「ベアードビール」は、自然なフレーバーを生かしたビール造りが特徴。見学後は約20の定番ビールと季節限定ビールの生をそろえた「タップルーム」で、できたての一杯を味わえる。山に囲まれたガーデンはおつまみの持ち込み可。毎週末と祝日に、1日3回見学ツアーが行なわれる。予約はメールか電話で。電話:0558-73-1225

◆ベアレン醸造所(岩手県盛岡市)
ベアレンはドイツ語で熊の意味。ドイツの小さな醸造所からそのまま移設したというクラシカルな醸造設備が見どころ。見学後は無料の試飲1杯のほか、出来たての各種ビールを楽しむことができる。おつまみの持ち込み可。お天気の日には気持ちよいガーデンスペースで飲める。毎日開催。予約はメールか電話で。電話:019-606-0766

◆常陸野ネストビール(茨城県那珂市)
梟(フクロウ)ラベルの「常陸野(ひたちの)ネストビール」はクラフトビール界で老舗のブランド。親元は江戸時代に創業した木内酒造。工場での試飲はないが、工場から車で15分ほど離れた「きき酒処」で新鮮なビールを楽しめる(有料)。見学は平日に開催。予約は電話で。電話:029-212-5111(木内酒造)