マイケル・アルメレイダ監督&ハンプトン・ファンチャー

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 映画『ハムレット』などのマイケル・アルメレイダ監督が、新作『エスケープス(原題)/ Escapes』について、俳優であり脚本家でもあるハンプトン・ファンチャーと共に、7月28日(現地時間)ニューヨークのIFCセンターにて上映後のQ&Aで語った。

 本作は『ブレードランナー』の脚本家ハンプトン・ファンチャーを題材にしたドキュメンタリー。1960年代に脇役として活躍したハンプトンと、当時人気だったテレビシリーズ「わんぱくフリッパー」のブライアン・ケリーさんとの友人関係や、女優テリー・ガーやバーバラ・ハーシーとの交際、『ロリータ』のスー・リオンとの結婚と離婚、そして秀作『ブレードランナー』の脚本執筆の経緯などが描かれている。

 本作の構成についてアルメレイダ監督は「本作はいくつかのエピソードからハンプトンの人生がいかに幸運や機会に恵まれていたかを描き、最終的にいかにして彼が名作『ブレードランナー』の脚本を執筆することになったかにたどり着くよう構成していったんだ。それら個々のエピソードには、(彼の人生における)変化や(現実や人の死などからの)逃避などが含まれているよ。僕が取材したハンプトンの友人たちは、彼の素晴らしい話を語ってくれたから、僕はそれを注意深く選択してまとめたって感じさ」と説明した。

 一方、自身を描いたドキュメンタリーに参加した理由についてハンプトンは「実は最初は拒否していたんだ。僕自身は映画の題材になるほど価値のある人物だとは思えないし、自分の人生がマイケルを満足させられないことが怖かったからね。でもマイケルとオープンにいろいろな話をしてみたら、彼がリアルを追求して僕を描くということは、とても名誉なことに思えてきたんだ」と明かした。

 ハーバラ・ハーシーとの交際は自身に大きな影響をもたらしたというハンプトン。「彼女と初めて会ったのは1974年で、まだ彼女はバーバラ・シーガルと名乗っていた頃だったね。彼女は僕が彼女のキャリアに助力したと思っているようだけど、むしろ僕の方が助けられたんだ。彼女とは今でも家族のような関係だよ」と振り返る。脚本執筆経験のないハンプトンを説得して、『ブレードランナー』の脚本を書かせたのは彼女なのだとか。新作『ブレードランナー2049』でも共同執筆ながら参加しているハンプトンは、初稿を自ら執筆したことを明かし、「前作よりも面白くなっているよ」と自信をのぞかせた。(取材・文・細木信宏/Nobuhiro Hosoki)