「ひふみん」の愛称ですっかりお馴染みになり、6月に引退した将棋の加藤一二三・九段が、モデルで歌手の水戸なつめと一緒に、原宿「メルカリカフェ」のオープニングイベントに登場した。

 15分遅れでスタートしたのだが、その理由は、ひふみんに用意されたメルカリカフェの店員の衣装が合わず、縫い直しをしていたためという。まだかまだかと苛立つマスコミ陣を横目に、ようやくイベントがスタートし、ひふみんはいつもの笑顔で現れた。

 ひふみんはイベント出演がこれで2回目というのに、堂々とした“ひふみん劇場”を繰り広げ、大物ぶりを発揮した。

 この日は、ライブ配信スタイルの出品方法「メルカリチャンネル」を利用して、ひふみんが出品販売することに。ひふみんは携帯電話を持ったことがないため、操作方法は水戸なつめにお任せ状態。

 1品目は、チョコレートの詰め合わせ。値段は名前の“一二三”に合わせて、すべて1230円。「レッツ ひふみん!」と2人で声を合わせて携帯のボタンを押して出品。と同時に“ソールドアウト”。

 ひふみんは「うれしいです」と満面の笑顔で、さらに「それではお礼の気持ちを込めて、山口百恵さんの『いい日旅立ち』のサビのところを歌います」

♪あーあ にほんのどこかにー
 だが、お世辞にも上手とは言えないほど音程を外す。ご本人は「歌は大好きなもんだから、少し練習して(NHKの)歌謡コンサートに出るくらいにしたいと思ってます」と、一人悦に入る。

 2品目は、直筆のコメント入り扇子。そのコメントとは“別れても好きな人”。ひふみんは「子供たちが好きな歌で、愛し合っている男女が、雨の原宿で別れた、ちょうどここは原宿で、何か書いてくださいと言われ、閃いたんですよ」と。いやあ、閃いたといっても、「別れても好きな人」を思い付くのはさすがにひふみんだけかも、と思いつつ、こちらも出品と同時にソールドアウト。

「落札された方にお礼として好きな『ふるさと』を歌います」
♪うさぎおーいし かのやまー
 と一番全部を熱唱。

 3品目は、ひふみんが実際に使用していた「花鳥風月」と書かれた扇子で、こちらも出品と同時にソールドアウト。すっかり気分が乗ったひふみんは、「今度は将棋の駒にサインしたものや、グッズや、サイン色紙を出品したい」とおっしゃる。

「色紙はおいくらくらいになるんですか」と聞くと、「チャリティーでよく頼まれるんですが、1万5000円でよく売れるんです。でも、ここでは8000円くらいで出しましょうかね」と自信たっぷり。

 最後に「歌好きのひふみんと水戸なつめがコンビを組んだらコンビ名は何にしますか」と尋ねた。

「そうですね、場所が場所だから『六本木コンビ』とかはどうです?」
「あのー、ここは原宿なんですけど」
「では『原宿コンビ』で」と、平気な顔でカメラ目線で言い直す。

 見た目は“ゆるキャラ”にしか見えないが、77歳とは思えない頭の回転の速さ。勝負師として鍛えた勘のよさはどんな場面も臆することなく、“ひふみん劇場”に引きずり込む。

 引退後は「これまでより3倍忙しくなる」とのこと。ネプチューンらが所属する大手芸能事務所にも所属したひふみんの活躍が期待される。
(取材・文/芸能レポーター川内天子)