アイドルグループの欅坂46が、先日放送された自身の冠番組でカバンの中身を抜き打ちチェック。中身やカバン自体に「分不相応」な高価なブランド物があったとして、ネット上で話題になりました。一部メンバーがルイ・ヴィトンやプラダのバッグを持っていたり、高価な美容機器を持っていたりしたからです。彼女たちの持ち物が分不相応かどうかはともかく、アイドルとその持ち物については、ファンからのプレゼントも含めて以前からたびたび話題になってきました。

アイドルの「ぜいたくな暮らし」

 番組終了後から、ネット上には「俺の給料が間接的に○○ちゃんのルイ・ヴィトンになっているのか」などのコメントが躍りましたが、間接的ではなく「直接的」に貢ぐファンもいます。チケット代やCD購入などでただでさえお金を使っているというのに、アイドルに高価なプレゼントを送りたがるファンがいるのです。プレゼントについての対応は運営によって、またメジャーかマイナーかによって異なりますが、「1万円以上のものは受け取らない」「事務所に送られても返送する」などと定めている事務所もあります。

 デビュー○周年や誕生日といった記念日、クリスマスなどは、ファンからのプレゼントも集中しやすいタイミングです。それを見越して、SNSに「おねだり」と取られかねない書き込みをするアイドルもいて、「キャバクラと変わらないのでは」との批判もたびたび噴出しています。

 コメント欄などでファンから欲しいものを聞かれ、思わず正直に答えてしまったところ、本当にそれが送られてきたというケースも。多数のファンが閲覧しているところでやり取りがなされるため、同じ商品がたくさん事務所に届いてしまう現象も起きてしまいます。プレゼントの内容は美容機器やブランド品、ゲーム機などさまざまですが、中には金券を贈る猛者もいるようです。

 アイドルファンの心理として、「夢に向かって頑張っているがまだ未熟な女の子を応援して力になってあげたい」というものがあるかと思います。ところが場合によっては、気がつくと応援している自分よりもアイドルの方がはるかに高価なものを身にまとい、ぜいたくな暮らしをしているケースもあるといいますから、いやはや何ともです。

大切に思うがゆえの距離感

 マネジメントがしっかりしていないローカルアイドルの世界においては、経験が浅く、人員も限られたスタッフ陣では到底、メンバー全員に目が行き届きません。ある地方都市のアイドルの中には、本来はスタッフが検閲しているはずのSNSのメッセージでアイドル本人がファンとやり取りし、やがて独自にLINEで連絡を取るようになって、援助交際のような形に発展したケースもあるといいます。

 そうした事態に陥る子はプロ意識が欠如しており、アイドルとして花開くことはありません。交際したファンとめでたく結婚に至れば「おめでたい話」で済みますが、すっかり“援助交際体質”になってマンションを借りてもらい、それがファンの間で知れ渡り、やがて事務所に知られて解雇されたなどの話もあります。いつしかAV女優になってしまったというケースも。本人の自由といえば自由ですが、ルールを守ってその子を応援していたファンにとってはガッカリな末路でしょう。

 ネガティブな面ばかり挙げてしまいましたが、多くのファンはたとえ「ガチでアイドルに恋している」ファンであっても、大事に思うがゆえに距離感を保ち、これといった見返りも期待せず、ひたすら応援し続けています。そのようなファンは、仮にアイドルにプレゼントを贈るにしても高価なものではなく、ちょっとした小物や実用品でも彼女に似合う、あるいはそれを見極めるセンスを感じさせるものを選ぶことが多いのです。

 なお、アイドルの持ち物が全部ファンからのプレゼントでないことは言うまでもありません。家が裕福だったり、自分で働いたお金を貯めて長持ちする品質のいい品物を買ったりするケースもあります。しかしながら、あまりにも高価なものを身に着けているのがわかると、夢を追っている発展途上の女の子を応援しているファンにとっては、気持ち良いものではないでしょう。

「本当にありがたい」プレゼント

 過去にも、写真好きなアイドルが30万円以上もするプロ用の一眼レフカメラを買ったことをSNSで報告したところ、大部分のファンは好意的に受け取りましたが、一部から分不相応と批判を受けたケースがありました。好きな写真を撮るために一生懸命お金を貯めてカメラを買うことは、普通は美談になるはずですが、そう受け取らない人もいるということです。まだ若年のアイドルとはいえ人を相手にする職業のつらいところと言えます。

 さらに豪華な服やブランド物は、すでに成功したタレントをイメージさせるものであり、発展途上の女の子に似合うアイテムとは言えません。だからこそ、実際には高いものを1〜2点持っていても、けっして人目につく場所では着用・使用しないように気をつけているアイドルもいます。

 一概にアイドルといっても生活事情はピンキリ。一部のメジャーアイドルには、事務所が借りた高級マンションでゴージャスなプライベートを満喫している人もいるでしょうが、一方では、アルバイトをしながらアイドルを続けているクラスの女の子もいます。彼女たちにとっては、たとえば化粧品など実用品のプレゼントは仕事にも生かせるため、本当にありがたいことでしょう。何事も程度問題とは、このことでしょうか。

(ライター、フォトグラファー 志和浩司)