子どもには金銭的に苦労させたくないというのが、親の心。「日々の生活で精一杯になりがちで、教育費があまり貯められていない。でも、奨学金で子どもに借金を負わせるのは…」という家庭も多いでしょう。じつは今、返済の必要のない奨学金が拡充されているといいます。ファイナンシャルプランナーの松山翠里さんに、くわしいお話を伺いました。


返済の必要がない「給付型奨学金」が増えています

みなさん、給付型奨学金ってご存知ですか?簡単にいうと、返済の必要のない奨学金です(給付型・免除・減額など)。今、政府がこの給付型も含め、各奨学金制度の拡充を積極的に推進しています。文部科学省では、将来の学費の返還負担を恐れて進学を断念してしまうことがないように、新たな「給付型」の創設や今までの「貸与型」の改正をしています。給付型奨学金制度は、2017年度入学者から一部先行スタートし、2018年度入学者から本格的なスタート予定です。早めの情報収集と行動がカギ!知っているのと知らないのとでは大違い!

奨学金は自ら申請しなければ、受給することができません。また、手続きに手間や時間がかかるので、早めの情報キャッチ&行動がカギです!奨学金はいまや大学生の2.6人に1人が利用しているといわれています。ですが、最近の調査では、社会人になると同時に大きな借金を負った状態になるのが不安で、それよりは就職をという学生も少なくないようです。返さなくていい奨学金であれば、受給して進学したいという学生も多いのではないでしょうか?日本学生支援機構(JASSO)のホームページでは、「大学・地方公共団体等が行う奨学金制度」というページがあり、日本学生支援機構(JASSO)の奨学金だけでなく、国内の大学、短期大学、地方公共団体等(都道府県・市区町村・その他、奨学金事業実施団体)が行う奨学金制度の情報も見ることができます。「条件」や「大学名、団体名」から検索を行うことができ、とても便利です。ぜひ一度検索だけでもしてみてください。

また、給付型奨学金が受給できなかった場合でも、無利子の奨学金から狙いましょう。2015年時点では、奨学金利用者の6割以上が有利子奨学金を利用していましたが、ここ数年は、行政の指導により、有利子から無利子への利用を促進していますので、可能性は上がっていると思います。書類を用意するのが大変でも、ぜひ応募を!

もらえる奨学金は、給付型、免除、減額など、名前は変わっても同じ意味あいになるものがたくさんあります。ほとんどの場合、複数応募OKですので、ぜひいくつも送ってみてください。学費の全額がカバーできなくても、十分助けになるはず。書類を出すのが大変でやめてしまうのはもったいないです。

たとえば、50万円の給付をもらうために、何枚もの書類を用意しなければいけないかもしれません。ですが、お給料で50万円もらうためには、何時間働かなければいけないでしょうか?そう考えると、お子さんと一緒に時間をかけてがんばってみる価値があるのでは、と私は思います。給付型奨学金の創設は国や学校だけでなく、民間でも増えてきています。制度をうまく活用してみましょう。●教えてくれた人
【松山翠里さん】
AFP認定者/2級ファイナンシャル・プランニング技能士。不動産会社の店長などを経て、独立。家計のピンチを知恵と行動力で乗り越えた経験あり。モットーは「お金の知識で幸せに」。FP相談、執筆、セミナー講師などで活躍中