「意外と男性がやってしまいがちなのは、睾丸を圧迫する行為。これがEDの要因になっていることも多い」
 こう語るのは、性感研究の第一人者で医学博士の志賀貢氏だ。

 日頃の生活の中で、あまり意識することはない睾丸の圧迫。例えば、コレだ。
 「胡坐ですね。あの座り方は、睾丸にモロに体重がかかるので、男性器にとってもよくないのです。できれば、椅子やソファに腰かけたほうがいい。もちろん正座なら問題ありません」

 そもそも、なぜ睾丸を圧迫するとEDになりやすいのか。
 「理由は大きく二つあります。一つは睾丸が圧迫されることで、ペニスへの血液の流れが悪くなってしまうため。勃起とは性的興奮時に海綿体に血液が流入してペニスが膨張する現象なので、血行が悪いとタチも悪くなるんです」

 できる限りペニス付近の血行はよくしておくことが、勃起力を高めるコツだ。
 「スクワットなどの下半身の筋トレが効果的なのも、同じ理由です。足を鍛えることで、下半身全体の血行の流れもよくなるんです。さらに筋肉量が増えれば、男性ホルモンの分泌も増える。一石二鳥なんです」

 もう一つの理由は、睾丸が圧迫されることで、陰部に熱がこもりやすいからだ。
 「特に夏場は危険です。もともと睾丸は熱に弱いので、基本的には冷やすことが大事。金冷法(ペニスに冷たい水をかける)が昔から持て囃されているのも、睾丸を冷やすことで男性器の機能を高めているんです」

 睾丸を圧迫しない…そのためには、寝る時はノーパンになることも一つの手。
 「最近はボクサータイプのパンツが流行っていますが、あれなどは締め付けが強い。就寝時もあのような下着の締め付けがあると、睾丸は24時間、圧迫されている状況。あまりいいとは言えません」

 ED解消にはウオーキングもオススメだが、これも実は睾丸と関係がある。
 「運動不足解消のみならず、歩くことで睾丸は揺れますよね。これによって、睾丸は冷やされるんです」

 だが、運動といってもサイクリングは危険だ。
 「普通の自転車ならまだしも、最近はやりのロードバイクタイプはサドルが小さい。睾丸への圧迫も強いんです。30分程度なら問題ありませんが、自転車通勤などで1時間以上も乗っている方は気をつけたほうがいいです」

 このように我々は日頃から知らず知らずに睾丸を圧迫していることが多い。
 だが、圧迫ではない刺激であれば構わない。
 「むしろ、睾丸マッサージなどは血行をよくして、男性機能を高める効果があります。強く握るのはオススメしませんが、優しく包み込むように揉むと、睾丸の働きも活性化します」

 そもそも睾丸は精子を作る工場だ。働きがよくなれば、当然、精子の量も増えて、勃起力も強くなる。
 「一番手っ取り早い方法は、オナニーをする際、ペニスをシゴくだけでなく、もう片方の手で睾丸もヤワヤワと揉んであげるのです。これを続けると睾丸そのものが性感帯にもなりますよ」

 男の急所でもある睾丸。急所を守って、気持ちよくさせる――。ED解消の秘訣と言えるだろう。

志賀貢
医学博士。内科医として診療する傍ら、260作以上の小説やエッセイを執筆。また、性感研究の第一人者で『かなりHな夜の教科書』(河出書房新社)など、医学的見地に基づいたセックス&口説き術にまつわる著書も多数ある。