HIVが恐ろしいウイルスだという認識はあっても、感染経路や予防策、治療法などの情報を調べる機会はあまりないかもしれません。だからこそ、誤ったイメージが一人歩きしてしまうリスクもあるといえます。

正しく認知してもらいたいという思いから、ひとりの患者がこんな問いを投げかけました。

HIVに感染したら、
もう人としての魅力はないのですか?

2008年に、HIVに感染していると診断されたSamantha Dawsonさんは、最も理解してほしいことのひとつとして、この事実を教えてくれました。

「私はHIVを感染させることはできません。まだ信じてもらえないことが多いけれど、本当なんです。有効な治療を受けているからです。同じように、感染を防いでいる人は何万人もいます。

有効な治療を受けていれば、血液中のウイルス量を非常に低い水準、つまり"検出できない水準"に減らすことができるのです」

これは、流行開始以来の大きな進展でした。つまり、安全にセックスをすることも、子どもを持つこともできるということ。彼女には息子と娘、ふたりの孫もいます。

HIVだという事実だけで、その人の魅力に目を向けてもらうことは出来ないのでしょうか?新しい恋愛をしてはいけないのでしょうか?そんな問いかけを、Samanthaさんは繰り返していました。

「HIV=感染」というイメージだけが一人歩きしてしまい、こういった医療の進歩や、患者の精神的負担についての認知が置いてけぼりになってしまっている問題が、特にこの病気では起こりやすいのではないでしょうか。

誰にとっても、
他人事ではないはず。

彼女は感染が発覚してから、「動物とセックスしたの?」「どれだけの人と寝たの?」という質問を繰り返しされ、看護師さんからも、触れないようにと差別を受けた経験があると言います。

いくら医療が発達しても、イメージが払拭されなければ、精神面の負担は解決できない。そう思った彼女は、HIV感染を止めるのをサポートすることと、認知を目的としている慈善団体を支持し、個人的にも講演や寄稿することで、もっと理解を広げるために、日々活動をしています。

「HIVはもはや、長生きを願う人生を妨げるものではなくなりました。普通に幸せな、他の人の日常と変わりません。私は感染者として生きる人生の中で、誤解や偏見と戦い続けるつもりです」

Licensed material used with permission by Samantha Dawson