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都内のIT企業を退職したところ、社員研修の費用を返すよう会社側から訴えられた元社員の30代男性が、不当な提訴で精神的苦痛を受けたとして、慰謝料約330万円などを求めて反訴した。男性と代理人弁護士が8月2日、東京・霞が関の厚生労働記者クラブで記者会見して、「二度とこのような被害を生まないよう広く知ってもらいたい」と訴えた。

男性はIT系専門学校を卒業後、ウェブ業界に入った。採用求人を見たことがきっかけで、2015年4月、このIT企業に入社。エンジニアとして働いていたが、労働契約に含まれていた住宅手当や賞与が額面通り支払われず、希望の年収に届かなかったことなどから、2016年3月に退職した。

ところが、会社側は2016年10月、男性に対して、研修費用を返還するよう提訴した。男性は会見で、提訴されたことについて「地に足がつかない状態だった。疲れてきている」と話した。男性は2017年2月、不当な提訴によって精神的苦痛を受けたとして、会社を相手取って、慰謝料や不払い賃金の支払いを求めて反訴した。

男性の代理人をつとめる笠置裕亮弁護士によると、男性は入社の際に(1)新人研修を受けて資格を取得すること、(2)5年間勤務しないかぎり、その研修費用計約57万円を支払うことを誓約させられたという。男性側は、「社員研修は義務だった」として、違約金や損害賠償を予定する契約をしてはならないとする労働基準法16条などに反していると主張している。

会社側は「違法性はないと認識している」と話している。

(弁護士ドットコムニュース)