映画「STAR SAND-星砂物語-」の一場面(C)2017 The STAR SAND Team

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 「戦場のメリークリスマス」の助監督など、ほぼ半世紀を日本で過ごしたアメリカ出身の作家で演出家のロジャー・パルバース監督が、沖縄の孤島を舞台に戦争の無意味さをえぐった意欲作。

 72歳にして初の映画監督に挑んだ。

 昭和20年、戦火の及ばない小さな島に渡ってきた16歳の洋海(ひろみ)(織田梨沙)は、洞窟で隆康(満島真之介)とボブ(ブランドン・マクレランド)という日米の脱走兵に出会う。身の回りの世話をするうちに2人への共感を覚えていく洋海だが、ある日、隆康の兄で負傷兵の一(はじめ)(三浦貴大)が現れて…。

 映画は、現代の東京で卒業論文のテーマを決めかねている女子大学生(吉岡里帆)の視点を絡めながら、重層的に戦争を見つめる。現代の部分は平和のありがたみを思い知るという紋切り型に陥っておらず、2つの時代の意表を突いた飛び方といい、達者な映画話法にうならされる。戦時中の描写も温かみにあふれており、パルバース監督の日本への愛の深さに触れた気がした。4日、東京・渋谷のユーロライブで公開。1時間50分。(藤)

 ★★★★(★5傑作 ★4見応え十分 ★3楽しめる ★2惜しい ★1がっかり ☆は半分)