学生の窓口編集部

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「AO入試」は1990年に慶應義塾大学の湘南藤沢キャンパス(SFCの2学部)で初めて導入され、その後広く知られるようになりました。現在ではあちこちの大学で行われており、一般に認知された入試スタイルとなっています。ただ、AO入試は「推薦入試」と混同されることが多いのです。みなさんはAO入試と推薦入試とはどこが違うのかご存じでしょうか? そこで今回は、AO入試とはどんな試験か、推薦入試との違いも交えながら解説していきます。




■「AO」の意味とAO入試とは?

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「AO入試」のAOは、「Admissions Office(アドミッションズ・オフィス)」の略で日本語では「入学管理局」と訳されます。一般的には、入学希望者が大学の求める「アドミッション・ポリシー(admission policy)」にかなった人物であるかを判断し、合否の判定を行う入学試験と説明されます。


アドミッション・ポリシーは「大学入学者の受け入れ方針」で、大学が学生に求める人物像をまとめたもの、と説明されます。大学によって教育理念や力を入れている学部は異なりますので、アドミッション・ポリシーもそれぞれ違っています。


AO入試はしばしば「自由応募入試」ともいわれますが、それは誰かの推薦をもらった者だけしか応募できないといった制約がなく、自分の自由意志だけで受験することができるからです。現在では「AO入試(自由応募入試)」あるいは「自由応募入試(AO入試)」として、多くの大学で導入されています。


ちなみに、AO入試を初めて導入した慶應義塾大学湘南藤沢キャンパスではAO入試について(以下引用)、


AO入試は一定の条件を満たしていれば自らの意思で自由に出願できる推薦者不要の公募制入試です。


入試内容の特色は筆記試験や技能試験などの試験結果による一面的、画一的な能力評価ではなく、中学校卒業後から出願に至るまでの全期間にわたって獲得した学業ならびに学業以外の諸成果を筆記試験によらず書類選考と面接によって多面的、総合的に評価し入学者を選考するものです。


募集定員の限りもあり、選考という形式をとらざるを得ませんが、アドミッションズ・オフィスは入学志望者と大学が互いに望ましい「マッチング」を創り出すための出会いとコミュニケーションの場です。


データ引用元:『慶應義塾大学 学部入学案内』「AO入試:総合政策学部・環境情報学部」
http://www.admissions.keio.ac.jp/exam/ao_sfc.html

としています。

■AO入試は「推薦入試」とどう違う?


AO入試は上記のとおり、入学希望者の意思によって自由に出願できるのが特徴です。これに対していわゆる「推薦入試」は、一般的には高校学校長の推薦が必要となります。また推薦入試の主なものとしては、


・指定校推薦
大学が指定した高校からの出願しか認めない


・公募制推薦
大学の定める応募規定に合うのであれば誰でも出願できる


があります。この他にも、スポーツを頑張った優れたアスリートを受け入れるための「スポーツ推薦」、課外活動を頑張った人を受け入れる「課外活動推薦」といった「推薦入試」もあります。


ややこしいのは、自分で自分を推薦する「自己推薦入試」を導入している大学もあることです。この自己推薦入試では「その人の高校時代のさまざまな活動について評価し、合否について判定する」とされます。例えば早稲田大学では、入試制度として「AO方式等による入試」「自己推薦入試」の両方を導入していますが、それぞれの説明を見ると、


●AO方式等による入試
主に書類審査・筆記試験・面接等の組み合わせにより選抜します


●自己推薦入試
高校時代のさまざまな活動を評価します。選考は書類審査・面接・小論文等によって実施します

⇒データ出典:『早稲田大学 入学センター』「AO方式等による入試」
https://www.waseda.jp/inst/admission/undergraduate/system/ao/


⇒データ出典:『早稲田大学 入学センター』「自己推薦入試」
https://www.waseda.jp/inst/admission/undergraduate/system/recommendation/


となっています(ただし2017年度のもの)。ちなみに早稲田大学では、「グローバルな視野と高い志を持って、社会的・文化的・学術的に地域へ貢献する意識を持った学生を求めます」という「新思考入試(地域連携型)」という入試制度も導入しています。ともあれ、入試制度もいろいろあって、現在の受験生にはさまざまな選択肢があるわけです。


⇒データ出典:『早稲田大学 入学センター』「新思考入試(地域連携型)」
https://www.waseda.jp/inst/admission/undergraduate/system/wacel/


AO入試、推薦入試についてご紹介しましたが、いかがだったでしょうか。上記で少し触れましたが、各大学でさまざまな入試制度が導入されています。


文部科学省では各大学の「アドミッション・ポリシーは正しく設定されているか?」と考えているらしく、2015年3月には「現行の大学のアドミッション・ポリシー(入学者受入方針)に関する資料」を公開しました。アドミッション・ポリシーがしっかりしていないと、優秀な人を入学させることはできないですからね。AO入試が広く導入される一方で、各大学の規定の整備も求められているのです。


⇒『文部科学省』「現行の大学のアドミッション・ポリシー(入学者受入方針)に関する資料」
http://www.mext.go.jp/component/a_menu/education/detail/__icsFiles/afieldfile/2015/04/06/1356363_01.pdf

(高橋モータース@dcp)