水害被災地の咸鏡北道会寧市郊外の住宅地(画像:UNICEF)

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中国の吉林省延辺朝鮮族自治州では、停滞した梅雨前線の影響で7月中旬から大雨が降り続き、安図件、汪清県を中心に大きな被害が発生している。豆満江を挟んで向かい合う北朝鮮の咸鏡北道(ハムギョンブクト)の被害については、詳しい状況がわからなかったが、断片的ながらも情報が出てきている。

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咸鏡北道(ハムギョンブクト)の情報筋が米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)に語ったところによると、現地では幸いにして人的被害は発生していないが、農地の一部が浸水し、山の中に建てられた掘っ立て小屋が崩れるなど、被害が続出している。

この掘っ立て小屋は、昨年8月末に北朝鮮北東部を襲った台風10号(ライオンロック)による大水害で家を失った人々が住んでいたものだ。

当局は、被災者向けの復興住宅を急ピッチで建設し、短期間で完成させ、入居式まで行ったと宣伝しているが、一体どういうことなのだろうか。

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道内の慶源(キョンウォン)郡は、被災者に住宅を割り当てるにあたって「住宅は1世帯に1戸」という原則を厳格に適用した。同居する家族の人数は考慮されていないため、父母兄弟とともに暮らしていた大家族は、住む場所がなくなってしまった。

そこで仕方なく山に入り、掘っ立て小屋を建てて暮らしていたというわけだ。

役人たちは、これを商売のチャンスと見ているようだ。

別の情報筋によると、国営企業は、山林経営所、林産事業所と結託して建築承認を取り付け、土壁の家を建設した。掘っ立て小屋暮らしに疲れ切った人々に売りつけるためだ。

長屋形式で1棟に4世帯が暮らすようになっていて、価格は15坪で1万2000元(約19万7000円)。北朝鮮国民には大金であり、捻出できる人は限られている。しかし設備はいい加減で、水道も電気もないため、井戸水や発電機を使わざるを得ない。

それでも新しい家に入れた人はまだマシだ。貧しい人々は、壊れた家を修理して住む以外に方法がないのが現状だ。