バルサがネイマール退団を公表…玉突き移籍で宿敵レアルが恩恵も?

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 フットボール界を震撼させる大型ディールとして騒がれ続けて来た、バルセロナのブラジル代表FWネイマールパリ・サンジェルマン(PSG)移籍がついに公のものとなった。

 プロモーションのために訪れていた中国からスペインに戻ったネイマールは現地時間2日、練習場に姿を現したもののトレーニングは一切行わず、スペインの各メディアは「チームメイトに別れの挨拶をしに来た」と伝えた。

 そして、これを受けて公式ツイッターを更新したバルセロナも、「ネイマールは監督の許可の下で練習をキャンセルした」と説明したのに続き、「ネイマールはチームメイトにクラブを退団することを伝えた」と公表した。

 まだPSGからの正式発表はないものの、バルセロナではアルゼンチン代表FWリオネル・メッシも、「君と一緒に過ごしたすべての時間が最高の喜びだった。人生の新たなステージが幸運に包まれることを願っている」とインスタグラムを通じてメッセージを送るなど、ネイマールのパリ行きは周知の事実となっている。

 そして、ネイマールの去就が確定したことにより、ヨーロッパのフットボール界では玉突き移籍が勃発すると予想されている。とりわけ、バルセロナが固辞する契約解除に必要な違約金である2億2200万ユーロ(約291億円)を支払わなければならないPSGは、UEFAが定めるFFP(ファイナンシャル・フェアプレー)に抵触しないためには、数選手を売却して収支バランスを取る必要があると見られている。反対に、ネイマールの売却で巨額の資金を得るバルセロナは、リヴァプールのブラジル代表MFフィリペ・コウチーニョを筆頭に大型補強に向かうと報じられている。

 一方、ネイマールに端を発する選手の大移動により補強が円滑に進むクラブもあり、バルセロナの宿敵であるレアル・マドリードも恩恵を受けられるという。PSGはベルギー代表DFトーマス・ムニエとコートジボワール代表DFセルジュ・オーリエのどちらかの右サイドバックを売却する計画を立てているが、これはスペイン代表DFダニエル・カルバハルのバックアッパーが不在のレアル・マドリードにとって魅力的な話となる。従って、思惑が一致する両クラブは、実際に交渉に入れば一気に話が進展する可能性が高そうだ。

文=北村敦