【世宗聯合ニュース】韓国の文在寅(ムン・ジェイン)政権が、超高所得層と大企業を対象に増税し、税収を社会的弱者や中小企業への支援に充てる内容の「富裕層増税」案をまとめた。来年から、所得税の名目最高税率を2ポイント引き上げ42%に、法人税の最高税率を3ポイント高い25%とする。
 政府は2日の税制発展審議委員会で、所得税法や法人税法など13の税法改正案を確定させた。改正案は9月1日に通常国会に提出される見通しだ。
 文政権で初となる税制改正は、雇用創出と所得再分配、税収基盤拡充という大枠に沿って策定された。
 政府は所得再分配と課税バランスの改善に向け、課税の基礎となる対象額(課税標準)が5億ウォン(約4900万円)超の区間に適用する所得税の名目最高税率を40%から42%に引き上げる。あわせて3億〜5億ウォンの区間を新設し、40%の税率を適用する。これにより9万3000人程度の税負担が増す見込みだ。
 税収基盤の拡充に向けては、法人税の課税標準2000億ウォン超の区間を新設し、現行の22%より3ポイント高い25%の税率を適用する。2016年の申告基準で大企業129社がこれに該当する。大企業の研究開発(R&D)費に対する税額控除の縮小など、比較的余力のある大企業の税負担を増やす策も盛り込んだ。
 政府は、こうした高所得層と大企業への課税強化で確保した税収を社会的弱者や零細企業の支援などに充てる方針だ。
 雇用増大に向けた税制を新設し、雇用を増やした企業に対し1人当たり年300万〜1000万ウォンを控除するほか、雇用の質を高める策として、非正規職社員を正社員に転換した中小企業に対する税額控除額を引き上げる。
 また、革新成長という文政権の政策方向に合わせ、来年から前年を上回る従業員を採用したベンチャー企業の所得・法人税を軽減する。大企業の社内ベンチャーもこの恩恵を受けられる。
 社会の二極化解消に向け、庶民や中間層の負担を軽減する策も改正案に盛り込まれた。低所得層などの実質所得を増やすための「勤労奨励金」の支給額を増やすほか、給与総額7000万ウォン以下の労働者の家賃支払い額に対する税額控除を引き上げる。
 政府は、これらの税法改正案が原案通り成立し、制度が定着すれば年5兆5000億ウォンの税収増加が見込めるとしている。高所得層と大企業は税負担が年6兆2700億ウォンほど増える一方、庶民・中間層と中小企業は8200億ウォン減少するという。