最近の子と20年前の子ども大きく違うのは…家族関係、幸福度などを調査した「こども20年変化」が興味深い

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子どもたちを取り巻く世界はどのように変化しているのでしょうか。

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博報堂生活総合研究所が、1997年から10年毎(1997年、2007年、2017年)に小学4年生から中学2年生の子どもたちを対象にアンケート調査を続けてきた結果が発表されました。

自己認識や家族との関係、お金、情報環境などが比較されていますので、ご紹介しましょう。

10年前、20年前はどんな時代だった?

それでは、まずそれぞれどんな時代だったかをふり返ってみましょう。

10年前「2007年」

2007年(平成19年)は、1回東京マラソン開催、初代iPhone発売などのできごとがあり、また、新潟県中越沖地震の発生、赤ちゃんポストの設置許可などもありました。

流行語大賞に輝いたのは、第17代宮崎県知事だった東国原英夫さんの言葉「(宮崎を)どげんかせんといかん」。

この年の邦楽のヒット曲ナンバー1は秋川雅史さんの「千の風になって」。

邦画ランキング1位は「HERO」、洋画ランキング1位は「パイレーツ・オブ・カリビアン/ワールド・エンド」。

そのほか、短期集中型エクササイズ「ビリーズブートキャンプ」も流行しました。

20年前「1997年」

1997年(平成9年)は、消費税率を5%に引き上げ、山一證券の破たん、大阪ドーム、ナゴヤドームなどが完成などの出来事がありました。

流行語大賞に輝いたのは「失楽園」。

この年の邦楽のヒット曲ナンバー1は安室奈美恵さんの「CAN YOU CELEBRATE?」。

邦画ランキング1位は「もののけ姫」、洋画ランキング1位は「インデペンデンス・デイ」、この年のアカデミー賞は「タイタニック」が獲りました。

海外からは、ダイアナ元イギリス皇太子妃や、マザーテレサ死去のニュースが伝えられました。

20年前の1997年と、2017年の子どもたちに違いはあるのか?

それでは、博報堂生活総合研究所による「こども20年変化」の調査結果を見ていきましょう。

自己認識

- 自分は幸せな方だ:97年 77.6% → 17年 91.4% (+13.8pt)
- 自分のくらしは豊かな方だ:97年 65.7% → 17年 82.0% (+16.3pt)

豊かさ実感&幸福度について聞いた質問では「自分は幸せな方だ」と回答したのは、1997年が77.6%、2017年は91.4% と過去最高なり、2017年に回答した9割の子どもたちが「自分は幸せな方」であると感じているという結果でした。

暮らしについても2017年は8割の子どもたちが「豊か」であると回答し、いずれも過去最高のポイントとなっています。

ちなみに、2017年のみの調査ですが、「今一番欲しいもの」を聞いたところ「自分専用のスマートフォン」44.9%、「自分専用のテレビ」28.9%、「自分専用のパソコン」と、自由を手に入れることができる道具ともいえるのではないでしょうか。

価値観

- 遊びより勉強が大事:97年 36.5% → 17年 58.1% (+21.6pt)
- 勉強より遊びが大事:97年 62.7% → 17年 41.9% (▲20.8pt)

「勉強」と「遊び」どちらが大事? という質問に関しては、「勉強」の方が大事と回答した子どもは1997年では36.5% 、2017年 では58.1%と過去最高となりました。

「好きなのは勉強より遊び」という子どもは多いのではないかと思いますが「大事なのは?」という問いには「勉強」と回答しているのが興味深いですね。

たとえ、あまり勉強がはかどっていないように見えても「勉強は大事」ということはわかっているという事かもしれません。

家族との関係

- お母さんは「尊敬する人」:97年 54.8% → 17年 68.1% (+13.3pt)
- お父さんは「尊敬する人」:97年 59.7% → 17年 61.5% (+1.8pt)

お父さんとお母さんについて「尊敬する」かどうかを尋ねたところ、お父さんは20年前とほぼ結果は変わらず、約6割の子がお父さんを尊敬していると回答。

一方、お母さんを尊敬しているという回答は20年前には54.8%だったのに対し、2017年は68.1%と増え、約7割の子どもが「お母さんを尊敬している」と答え、過去最高に。尊敬度合いでお母さんがお父さんを逆転しました。

家事や仕事を両立するお母さんも増え、そういった背中を見ての回答でしょうか。

大人との関係

- お母さんにぶたれたことがある:97年 79.5% → 17年 48.6% (▲30.9pt)
- 学校の先生になぐられたことがある:97年 18.9% → 17年 1.6% (▲17.3pt)

大人から叩かれた経験について、「お母さん」「先生」に分けて聞いたところ、両方とも大幅に下がり過去最低に。「大人に叩かれる」経験はかなり少なくなっていることがわかります。

確かに教育の現場では「叩く」ということは避けられているように感じます。お母さんが叩くことに関しては、色々なシチュエーションがあるかもしれません。

友達との関係

- 友達の数(平均値):97年 50.7人 → 17年 77.3人 (+26.6pt)

友だちの数について聞いたところ、1997年は「50.7人」、2017年は「77.3人」と+26.6pt増加。過去最高に。

大人になると友達の数と問われるともう少し数は少なくなるかもしれませんが、小学生〜中学生が友達と思っている人数は結構多いようですね。

お金

- お小遣いをもらっている:97年 78.9% → 17年 63.0% (▲15.9pt)

お小遣いについて質問をしたところ、20年前の1997年には8割近くの子どもがお小遣いをもらっていると回答しましたが、2017年には約6割に減少、過去最低となりました。

いつ、どういうタイミングでお小遣いをあげるかまたはあげないのかというのは親にとっては迷うことかもしれませんが、最近では毎月定額制というよりは、それぞれの家庭の条件や約束事によって、お金を渡すことが増えたのかもしれません。

情報環境

- 情報は、はやっているものを人よりも早く知りたい方だ:97年 63.8% → 17年 45.9%
- 興味のある話は人に聞くより自分で調べる:97年 38.8% → 17年 63.3%

情報についての調査では、流行をいちはやくキャッチしたいという欲求は20年前よりも減少しています。

その代わり自分が興味のあることに関しては、人に聞かずに自分で調べるという回答が 63.3%となり、1997年より+24.5ptとなり、過去最高となりました。

- インターネットを利用する時のデバイスは、スマートフォン 56.4%、ゲーム機36.4%、パソコン 33.8%、タブレット 31.6%の順
- ネットサービス利用度は、検索サイトを利用する 86.6%、動画共有サイトで動画を検索・閲覧する 80.5%の順

2017年の調査では、インターネットを利用するときのデバイスは、スマートフォン、ゲーム機、パソコンと続きました。

また、インターネットの利用については、検索サイトを利用する 86.6%、動画共有サイトで動画を検索・閲覧する 80.5%の順となり、スマートフォンやパソコンなどの普及により、自分で知りたいことを調べる機会が増えているといえそうです。

まとめ

1997年と今年2017年の子ども。20年間でさまざまな分野で違いが見られました。幸せ度、価値観、友人関係など、この調査からは、よい方向に数値の変化が見られる項目が多かったようです。

度々述べてきましたが、IT環境の普及により、スマートフォンやパソコンがより身近になり、そのツールを使い、自ら知りたいことに簡単にアクセスできるようになったことで、どんどん情報を得て、知識を深めることができるようになりました。

また大人と子どもで同じ話題を通して、会話がはずんだりするようにもなったのかもしれません。

これからも時が流れ、当たり前に時代によって変化は訪れます。

どのような社会になっても、子どもたちが活き活きと幸せだと感じることができるような世の中を作っていくことこそが、大人の役割。10年後の調査があれば、その時にも子どもたちが「幸せ」だと回答してくれるといいなと思いました。

参照:「こども20年変化」(博報堂生活総合研究所)