最初の花の3Dモデル。3枚一組の花被片、雄しべ、雌しべで花が構成されているのが分かる。仏パリ第11大学提供(2017年7月31日提供)。(c)AFP=時事/AFPBB News

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【AFP=時事】植物の進化の道筋の中で最初に登場した花は、恐竜時代に咲いていた、同心円状に並ぶ花弁に似た器官を持つ両性花だったとの研究結果が発表された。

 英科学誌ネイチャー・コミュニケーションズ(Nature Communications)に発表された研究論文によると、この花は中央に雄の生殖器官と雌の生殖器官の両方があり、その周囲に「花被片」と呼ばれる花弁に似た器官が複数の層を成して「輪生」していた。1つの層には花被片が3枚一組でついていたという。

 現存する植物792種から集められた史上最大規模の花の形質データベースに基づく今回の復元結果は、花の祖先がらせん状に並んだ「花弁」と生殖器官を持っていたとする科学的仮説に異を唱えている。

 現代の花の大半には、最も外側のがくと、その内側にある花弁、それに囲まれた雄性生殖器官(雄しべ)と、中央に位置する雌性生殖器官(心皮、雌しべ)の「輪生体」がある。

 花の祖先は、がくと花弁が分離していない「花被片」を持ち、これらが中央の生殖器官を取り囲んでいた可能性が高い。

 現代の花で花被片を持つものとしては、チューリップやユリなどがある。

 研究に参加したオーストリア・ウィーン大学(University of Vienna)の花の形態の専門家、マリア・フォン・バルタザール(Maria von Balthazar)氏は「今回の結果には、本当にわくわくする」と話す。「あらゆる被子植物(花を咲かせる植物)の初期進化における花の正確な想像図が得られたのは、今回の研究が初めてだ」

 花の色、におい、大きさなどはまだ不明だが、直径は1センチに満たなかったと推測される。

 陸生植物が祖先の水生植物から発生したのは約4億7000万年前と、専門家らは考えている。そこから30億年以上前、地球が誕生してから約10億年後に最初の生命が出現したと考えられている。

■樹木か低木

 顕花植物と球果植物を含む種族の種子植物が最初に出現したのは約3億2000万年前である可能性が高い。この時代には、陸と海には多様な動物が生息していたが、恐竜、哺乳類、鳥類などはまだ現れていなかった。

 知られている中で最古の顕花植物の化石は、約1億4000万年前のものだ。この時代に繁栄していた恐竜は、約6600万年前に絶滅した。

 原初の花はこれ以降、人が食物、医療やその他の目的で利用しているほぼあらゆる種類の植物を含む30万種以上の植物種に進化した。

 顕花植物は地球上の全植物の約90%を占めている。

 進化論を提唱した英国の自然科学者チャールズ・ダーウィン(Charles Darwin)が1879年、地質時代の白亜紀に花の咲く植物が短期間で発生して多様性を拡大させたことを「忌まわしき謎」と表現したという話は有名だ。

 研究チームは今回、最後の共通祖先にまでさかのぼる詳細な進化系統樹を作成するために、DNAデータと広範な植物形質データベースを組み合わせて用いた。

 論文の共同執筆者で、仏パリ第11大学(University of Paris-Sud)のエルベ・ソケ(Herve Sauquet)氏は、AFPの取材に「花は、ただ1種類の植物(で)のみ咲いた。これがすべての現存する顕花植物の祖先種だ」と今回の研究について語った。「これがどのような種類の植物かという疑問について調べた人はそう多くないが、過去の研究によれば、それは小型の樹木か低木だった可能性が高い」

 今回の復元図は、これまでで最も花の祖先に近い姿を提示しているが、今後の研究で解明すべきことがまだ数多く残っていると、研究チームは強調している。
【翻訳編集】AFPBB News