Inc.: 習慣が大事だということや、繰り返しやることがその人をつくっているという考え方は、かなりよく知られていると思います。自分のやっていることは、自分を導く目的や価値観も反映していた方がいいということです。アメリカのトップの経営者たちと話していて、この考え方がさらに広がりました。

一言で言うなら「目的は刺激をし、価値観は導き、習慣は定義する」ということ。目的は「なぜそれをするのか?」で、価値観は「どのように目的を達成するのか?」で、習慣は「目的と価値観を反映して毎日やること」です。習慣というのは、目的を、価値観を可視化したものとも言えます。

このようなことが大事なのは、ある程度はわかるかと思いますが、肝心なのはいつ行動に移すかです。価値観や社員、顧客を大事にすることについて語る人は多いですが、経営者の問題は、この考えをどのように行動に表すかでしょう。

目的、価値観、習慣が大事な理由

Oracleで人材管理変革を行っている副社長のPamela Strokoは、「優秀な人材を引きつける組織になるための4つのポイント(The Four Keys to Becoming a Talent Magnet Organization)」の中で、

優秀な人材を引きつける組織と他の組織の違いは、何よりもまずその組織の価値観で生きているということだ。

と言っています。信用や社風、力を入れるところや優先事項、雇用関係、事実を明らかにすること、いつ決断するのか?といった価値観を見るとのこと。価値観は組織内のすべての人に関わるものなので、優秀な人材を通して活かされます。価値観というのは「自分たちが何者か?(どういう会社か?)」「どうなりたいか?」であり、優秀な人材が社内で実践していることや習慣が、それを実現する方法です。

価値観が大事だという考えは、人間は外的なものよりも内的なモチベーションを求めるという、ポジティブ心理学の基本的な定義と結びついています。人間は、やることで報酬を得たり、やらないで怒られたりするものでなく、気分が良くなる仕事にやる気を見出したりします。価値観に刺激を受けている会社のために、自分に価値があると感じる仕事をしたり、重要だと感じている目的を達成したりすることが大事なのです。

それから、習慣は毎日目的を達成するためにやっている行動です。最近の社員は給与を求めたり、リスクを避けたりせず、満足感や自分も他人も成長できる機会を求めるということが、いくつもの研究で証明されています。そして、顧客も会社の価値観が反映されていると感じるものを買いたいと思っています。しかし、最近の人は懐疑的なので、目的や価値観を主張するだけでは十分ではありません。それを信じるために理解しなければなりません。ここで習慣が必要になります。

目的と価値観は変えず、習慣を変える

「目的は100年間保つものがいい」と賢人は言いました。価値観も比較的変わらない方がいいです。では、このような変わらないものを、変わり続ける世界に合わせるにはどうすればいいのでしょうか?

毎日の習慣を通して合わせることになります。毎日の習慣というのは、いかに目的に沿って生活し、価値観を実践に落とし込むかということです。習慣は、実際に変わり続ける世界と変わらない考え方を統合します。新しい技術や考え方が生まれても、目的や価値観は変えられませんが、新しいやり方や考え方を組み込むために、習慣は変えられます。

したがって、リーダーとして育める一番大事な習慣のひとつは、変化を導く専門家になることです。CotentialのCEOであり、リーダーシップ戦略家のErica Dhawanは、最近の経営者は個人的に悩んでいる人が多いと言います。

若い世代に関する専門的な知識や洞察から学ばずに、自分を変えたり進化させたりする方法を知りません。しかし、これからの10年は、進化に価値をおく会社や全体的につながりのある社風の会社が勝つのは明らかです。一晩でイノベーションが起こると考えていたり、“頭脳集団”と呼ばれたりするような会社は苦しむことでしょう。

新しい人や技術、考えを古い仕事のやり方と置き換えるには変化が不可欠です。目的をできるだけ長く保ちたい会社は、新しい世代が役員になり、経験を得て、リーダーシップに移行する時に対応できなければなりません。経営者も変わりゆく世界で働き、生きる新しい方法を学び、進化しなければならないのです。

考えを行動に落とし込む

目的と価値観に関する一番大きな課題のひとつは、抽象的な(大きな)考えを具体的な行動に落とし込み、長期的な社風の一部にするのが大変だということです。「Delivering Happiness」の共同創業者でCEOであり、最初の「Culture Books for Zappos」のクリエイターのJenn Limは、

誰もが価値観はあるのに、このような問題が起こると、しばらくして全員が元の習慣に戻るのが問題です。つまり、全員で習慣を変えなければなりません。

と言っています。

「The 15 Commitments of Conscious Leadership」の共同創業者であり、共著者のDiana Chapmanも賛同します。

私たちは知的な概念から離れ、どのように日々の実践をするか、という時代にいます。たとえば、誰もが口にするコアバリューのひとつは透明化です。しかし、社内ではほとんどの人が実践できていないのもよくあります。透明化という価値観があるなら、その価値観を反映させた習慣も定義しなければなりません。これが事実と物語の違いです。

経営者に欠かせない4つの習慣

会社と個人の目的をつなげる

経営者は、価値観と習慣、考えと行動をつなぎ、会社の目的と個人の目的も常に結びついていなければなりません。Limは「目的と価値観を最初に定義しなければなりません。それから、その考えを落とし込む行動を見つけます。最終的に、給与をもらうためにではなく、目的のために生きたり、価値観を信じたりするために社員が出社するようになります」と言っています。

新しい考えのための時間をつくる

Dhawanは、日々の習慣というのは、進化できる人と進化できない人をわけるものだとしています。

普段は読まない新聞やニュースを見たり、Twitterで新しい人を3人フォローしたり、毎日10分間、何か新しいことをやりましょう。自分とは違う考え方をしている人と、月に1度は食事をしてみましょう。

話すのではなく、聞く

成長するために経営者に欠かせない習慣は、「質問をすることだ」とLimは言います。

指摘したり、非難したりするために会うのではなく、自由に質問をしましょう。そうすることで、誰も触れたがらない箱の中に問題を押し込むのではなく、一緒に進められる共通の根拠が明確になります。

行動を通して価値観を共有する

欠かせない習慣の4つ目は、毎日価値観を共有することです。ただし、価値観について話すのではなく、コミュニケーションは行動だというのを覚えておいてください。「Ryan Estis & Associates」のCEOであるRyan Estisはこう言っています。

コアバリューが社員へ十分に知れ渡り、理解されるのは、39回以上その価値観に接した時です。社内で価値観と行動をセットにすると、職場にとって有益で、仕事にも良い影響を与えることになります。

Estisは、習慣というのは今の会社や部署で活かされていない、潜在的な可能性や仕事を活かすメカニズムだと言います。口にしている価値観と、やると決めた行動の差を縮める習慣を育むのは、今の経営者次第です。

Four Essential Habits to Align Purpose and Values With Actions|Inc.

Image: Anucha Naisuntorn/Shuterstock.com

Source: Oracle, Cotential, Erica Dhawan, Delivering Happiness, Conscious Leadership Group, Ryan Estis