2017-0801
インターネット回線の高速化、各インターネット端末の映像処理能力の向上と映像処理技術の進歩、そして機動力に長けたスマートフォンの普及は、動画や画像を共有するサービスを飛躍的に浸透させることとなった。言語の壁すら取り払う動画や画像の共有化は、言葉通りワールドワイドな世界を展開させるツールとして広がりを見せている。今回は日本で主流の動画共有サービスであるYouTubeとニコニコ動画、さらには画像の共有サービスとして名を知られるようになったInstagramに関して、総務省が2017年7月7日に情報通信政策研究所の調査結果として公式サイトで発表した「平成28年 情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査」の公開値を基に、利用状況を確認していく(【発表リリース掲載ページ:研究成果-調査研究報告書】)。

およそ2/3が利用する動画共有サービス、YouTube


調査要項などは今調査に関する先行記事【主要メディアの利用時間をグラフ化してみる】を参考のこと。

次以降に示すのは、各サービスの利用をどの種類の端末から行っているかに関する回答値。回答時点で該当サービスを動画・画像の閲覧のみで利用しているか、書込みや投稿をしているか(設問では単に「書き込む・投稿する」とあるので、動画共有サービスにおいては動画の実投稿以外にコメントの記述などまで含むと回答者が判断したとする)。そして利用する際の端末はパソコン(PC。ノート、デスクトップを問わず)か、携帯電話(従来型携帯電話、スマートフォンを問わず)かについて尋ねている。また単純な利用状況は「いずれからも利用していない」を元に逆算したもので、厳密にはタブレット型端末やゲーム機などから「のみ」の利用者もいることから、値はもう少しばかり上乗せされるはずではあるが、報告書でもこの計算式で利用者が算出されていることから、今回はこの値を採用する。

まずはYouTube。

↑ YouTubeの利用状況(2016年、利用スタイル・端末種類問わず)
↑ YouTubeの利用状況(2016年、利用スタイル・端末種類問わず)

↑ YouTubeの利用状況(複数回答)(2016年、詳細、属性別)
↑ YouTubeの利用状況(複数回答)(2016年、詳細、属性別)

全体利用率は大よそ2/3。男女別では男性の方が7%ポイント近く高く、年齢階層別では20代がもっともよく利用して9割強を示しているが、40代までは大きな違いは無く高い値を維持している。そして50代以降は減退するも、60代以降でも3割ほどは利用している。

利用端末を見ると実のところYouTubuは概して携帯メインのサービスとなりつつある(その多くはスマートフォンだろう)。男女別では携帯電話の利用状況に大きな差異は無いものの、パソコンでは男性の方が閲覧率はかなり高い。元々パソコンの利用率自身男性の方が高いため、当然の結果ではあるが、見方を変えれば女性の方が携帯経由の利用割合が高いことにもなる。

また10代から40代までも携帯が非常に多く、40代までは携帯の方が上な状態が続き、50代以降でようやくパソコン経由の利用者が増えていく。

書込み・投稿者の割合はさほど多くなく、パソコンで1.3%、携帯電話で2.1%。20代の携帯経由による投稿が突出しているが、それでも5.5%に留まっている。YouTube利用者の大勢は視聴側にあると見て良い。

20代は1/3強、パソコンと携帯がほぼ同率のニコニコ動画


続いてニコニコ動画。

↑ ニコニコ動画の利用状況(2016年、利用スタイル・端末種類問わず)
↑ ニコニコ動画の利用状況(2016年、利用スタイル・端末種類問わず)

↑ ニコニコ動画の利用状況(複数回答)(2016年、詳細、属性別)
↑ ニコニコ動画の利用状況(複数回答)(2016年、詳細、属性別)

全体では2割近く。男性の方が利用率が高く、年齢階層別では10代から20代が圧倒的で、30代以降は下がる。YouTubeと比べて汎用性の低さ、投稿される動画の傾向の違いなどが原因か。

利用端末別では興味深い動きが確認できる。全体ではパソコンと携帯電話がほぼ同率。性別では男性でPC・携帯間の値に変わりはなく、女性では携帯電話がやや多い。元々のインターネット接続用の利用端末の種類性向の違いが表れている。そして年齢階層別では10代から30代では携帯電話経由の利用者が上、40代以降はパソコンによる利用率が逆転して上となる。若年層が携帯電話経由でニコ動を楽しんでいる状況が確認できると共に、YouTubeと比べてもPCとの差異があまり開いていないことから、携帯電話経由による利用に何らかの問題があることが推測される。

また投稿傾向ではパソコン経由の方が携帯電話よりも高い値。パソコンでは20代、携帯電話では10代がもっとも高い値だが、それでも2%にすら届かない。

オシャレな画像サービスInstagram


最後は動画では無く画像共有サービスのInstagram。他のソーシャルメディアとの連動性も高く、かつてのポラロイドカメラ的な使われ方もされている。2012年4月にはFacebookが買収したが、その後も独立性を保ち、他サービスとの連動性も維持されている。

↑ Instagramの利用状況(2016年、利用スタイル・端末種類問わず)
↑ Instagramの利用状況(2016年、利用スタイル・端末種類問わず)

↑ Instagramの利用状況(複数回答)(2016年、詳細、属性別)
↑ Instagramの利用状況(複数回答)(2016年、詳細、属性別)

全体利用率は20.5%。5人に1人は使っている。男女別では女性が圧倒的に多く、1/4強で男性の2倍近くの割合。年齢階層別では10代から30代が主流で、20代に限れば半数に届かんばかりの勢いを示している。

利用端末・行動別では圧倒的に携帯電話経由が多い。また、閲覧だけでなく投稿率も高いのが特徴で、20代では1/4近くの投稿率を示している。40代でも携帯経由の閲覧率は1割強、投稿率も3.2%と、決して低くない値を計上している。



日本で利用できる動画・画像共有サービスは今回例示した以外にも多数存在する。また最近では録画した動画ファイルの共有では無く、リアルタイムでライブ配信をするストリーミング系サービス(例えばツイキャス、ニコニコ生放送、YouTube live、Ustreamなど)も注目を集めている。これらもさらに利用率が高まれば、あるいは調査対象項目として提起されるかもしれない。

冒頭で動画・画像共有サービスの拡大の理由をいくつか挙げたが、最大の要因はやはりスマートフォンの普及浸透にある。今後さらに端末の利用率は上昇することから、動画・画像共有サービスもまた同様に、その利用状況は活性化することだろう。

余談ではあるが、ある意味一番注目されている、ニコニコ動画に関する前年分からの動向を計算し、グラフ化しておく。

↑ ニコニコ動画の利用状況(複数回答)(2016年、詳細、属性別、前年比、ppt)
↑ ニコニコ動画の利用状況(複数回答)(2016年、詳細、属性別、前年比、ppt)

特に傾向だった動きは見出しにくいが、あえて述べるとすれば、閲覧者率が減り、投稿者率が増えている、特に携帯電話経由の閲覧で、10代と中堅層の離脱が多いのが目に留まる。

これが単年の動向に過ぎないのか、それとも継続的な流れなのかは、来年以降の動向を見極めることで判断しよう。