8月、いよいよ夏本番です。「そろそろ夏休みの計画を立てないとまずい!」と焦りを感じる一方、その焦りに拍車をかけるように気温と湿度の高い日が続くと、心身ともに疲労は増すばかり……。「疲れがとれない」「体がだるい」「食欲がわかない」などと不調を感じる方も多くなってきます。もしかしたらそれらは、“夏バテ”といわれる症状かもしれません。
今日は“夏バテ”を栄養素の面から考察してみます。疲れがピークに達した体には、一体何が不足しているのか? 原因を理解することで、“夏バテ”にならない食事を摂るように心がけましょう。

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夏の暑さが引き起こす体調不良を“夏バテ”と呼びます。夏バテにならない食事を心がけましょう


夏の食事の注意点

「夏バテ」は医学的な用語ではありませんが、暑さによる自律神経の乱れに起因する全身倦怠、食欲不振など、さまざまな症状を総称した言葉です。
夏バテを引き起こす要因のひとつは、栄養バランスの偏りにあります。そもそも夏は蒸し暑さで食欲が低下しがちな季節。それに加えて、のどごしのよい麺類やゼリーやアイス、ジュースなどの冷たくて甘いものをついつい食べてしまうことで、栄養バランスが崩れ、夏バテをしやすくなります。
まずは、普段の食卓を見直すことから始めてみましょう。そして、不足しがちな栄養素を補っていけば、夏に負けない体が作れるはずです。

夏といえば冷たい麺ですが、摂り過ぎはかえって夏バテの要因に


夏に不足しがちな栄養素

偏った食事によって不足しやすいと考えられる栄養素は以下の3つです。
◎タンパク質
夏は基礎代謝が高まり、普段以上にタンパク質を多く消費します。タンパク質は人間の体を作るとても大切な栄養素ですから、タンパク質が不足すると疲れやすくなります。
タンパク質が多く含まれている食品【肉、魚、大豆、卵、乳製品】
◎ビタミンB1
エネルギーの代謝に欠かせないのがビタミンB1です。ビタミンB1が不足すると、摂取した炭水化物を効率よくエネルギーに変換することができなくなるため、疲れやすくなります。
ビタミンB1の多い食品【豚肉、レバー、豆類、うなぎ、玄米】
◎ミネラル
ミネラルはビタミンと互いに影響しながらエネルギーの生成を助けます。カルシウムやリン、マグネシウム、ナトリウムなどの7種類を必須ミネラルと呼びます。
各種ミネラルをバランスよく含んだ食品【海藻類、きのこ類、豆類、野菜、果物、魚介類】

タンパク質とビタミンB1が摂れる豚肉は夏バテ防止にぴったり


疲労回復が期待できる栄養素

不足しがちな栄養素が分かったところで、次に、摂取すると夏バテを防止する栄養素をご紹介します。
◎アリシン
アリシンはたまねぎやにんにくに含まれる特有の刺激臭や辛味成分。ビタミンB1の吸収率を高め、効果を持続する働きが期待できます。
アリシンが多く含まれる食品【たまねぎ、ねぎ、にら、にんにく】
◎クエン酸
酸味成分であるクエン酸は、疲労物質である乳酸を分解し、体外へ排出する効果に期待が持てます。
クエン酸が多く含まれる食品【梅干、レモン、グレープフルーツやオレンジなどの柑橘類、酢】
◎香辛料
香辛料は胃液の分泌を促進し、食欲を増進させます。夏バテで食欲がないときに上手に活用してください。
主な香辛料【こしょう、とうがらし、わさび、みょうが、ねぎ、しそ、にんにく、しょうが】
── 普通に過ごしていても体力を消耗しやすい夏こそ、バランスのよい食事が大切なのです。たくさんの品数を作ることは難しくても、毎食ごとに肉・魚・大豆製品のいずれか一品を摂るように心がけみましょう。

夏バテ解消にもつ鍋もいいですね!