<着工から30年の時を経て、一時は中断されていた北朝鮮の幻の高層ホテルが遂にお披露目へ>

北朝鮮の首都ピョンヤンで建設が中断し、一時は忘れ去られかけていた「柳京ホテル(リュギョンホテル)」のオープンが近づいているようだ。105階建、高さ330メートルの超巨大ホテルに接続する2本の道路が開通し、建物の全貌が明らかになった。AP通信によると、7月27日、ホテルの正面に看板が取り付けられた。


工事が始まったのは、およそ30年前。1988年開催のソウルオリンピックに対抗して、社会主義国家の祭典「第13回世界青年学生祭典」の開催に華を添える、国家の威信をかけた一大プロジェクトだった。

初期の建設費だけで国内総生産(GDP)の2%に相当する、この巨大な建設プロジェクトは無謀だった。工事の進捗は予想通りに遅れ、青年学生祭典にも間に合わなかった。このときは急きょ、別のホテルを2つ建てて、やり過ごした。一方この巨大ホテルは、備品はおろか窓も外装すらないまま放置され、メディアからは「滅びのホテル (Hotel of Doom)」と呼ばれていた。

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北朝鮮は2008年に工事を再開。それまでに7億5000万ドル以上を費やしていた。さらにロイターの報じた試算では、追加で20億ドルが必要だった。

政府としては、2012年の金日成国家主席の生誕100周年の祝賀行事の一環としてホテルを完工したかったが、またしても叶わずに終わった。アメリカの北朝鮮専門ニュース サイト「NKニュース」によれば、2011年にホテルに窓ガラスが設置されたのを最後に、工事は中断していた。

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ニューズウィーク日本版ウェブ編集部