80年〜90年代にクルマ好きだった若者たちが、現在でも痺れる言葉の一つが「TURBO(ターボ)」です。過給器であるターボチャージャーは排気ガスの流れを利用してコンプレッサを駆動させ、空気の密度を高めてより多くの酸素を燃焼室に送るパーツです。

スポーツカーを中心に搭載されたターボエンジンは、圧倒的な加速力によって多くのドライバーを魅了する魔法のパーツでした。現在では、輸入車を中心に行われているエンジンの小排気量化(ダウンサイジング)で、欠かせないパーツとなっています。

ここでは、現在国産車に搭載されているスポーティなターボエンジンのベスト5を紹介しましょう。

ホンダ・シビックタイプR

6代目(タイプRユーロを含む)となるホンダ・シビックタイプRが2017年7月に発表され、9月29日より販売開始となります。かつてのタイプRは自然吸気を搭載していましたが、2015年に限定750台で販売された先代シビックタイプRからはターボエンジン搭載車となりました。

現行型シビックタイプRに搭載されるエンジンは専用のチューンが施された2L直列4気筒VTECターボで、最高出力は320ps、最大トルク400Nmを発生します。旧型より最大出力は10psアップし、ドイツ・ニュルブルクリンク北コースのテストでは7分43秒80を記録。先代モデルより7秒近くタイムを短縮しています。

エンジン制御技術の進化により、低回転域での高トルクかつハイレスポンスな立ち上がりと全開領域での高出力化を実現。組み合わされる6速MTのローレシオ化や軽量フライホイールの採用により加速性能は鋭さを増しています。新車価格は450万360円です。

■スバル・WRX STI

インプレッサシリーズから独立したスポーティ4ドアセダンのスバル・WRXは2014年8月に登場。このWRX STIはWRXのトップモデルに相応しい、ハイパワーをドライバーの意のままに操ることできるスバル最高峰のAWDスポーツパフォーマンスを実現したモデルです。

WRX STIにはEJ20型と呼ばれるスバル伝統の水平対向4気筒ターボエンジンを搭載。最高出力は308ps、最大トルクは422Nmを発生。ミッションは6MTが組み合わされJC08モード燃費は9.4km/Lを実現しています。

2017年5月に大幅な改良が加えられ、車両のハンドリング性能を向上させる新電子制御マルチモードDCCDの採用をはじめ、サスペンション設定の最適化、ブレンボ社製18インチブレーキシステムなどを装着し走行性能と実用性そして安全性能も向上させています。新車価格は386万6400〜406万800円となっています。

■日産・GT-R

日本が誇るマルチパフォーマンス・スポーツカーとして2007年に登場した日産・GT-R。「誰でも、どこでも、いつでも」圧倒的なハイパワーなスーパーカーの魅力を味わうことができるスポーツカーです。

GT-Rに搭載される3.8LV6ツインターボエンジンのVR38DETTはデビュー当時最高出力480ps、最大トルク588Nmでした。登場後改良が加えられ2016年11年に発表された17年モデルでは標準車が570ps/637Nm。ニスモは600ps/652Nmまで出力が向上しています。

組み合わされるミッションは6速のデュアルクラッチトランスミッションで、JC08モード燃費は8.6〜8.8km/Lとハイパワーと低燃費を両立。新車価格は996万840〜1870万200円です。

■トヨタ・ハリアー

現在人気の高いカテゴリーであるSUV。そのSUVの人気モデルであるトヨタ・ハリアーにターボエンジン搭載車が2017年6月に追加されました。

滑らかで爽快な加速感を実現する2L直列4気筒直噴ターボエンジンは最高出力231psとJC08モード13.0km/Lという高出力と低燃費を兼ね備えた新世代のターボエンジンです。組み合わされる6速ATによって素早い変速とスムーズな加速が特徴です。

ターボエンジンを搭載したハリアーはフロントとリアにパフォーマンスダンパーを装着し、車両剛性を挙げるとともに、高速走行時の優れた直進安定性や操縦安定性を確保しています。ハリアーターボの新車価格は338万400〜457万4880円となっています。

スズキ・スイフト

国産コンパクトカーの中でガソリンエンジンターボを搭載する数少ないスポーツグレードがスズキ・スイフトRStです。

スイフトRStはハーテクトと呼ばれる軽量・高剛性のプラットフォームにK10C型ブースタージェットエンジンの1L直列3気筒直噴ターボを搭載。最高出力102ps、最大トルク150Nmと1.5L自然吸気エンジン並の出力を発揮するのが特徴です。

ミッションは6速ATが組み合わされ駆動方式はFFのみですが、JC08モード燃費は20.0km/Lと優れた燃費性能を誇っています。新車価格は170万4240円です。スイフトにはスイフトスポーツという走りに磨きを掛けたグレードがあり、そちらにも従来の自然吸気エンジンに代わりターボエンジンが搭載されるというウワサなので、楽しみですね。

(萩原文博)

痛快な加速感がタマらない!ターボエンジン搭載の国産車・ベスト5(http://clicccar.com/2017/08/02/496501/)