Image: Adam Clark Estes/Gizmodo US


DJI Sparkは、小型ながらも大型機並の機能を備えたドローンです。ギズモード・ジャパンでもすでにレビューしており、こちらでは「幅広いシーンで使える、重量と性能のバランスが取れた空飛ぶ万能デジカメ」という評価になっています。

では、海の向こうの米Gizmodoのレビュアーたちはどう感じたのでしょうか? Adam Clark EstesとMichael Roselliによるレビュー記事を見てみましょう。



小型ドローンは真新しいものではありません。オモチャサイズのクアッドコプターは市場に何年も前から出回っていて、機能は簡素、価格はお手頃。ドローン入門機として子供たち(とその親たち)の役立ってきました。

でも「小型なのに、大型ドローンでできることが全部できるドローン」は今まであったでしょうか? そんなドローンがDJI Sparkであり、それがSparkのエキサイティングなところです。

最初に気づくのは、Sparkはとても小さいということ。あまりに小さすぎて、発売当初は十分に小型だった先輩格のドローン「DJI Mavic Pro」が巨漢に見えてしまうくらいです。Mavic Proだってイタリアンサンドイッチくらいの大きさですが、Sparkは中身たっぷりのカンノーロ(訳注:イタリア発祥のお菓子、春巻きみたいな形状)ほどの大きさです。300グラムという重さもまた、カンノーロと同じくらい。

最近の判例で、米連邦航空局(FAA)は趣味でドローンを楽しむ人にドローンの登録を要求できなくなったので、Sparkを箱から出せば、すぐに飛ばして遊べます。

商業目的でドローンを利用する場合は、従来通り250グラム以上の重さのドローンは登録が必要なため、この一口サイズのクアドロコプターのレビューは二人で制作しました。商用ドローンパイロットの免許を持っているMichaelが操縦を担当し、趣味でドローンパイロットをしているAdamは補助と撮影を担当しました。

趣味でやる人手も、ドローンを飛ばす際には常に友達と一緒にやるべきです。特にSparkはとても小さいので、位置を把握するには二人分の目があったほうがいいでしょう。

Sparkはどんなドローンなの?

大雑把に言うと、Sparkはより大きなMavic Proと同じ機能を持っていますが、その性能はすべてスケールダウンしています。

最高速度は時速約50km/hと、Mavic Proの時速約64km/hには及びません。送信機の最大伝送距離は約2kmで、約7kmのMavic Proほど遠くまで行けません。27分飛べるMavic Proに対して、Sparkが一度の充電で飛べるのは16分間。カメラについても、SparkはフルHD動画まで対応・カメラを水平に保つジンバルは2軸となっていますが、Mavic Proは4K動画に対応・ジンバルは3軸です。


170728djispark2.jpg
Image: Adam Clark Estes/Gizmodo US
Sparkの飛行モード(左)は、折りたたんだ状態のMavic Pro(右)と比較しても半分ほどの大きさ。Mavic Proは展開すればこの2倍くらいの大きさになります。


Mavic ProやDJI Phantom 4と同様に、Sparkはインテリジェント・フライトモード(編注:自動で障害物を回避、自分を追尾といった動きをさせる機能)を備えています。

ジェスチャーコントロール機能はSparkが輝くところでしょう。機体前部に搭載された赤外線センサーを利用してSparkをコントロールする機能です。かなり良い感じですよ、ジェスチャーをちゃんと認識するときは。多くの人がこれを「ジェダイ・モード」と呼んでいますね。

Sparkの価格がたったの550ドル(約5万6000円。訳注:日本版の価格は6万5800円)というのもすごいです。SparkはDJIが作った一番小さなドローンというだけでなく、同社のドローン中で一番安価でもあります。ただし、この価格には送信機(コントローラー)が含まれないのには要注意。


170728djispark3.jpg
Image: Adam Clark Estes/Gizmodo US
Sparkの送信機。Mavic Proの送信機にそっくりですが、ディスプレイはありません。送信機とはWi-Fiで通信するのでスマホと物理的に接続する必要もなし。


Spark本体と送信機を同時にゲットするには「Spark Fly Moreコンボ」を700ドルで購入しないといけません(約7万8000円。訳注:日本版のSpark Fly More コンボは9万1800円。送信機は1万8800円で別売りもされている)。このコンボには送信機以外にもいずれ欲しくなるオプションパーツが含まれています。予備のプロペラやバッテリー、プロペラガードとかね。

ここで注意して欲しいのは、別に送信機がなくたってSparkは飛ばせるということ。手を使ってジェスチャーコントロールしても飛ばせるし、スマートフォンやタブレットでだって飛ばせます。ドローン初心者で「ジョイスティックなんていらない」という人はそれでも十分です。もちろん、すでにドローン操作の経験があって送信機のフィーリングが好きという人は買ったほうがいいでしょう。

実際に飛ばしてみてどうなの?

Sparkはパーソナルなドローンだと考えてください。飛ばしているとき、「安全にコントロールできている」と思えるようにすべてがデザインされています。プロペラガードも購入したのであれば、とりわけそう感じられるでしょう。

カリフォルニアに休暇に行くにしても、Sparkはポンとバックパックに放り込むだけでOK。現地ではSparkを手のひらから離陸させ、自分と友達をトラッキングしてもらえます。レッドウッドの木の側で写真を撮ったら、今度は手のひらの上に着陸です。私たちはこれらを実際にすべて(カリフォルニアに休暇に行くという下りを除き)試しました。おおむね問題なく機能しました。


170728djispark4.jpg
Image: Adam Clark Estes/Gizmodo US
ブルックリンの暑い夏日。無編集の写真です。


しかし、ジェスチャーコントロールは完璧とは言いがたい出来でした。使いこなすにはいくつものジェスチャーをちゃんと学んで覚えておかなければなりません。そのうえ、できることは限定されています。

基本的にSparkにできるのは、手のひらから数フィートを飛びまわって写真を撮る、くらいのもの。「隠し芸みたいな感じでしかない」とも言えるかも。それも風が吹く中では止めたほうがいいでしょう。Sparkがそよ風を受けたとき、赤外線センサーが混乱しているようでした。

とはいえ、操作を理解した人間さえいれば飛ばせてしまうSparkには、「これから簡単に飛ばせるドローンがどんどん生まれてくるんだろうなぁ」とワクワクさせられます。

セルフィーを撮る以外に何ができるの?

実のところ、ジェスチャーコントロールなんてホントは必要ありません。十分にすばらしいドローンにおまけでついているような機能です。


170728djispark5.jpg
Image: Adam Clark Estes/Gizmodo US
Sparkがコントロールを失っているときに撮影した写真。ジェスチャーモードでAdamが操作していたが、Michaelが送信機を使って撮影した。


言ってみれば、Sparkはマツダ・ロードスターのドローン版。今手に入るドローンの中で、最速でも最高スペックでもないんですが、最高に楽しい。

特にドローンレーサーになりたいと思っている人たちにとって、Sparkはとても楽しい物に仕上がっています。DJIドローンの中で最速ではないといっても、Sparkをスポーツモードで飛ばしていると速く感じます。それに、ライブ観戦サイト・ESPNなんかで放送されている「Drone Racing League」で使われるレースドローンとほぼ同じサイズなので、それがどんな感じなのかSparkでわかるわけです。それだけに非常に残念なのは、DJIの一人称視点(FPV)ヘッドセットであるDJI Googlesがついていないこと。

一方Sparkのカメラ性能はどうかといえば、セルフィーを撮る・街を空撮するといった単純な撮影には十分です。ただ、スムーズなカメラの回転が必要な撮影には向いていないでしょう。2軸のジンバルがスムーズに動かず、ある角度から別の角度へと一気にジャンプする感じなので。


170728djispark6.jpg
Image: Adam Clark Estes/Gizmodo US
Spark前面についた赤外線センサー、1080pカメラ、2軸ジンバルのおかげで、なんだか『スター・ウォーズ』のキャラクターみたいな見た目。


もしもあなたが、カメラの回転がスムーズじゃないとか、DJI Googlesがついていないといった欠点を気にするのであれば、Sparkはあなたには向いていないかもしれません。というか、ハイエンドなドローンをすでにお持ちなのでは? Mavic ProやPhantom 4、3300ドル(約39万円)もするDJI Inspire 2とかね。

Spark、買った方がいい?

財布を取り出す前に、購入の目的を考えてください。あなたは初心者で、いろんながしっかりとできる「最初の一台」を探しているのでしょうか? そうであればSparkはすばらしい選択となるでしょう。

子供のためにSparkを買おうと思っている方もおられるでしょう。Sparkは高価ですが、本当にドローンを始めたいと思っている人にはそれに見合った価値があります。楽しいことが大好きなあなたのお母さんにプレゼントしちゃっても大丈夫です。

すでにPhantomのオーナーで、もっと持ち運びやすいドローンを探しているなら、Sparkはおすすめできます。あと300ドル(約3万3000円)出せばもっと性能がいいMavic Proが買えたりしますが。

もしあなたが空撮カメラマンで、空撮した映像をハリウッド映画業界に売り込もうとしているのであれば、そもそもこの記事を読んでいるべきではありません。5000ドル(約55万円。訳注、日本版Matrice 600 Proは59万3800円)のDJI Matriceを買うための貯金に励みましょう。


170728djispark7.jpg
Image: Adam Clark Estes/Gizmodo US
Sparkから一つのプロペラとプロペラガードを外した状態。プロペラガードがドローンの腕の部分にしっかり固定される。プロペラは折りたため、モーターに押し込んで捻るれば接続できる。


Sparkの登場でDJIはアマチュアからプロまであらゆるレベルに適したドローンを販売するようになったと言えます。すばらしいのは、500ドルのSparkはほとんどの人にとっては十分な性能だということ。しかも、ドローンパイロットとして経験を積んだ人にとっても、Sparkを飛ばすのはほんとに楽しいことなんです。

将来的にファームウェアやジェスチャーコントロールが改善され、Sparkはより良いドローンになるかもしれません。そうでなくとも、これまで不可能と思っていたような小ささなのに、従来の小型ドローンよりもいろいろなことができます。

Sparkは、私たちの想像よりずっと小さくなったドローンが飛ぶエキサイティングな未来を垣間見せてくれる、魔法のようなプロダクトと言えるでしょう。


170728djispark8.jpg
Image: Adam Clark Estes/Gizmodo US
信じようが信じまいが、Sparkは見た目以上に小さいんです。



総評

・Sparkの価格は500ドル。DJIのラインナップ中で一番安価なドローンながら、エントリー機として素晴らしい性能。
・買うなら700ドルのコンボ版がおすすめ。飛ばしていると、プロペラガードも送信機も欲しくなるから。
・ジェスチャーコントロールはそこまできちんと機能しないものの、楽しいアイデア。将来、ソフトウェアアップデートで機能改善するかも。
・インテリジェント・フライトモードや障害物衝突防止など、通常この価格帯のドローンにはついていないようなハイエンド向け便利機能も備えている。
・Sparkは単純に楽しい!


関連記事
DJIの小型ドローン「Spark」レビュー:200g超えに納得できる、守備範囲が広いパワフルな1台


Image: Adam Clark Estes

Adam Clark Estes and Michael Roselli - Gizmodo US[原文]
(abcxyz)