浦和新助っ人マウリシオ「日本がとても好き」 来日前にポンテ氏から助言、最短“8.5デビュー”も

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ブラジルU-17代表時代に来日経験 「いつかJリーグでプレーしたいと思っていた」

 浦和レッズに新加入したブラジル人DFマウリシオ・アントニオが、3日の練習後に報道陣の取材に応じた。

 登録名は「マウリシオ」となり、背番号は元日本代表DF坪井慶介などがつけた「2」に決まった。

 マウリシオはU-17ブラジル代表経験を持つセンターバック。浦和は29日のコンサドーレ札幌戦後にミハイロ・ペトロヴィッチ監督との契約を解除し、堀孝史コーチが監督に昇格した。マウリシオは、その前日の28日に前所属のポルトガル、マリティモの一員としてUEFAヨーロッパリーグ3回戦のゲームに、キャプテンとしてフル出場している。本人も「キャンプもやってきたし、公式戦も1試合やっている。コンディションにはなんの問題もない」と自信を見せた。

 サッカー界の中心であるヨーロッパから日本への移籍を選んだ理由について、マウリシオはこう語っている。

「ブラジルのU-17代表の時、二度ほど日本に来る機会があった。1カ月ちょっとの滞在のなかで、日本がとても好きになった。自分の代理人も長く日本で仕事をしているので、良さや魅力を教えてもらっている。いつかJリーグでプレーしたいと思っていたし、今回のオファーを受けて自分のポテンシャルをレッズで生かしたいと思った」

ポンテ氏の解説を聞き浦和の映像を分析

 クラブスタッフは、6月下旬から7月上旬にかけて強化担当者がヨーロッパに渡っていたことを明かした。ここ1カ月ほど、浦和にはオーストラリア代表DFトレント・セインズベリーを獲得するのではないかという海外報道もあったが、そうした動きのなかからピックアップした選手であるという。

 浦和でブラジル人DFがプレーするのは、前回のリーグ優勝やAFCチャンピオンズリーグ優勝を果たした約10年前のチームに在籍していたDFネネ以来になる。

 また、その当時に浦和でプレーしたブラジル人MFロブソン・ポンテ氏が現在ポルトガルのポルティモネンセでディレクターを務めていることもあり、来日にあたって多くのアドバイスも受けたという。ポンテ氏の解説を受けながら浦和のプレー映像も見たと話し、「1日、1日を大事に100%でやれば、多くの後押しやサポート、声援も得られるし、自然にいい結果も生まれる」とのアドバイスも受けたと話す。

 書類上の準備もすべて整い、Jリーグからの正式な承認が出れば、5日の大宮アルディージャ戦からの出場も可能になる見込みだ。

「自分の良さは速さ。右も左も問題ない」

 2日の来日からわずかの期間で迎えるゲームだが、DF槙野智章が出場停止、DF那須大亮は約6週間の離脱と守備陣の台所事情は厳しい。スタメンが難しくとも、ベンチ入りの可能性はあるだろう。

 マウリシオは「自分の良さは速さ。プレースピードもテクニカルな部分でもセンターバックの役割ができるし、右でも左でも問題ない」と話す。リーグ20試合36失点と守備面に課題が大きいことが明白な中、監督交代から時間もなく当面は3バック継続が見込まれる浦和で、救世主としての役割を果たすことができるだろうか。

【了】

轡田哲朗●文 text by Tetsuro Kutsuwada

フットボールゾーンウェブ編集部●写真 photo by Football ZONE web