今の時代、白髪を隠すためだけでなく気分を変えたい時など、ヘアカラーを気軽に楽しむ人はたくさんいます。また、くせ毛の人がストレートパーマをかけるのも珍しいことではありません。以前も白髪染めの危険性に関する記事をご紹介しましたが、メルマガ『しんコロメールマガジン「しゃべるねこを飼う男」』の著者でNY在住の医学博士・しんコロさんは、髪染め液やパーマ液が血中に吸収されることで起こりうるリスクについて警告しています。

僕は天然パーマで敏感肌です

突然ですが、皆さんは髪を染めたりストレートパーマをかけたりしたことはありますか? 日本では明るい色に髪の毛を染めている女性も多いと思います。髪の色にも流行がありますし、外国人のような色にしてみたいという気持ちもわかります。また、くせっ毛の人はサラサラストレートに憧れることもあると思います。そういう僕もくせっ毛で、ここ10年くらいは短髪ですが、10センチ以上の長さになるとウェーブが姿を現します。クリクリというほどの天然パーマではありませんが、わりと波打った感じのくせっ毛です。僕の高校時代、吉田栄作が全盛期だった頃、あのサラサラっとしたストレートの髪に憧れた男性諸君も少なくなかったのです。

髪を染め、ストレートパーマをかけるのは女性にはとても日常的なことだと思いますが、一方で体に害はないのか?という心配もあるかと思います。もしくは、「染めるのは髪なんだから、髪が傷んだとしても体には直接害はない」と思っている方も多いと思います。僕は今から20年ほど前の学生時代、「経皮吸収」という言葉を知りました。髪の毛の染料、シャンプー、歯磨き粉、ローション、そしてコスメ等、髪、肌、粘膜に直接触れるものが、血中に吸収されて健康に悪影響を及ぼす可能性があるという概念です。

というのも、そんな言葉が気になっていた僕自身が肌が敏感で荒れやすいのです。洗濯洗剤もナチュラル系でないと肌荒れを起こすし、柔軟剤を使うと湿疹ができてしまったりします。なので、肌に触れるものもできるだけナチュラルで安全なものを選んできました。そういった経験を通して、肌に触れるパーソナルケア用品やコスメの原料に関心を持つようになりました。そして、多くの製品が安価な石油化学製品由来の原料を用いていて、とても肌や身体に良いとは思えない成分が含まれていることを知りました。たとえ1万円の化粧水でも、実は内容物は数十〜百円というものも少なくありません。原価は安いけれどもタレントを起用したCM等にお金がかかっているのが実態です。

もちろん、価値観は人それぞれですから、基礎化粧品やコスメを使うことを「趣味」と捉えれば、たとえ原価が100円でも1万円払ってその製品を使うことに使用者が「満足感」が得られればとやかく言うことではありません。しかし、身体に害が及ぶかもしれないとなると、また話は変わってきます。

ストレートパーマと髪染めの害

ということで、僕は経皮吸収されるものの害が存在するということは意識していました。しかし、その説をサポートする信頼できる科学的根拠が20年前は多くはありませんでした。がんが先進国の中で深刻な社会問題となっている今、そういった製品の身体への影響もやっと研究されてくるようになりました。そんな中、ニュージャージー州のRutger大学の公衆衛生科のグループが先月国際誌に発表した研究が目にとまりました。ニューヨーク州とニュージャージー州を対象にした疫学的調査ですが、ストレートパーマ剤や化学染毛剤を定期的に使用しているアフリカ系米国人および白人女性は、乳がんのリスクが増大しているという内容でした。

調査は4285人からデータを取っていましたが、暗い色に染める化学染毛剤を使用していると回答した黒人女性では、そうでない黒人女性よりも乳がんのリスクが51%も高いという結果でした。さらに、ストレートパーマ剤を使用していると回答した白人女性は乳がんリスクが74%増大していました。さらに、ストレートパーマ剤と化学染毛剤の両方を使用している女性の乳がんリスクはさらに増大しており、全く使用していない女性と比較すると2倍を超えていました。

ただし、黒人女性と白人女性では文化が異なるため、好んで使用するストレートパーマ剤や化学染毛剤の種類も異なってきます。この研究ではどの製品を使っているかまで突っ込んでいませんが、実際にはどの製品に含まれるどの成分が危険なのかを疫学的調査で関連付けし、そこから発がん性の医学的試験を行う必要があります。とはいえ、今回の疫学調査は最大規模の黒人女性集団を対象としているという点で、今後の研究に対する多くの問題提起をしたと言えます。

他の過去の研究でも、暗い色に染める染毛剤を長期間使用している女性では、致死的非ホジキンリンパ腫と致死的多発性骨髄腫のリスクが4倍に増大していたという報告があります。他にも、暗い色に染める化学染毛剤と膀胱がんリスクとの関連も過去の研究で報告されています。これだけ疫学データが揃ってくると、その相関はもはや無視できないレベルで、さらに研究をしなければなりません。

いずれにしても、ある種のストレートパーマ剤や化学染毛剤が身体に悪影響を及ぼすリスクは真剣に受けとめる必要がありそうです。「髪の毛だから大丈夫」というわけではなく、我々が想像する以上に、髪から毛根を通して頭皮や血中に化学物質が吸収されるのだと考えられます。習慣的に髪染めやストレートパーマをしている方には心配な話題ですが、今後の研究に注意を払うのが賢明だと思います。

黒髪も、僕は綺麗だと思いますよ。しおちゃんを見てみてください!でも、茶色系でもかわいいかな…ティーちゃんみたいに。そして、カラフル3色でもかわいいかも…ティッティみたいに。でも、T3はみなナチュラルカラーです(笑)。うらやましいねぇ。

【参考文献】

Adana A.M. Llanos, Anna Rabkin, Elisa V. Bandera, Gary Zirpoli, Brian D. Gonzalez,Cathleen Y. Xing, Bo Qin, Yong Lin, Chi-Chen Hong, Kitaw Demissie, Christine B.

Ambrosone; Hair product use and breast cancer risk among African American and White women. Carcinogenesis 2017 bgx060.

image by: Shutterstock.com

出典元:まぐまぐニュース!