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 リチウムイオン電池の効率化が進んでいるようだ。当然だがEV車の開発には電池の進歩が欠かせない。EVの弱点は重く大きな電池を積むことだ。現在発売中のEV車は、1充電での走行距離が実用とは言えないレベルであるので、補助発電エンジンを積んでいたりする。また充電時間が長く、充電スタンドがあっても、EV車が増えると実用にならなくなる。

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 この欠点克服は、全て、「電池の性能向上」にかかっている。そこで現在はHVのほうが、ガソリンスタンドの普及した世界の情勢では実用的なのだ。これを一転させるのが今回、開発が進んできた「全固体電池」だ。

 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)のプロジェクトに参加しているトヨタと東京工業大学が「全固体電池」の開発に成功したと発表している。簡単に言えば、「電解液の代わりに固体電解質(硫化リチウム系化合物)で、電極を含めて全て固体にする」ことだ。

 現在のものより「2倍の出力」を出せる性能があると言われる。これが「マイナス電極の不安定」などの問題を解決し、実用化に成功すれば、「充電時間も数分の単位」になり、車に搭載するスペースも節減出来てEV車の実用化に近づく。

 EV車ではテスラが先行しており、中国で量産が開始されるが、トヨタも電池の開発を待っていたのであろう。ようやく世界の市場がEVに向かい、2040年ごろにはガソリン車が販売禁止になる世界情勢に合わせて、準備が進んでいるようだ。

 FCV(水素燃料電池)車は大型車に利用されると見られてはいるが、水素インフラの投資は金額が大きく、なかなか進まない。また水素製造にかかるエネルギーなどのためにCO2排出量があり、実用的ではない部分が残っている。

 EVでも発電と配電でCO2排出があり、車、個別に発電する方が有利であると考えられる。ドイツでは自然エネルギー発電が高額になり、現状では破たんするのではないかと懸念されてもいる。原因は、政策によるものと自然エネルギー発電は天候により安定せず、バックアップの火力発電を維持しなければならないことがあり、CO2発生低下の効率で、配電ロスも含めると、もしかしたら熱効率60%以上のガソリンエンジンに、かなわないかもしれない。

 その中で「全固体電池」の効率の良い性能が実用化されるのだが、天然ガスを含めて、まだまだ車のエネルギー源は確定できない情勢であろう。

 理解に苦しむのは、日産自動車は「全てEVで行く」としていたのに「独自の電池開発を放棄した」ことだ。「資金効率を考えた」としているが、EVの運命を決める電池開発で専門サプライヤーの開発した電池を積むとなると、技術的に先行することはできない。技術的独創性がないため商品力は目立って強くはならず、EVの世界になっても競争に勝ち残る術としては、何を頼るのであろうか?

 カルロス・ゴーンCEOは、ルノー、ニッサン連合に、三菱自動車を加えて、2017年上半期販売台数で世界1になったように、合併・買収などで競争していけると見込んでいるのであろう。

 「技術開発で勝負がつくのか?」「金融政策で決まるのか?」「これまでのように生産方式の進歩で決まるのか?」2040年ごろまで様子を見ていたい気がする。これは経済の世界で、アメリカファンドの得意とする「投資」で全て良いのか?従来のように、技術開発を基本としなければならないのか?興味は尽きない。