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海外へ出かける際、気になるのが言葉の壁。特に英語が苦手なら、一人旅なんて無理と思うかもしれない。そんな人に希望を与えてくれる翻訳機『ili(イリー)』を、英語圏から訪れた人々と一緒に使ってみた。果たして、その実力は?

試したのはこの人!

旅慣れないライター 石川 由紀子/海外旅行はギリ1回、仕事で行った台湾のみ。英語は中学生レベル、日本語はそこそこ堪能?

英語力とコミュ力が低い人にとって、『ili』は救いとなるのか?



グローバル化が進むこのご時世に、「英語に自信がないから」と海外を避けるのは正直、口にするのもはばかられる。英語は片言でも、コミュニケーション能力が高い人なら「何を言っているのか」と不思議に思うかもしれない。でも、引きこもり系の私にしてみれば、言語の壁は相当な高さ。それだけが理由じゃないにしても、人生の折り返し地点を過ぎながら、海外旅行の経験は一度きりだ。こんなこと、誌面でお伝えするのも恐縮なんですが。

そもそも『ili』ってどんな翻訳機?

『ili』は世界初のウェアラブル音声翻訳デバイス。独自の翻訳エンジンを搭載し、音声を入力してから最速0.2秒で翻訳が可能だ。言語は一方向で、個人向けには日本語から英語、もしくは中国語に対応するモデルを用意。



ログバー

ili(イリー)

現状、『ili』を利用する手段はレンタルのみ。海外用Wi-Fiルーターレンタルサービス『グローバルWi-Fi』を運営する、株式会社ビジョンが受け付けている。税抜料金は1日あたり、『ili』のみなら1000円。Wi-Fiとセットだとキャンペーン価格が適用され、今なら500円でレンタル可能だ。

そんな、英語力にもコミュニケーション能力にも自信がない人(=私)にとって、『ili』は頼れる相棒となってくれるのか? 疑問に思いつつも、試してみなきゃわからないということで、『ili』と共に出かけてみた。

幸か不幸か大人の事情で海外には行けないため、向かった先は東京・高田馬場。国籍や年齢、職業を問わず、多くの人が訪れる英会話カフェとして、30年以上も営業する『英会話喫茶ミッキーハウス』が舞台だ。毎週金曜日の夜は英語での国際交流パーティーが開催されており、今回の取材もちょうどそのタイミング。店内は多くの人でごった返しており、その賑わいに思わず圧倒される。あちこちで英語が飛び交って、まるで外国のバーに迷い込んだかのようだ。行ったことはないけれど。

イギリス出身のウィリアムさんと、アメリカ出身のスティーブンさんに協力を仰ぎ、早速、取材をスタート。

ミッキーハウス:日常的に英語を使える英会話カフェ。

住所:東京都新宿区高田馬場2-14-4 八城ビル4F

営業時間:13時〜17時、18時〜22時(日曜は13時〜17時のみ)



STEP 1

まずは『ili』ナシでの会話を試みる

最初の協力者、ウィリアムさん。「Where is the nearest station(=一番近い駅はどこ)?」と問いかけるも、発音の悪さが祟って聞き取りにくいようだ。予想はしていたが無念。



STEP 2

『ili』を味方に再トライ!

そこで『ili』の出番! 颯爽と取り出し、電源をオンして中央ボタンを押しながら、得意の日本語で話しかける。話し終えたら指を離すだけ。3ステップでサクッと使えるのも魅力だ。



STEP 3

素早く英語に翻訳されて会話成立!

タイムラグをほとんど感じずに、流ちょうな英語で話し始める『ili』。「僕ならnearestよりもclosestを使うかな」と、言い回しが気になったそうだが、通じただけで何よりもうれしい!



会話が通じた自信から、

英語以上にコミュ力がアップしそうだ!



『ili』は旅行会話に特化しているので、それに添った内容でお二人に話しかけてみる。その結果、実感したのは「『ili』ってホントすごい!」ということ。一番のポイントは、何と言ってもスタンドアローンで使える点だ。翻訳と音声出力はサイトやアプリでも可能だが、ネット環境必須というのがネック。でも『ili』なら、たとえ山奥だろうとオフラインでコミュニケーションが取れる。これ、かなり心強いです。

また、翻訳精度の高さにも注目したい。私がたどたどしく話した「What is the recommended drink(=オススメの飲み物は何ですか)?」に対し、ウィリアムさんが「こっちの言い方がいいよ」と教えてくれたのが「What drink do You recommend?」。これとまったく同じ文章で翻訳してくれた『ili』には、思わず平伏したくなった。

今回、いろいろ試してみたけれど、うまく行かなかったのは「取材(=cover)させてください」を「資材(=material)させてください」と翻訳したことくらい。とはいえ、旅行シーンで使う言葉ではないし、そもそも私の滑舌の悪さが原因のような気もする。ちなみに、『ili』の翻訳では「ちゃんと聞き取れましたか?」は「Did you catch it?」。でも、ウィリアムさんによると「ちょっとカジュアルな、アメリカっぽい言い回し。“Did you hear properly?”の方がいいと思う」のだとか。英語にそんな違いがあることまで思い浮かばない人(=私)にとって、やっぱり『ili』は頼れる相棒と言えそうだ。



▲アメリカ人 スティーブンさんは『ili』の賢さに驚きっぱなしで、「Amazing!」「Cool!」「スゲー!」を連発! 自分の発した言葉が伝わるって、やっぱりいいものです。

文/石川由紀子 撮影/山田英博

※『デジモノステーション』2017年9月号より抜粋