精神科医の水島広子さんが書いた『女子の人間関係』(サンクチュアリ出版)。タイトル通り、女性の人間関係について困っている人の悩みに、真摯に答えている書籍です。きっと、彼女たちが抱える問題と似たような経験があなたにもあるはず。

ケース01.
自分の男友達に
手を出されて不愉快

Aさんの場合

毎年、会社の同期グループでバーベキューをやっています。今年は女子の出席者が少ないということで、友だちのBを誘いました。以前からBには同期のことを話していたこともあり、すんなり輪に溶け込んでくれて、その会はとても楽しく終わりました。ただ、その後も同期メンバーの集まりにBが顔を出すようになり…。先日そのうちのひとりと付き合っていることを知りました。なんだかいい気がしません。以前から男性関係が派手だし、図々しいとすら思ってしまいます。

答え:「スルーする」

同期メンバーの集まりにBさんを一度誘ってしまった以上、どこでどういう関係が作られようと、それは本人たちの自由だと言えます。もちろん自分の会社の同期グループですから「自分の領域」という感覚はあって当然でしょうし、そこで我が物顔で入り込まれると不愉快な気持ちになるのも分かります。

しかし、どんな人がどんな人間関係を持とうと自由なのではないでしょうか? 彼女の振る舞いを見て不愉快に感じるのは、あなたも同類ということ。そうではなく「どんな振る舞いをしようと、その人の自由」と割り切ってしまいましょう。「ただし、責任も自分で取るように」という態度で接することで、Bさんに対しても好印象を持たれることになります。

ケース02.
自分だけ先に
妊娠してしまった

Cさんの場合

お互いになかなか子どもができず、悩みを打ち明け合いながら不妊治療を頑張ってきた友だちがいます。でも私だけ先に妊娠して、その友だちはまだできていません。周りがみんな妊娠していくなか、置いてけぼりのようなつらい気持ちを共有してきただけに、何となく連絡しづらいのですが、疎遠になるのも寂しい…。今後どのように接していけば良いのでしょうか?

答え:「相手のことを勝手に忖度しない」

これは確かに難しい状況ですよね。しかしよく考えると、自分だけ先に妊娠してしまった事実にどう反応するかは、彼女側の話ではないでしょうか。「なんとなく連絡しづらい」という感覚は、こちらが勝手に彼女のことを「察している」結果であるとも言えます。実際にこの出来事にどう反応しているかは、彼女にしか分からないことです。

もちろん、つらい道を共に歩んできたこともありますが、その他にも友人として大切なものが育っているはずです。それはCさんが先に妊娠したくらいでは失われないものです。先に妊娠された一種の喪失感を味わっている人に対して、腫れ物を触るような扱いをすると、友人の「孤立感」が極度に高まってしまいます。もちろんこれまでの関係が今後どうなるかは分かりません。

しかし、距離を置かなければならない事情がない限り、今まで通り接していけば良いでしょう。こちらにできることは、相手のことを勝手に忖度しないこと。相手を「不妊治療中の人」として見るのではなく、友人として見ることが大切です。妊娠に直接関連する話は尋ねられない限り避ける配慮などは必要だと思いますが、関係性全体に気を使いすぎることはないと思います。

もし可能であれば「まだ友だちでいてくれる?」と直接尋ねてみても良いでしょう。それまでは単に「不妊治療仲間」だった形ばかりの繋がりが、本当の友人同士の繋がりになるかもしれません。

ケース03.
真剣に相談に乗ったのに…

Dさんの場合

後輩から悩みがあると呼び出されたので、わざわざ時間をとって相談に乗ったのに、私だけじゃなくて色々な人に相談していました。「他の人には話せないことだから…」って言ってたのに! あげく、占い師にまで同じ相談をしたそうなんです。だったら最初からそうすれば良かったのに。あんなに長々と話に付き合って損をした。こんな風に思ってしまう私は心が狭いですか?

答え:「どうすれば好かれるかではなく自分はどうしたいか」

「他の人には話せないことだから」と言ったときは、本当にそう思っていたのかもしれません。「あなたのことは味方だと思っているわよ」と言いたかったのでしょう。人の世話を焼くのが好きな人は、本来聞かなくても良い悩み事まで聞いてしまいがち。もちろん他人の悩みを聞いてあげても良いのですが、それは、自分が聞きたい範囲にとどめるべきなのです。

この後輩のような態度をとられたときに「損をした」と感じるのは、心が狭いからではなく、本来やりたくないことを無理してやったからです。ここは「どうすれば好かれるか」ではなく「自分はどうしたいか」です。

よって、自分の心の狭さを責めるのではなく、単に「自分はやりたいことだけやろう」と決めれば良いだけだと思います。

『女子の人間関係』著:水島広子(サンクチュアリ出版)

対人人間関係療法専門クリニックに勤める著者が、精神科医の観点から「嫌われやすい女性とのうまい関わり合い方」を紹介。そもそもどんな女性が敬遠されるのか、どのようにすれば関係を壊さずに対処できるのかなどをまとめた、人間関係に悩む女性が読むべき一冊。