富樫勇樹【写真:編集部】

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ウルグアイとの第2戦は第3ピリオドだけで9得点、ラマス体制初勝利に貢献

 現在、スペイン遠征中のバスケットボール男子日本代表は、8日からレバノンで開催される「FIBAアジアカップ2017」に臨む。11月のワールドカップ・アジア1次予選の出場権を懸けて16チームが戦う、世界大会への第一歩となる重要な大会だ。富樫勇樹は2020年の東京五輪も見据え、「あと3年ということで、時間は多いようで少ないと感じている」と自分なりのビジョンを語った。

 日本代表は7月29日、30日とFIBAランキング26位の強豪ウルグアイと国際強化試合を行い、2連戦を1勝1敗で終えた。2試合連続でスターティングポイントガードを務めた富樫は、第2戦でさすがのプレーを見せた。

 35-31と4点リードで迎えた後半、3点シュートで口火を切ると、鋭いドライブでウルグアイの守備を切り裂き、第3ピリオドはチーム18得点の半分にあたる9得点をマーク。田臥勇太に続き日本人史上2人目となるNBA契約を結んだ実力を示し、フリオ・ラマス新ヘッドコーチ(HC)体制初勝利(72-57)に貢献している。

「第1戦は外でボールが回るばかりの時間帯がありました。日本はインサイドの1対1で得点する選手がそこまで多くないと思うので、ガード陣が今日みたいにしっかりアタックしていって、そこからキックアウトなりしていければ。中に一回ボールを入れることが大事ですね。修正点はかなりありましたが、昨日(第1戦)よりは成長できたと思います」

 富樫は第2戦後、前日よりもチームとしてプレーできたことに胸を張った。

ポジション争いが激化も冷静「どのチームにいても争わなきゃいけない」

もっとも、課題がなかったわけではない。

 ラマスHCはパスで崩すスタイルを標榜しているが、全員の意思疎通が合わず、連動した動きを見せられない場面が散見。パスの出しどころがない司令塔の富樫がターンオーバーを犯し、ウルグアイに速攻を決められる場面が何回かあった。守っては身長167センチゆえのミスマッチを突かれ、ゴール下に押し込まれて失点も喫している。

 ポジションを争う篠山竜青がウルグアイとの2連戦で輝きを放っただけに、富樫とて立場は安泰ではない。それでも「ポジションはどのチームにいても争わなきゃいけないもの。ましてや代表ですから」と至って冷静だ。

「誰が出ても同じようなレベルで戦えると思います。調子の良い選手が多かったり、少しの差はあるかもしれませんけど、代表チームなのでスイッチを入れる入れないは各自でできる。全員が試合に絡みながら、与えられた時間をしっかりプレーできるようにしたいです」

「全員の認識の足並みが揃えば、すごく良いバスケットボールができると思う」

 では、富樫はラマス新HCと新たなバスケットボールにどのような印象を抱いているのか。

「監督は“日本人らしさ”についてよく話しています。40分間戦い続けるひたむきさは、世界で最も優れていると。勝ち負けもあるだろうけど、そこはやめずに全力で取り組んでいこう、そうすれば良いことが起きると言ってくれているので、信じてやっていきたいです。新しい監督になって2週間、全員がすべてを理解し切れているわけではありませんが、認識の足並みが揃えば、すごく良いバスケットボールができるんじゃないかと思います」

 ラマスHCの推し進めるスタイルをすべて把握する時間的余裕がないことを認めつつも、HCやチームメイトと過ごす新たな環境に手ごたえを感じているようだ。

 富樫は第2戦が行われた30日、24歳の誕生日を迎えた。2019年のFIBAワールドカップや、2020年の東京五輪を見据えると、間違いなくチームの中心を背負わなければいけない選手だ。本人もそれは自覚しているようで、自分なりの青写真について口にしている。

「東京オリンピックまであと3年ということで、(残された)時間は多いようで少ないと感じています。焦りではないですけど、1日1日を大切にしていかないと。FIBAランキングが上だから負けていいという気持ちになったら今後はないし、どの相手が来てもチャレンジする気持ちでやりたい。個人としても、チームとしても、ステップアップできる年にしたい」

 新たな一歩を踏み出した「AKATSUKI FIVE」(男子日本代表)。世界への扉を切り開くにあたり、富樫の力は必要になるはずだ。