動画配信大手ネットフリックスのロゴ(2017年3月1日撮影)。(c)AFP=時事/AFPBB News

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【AFP=時事】10代の少女の自殺を描いたドラマ「13の理由(13 Reasons Why)」が米動画配信大手ネットフリックス(Netflix)で公開されてから数週間にわたり、インターネットでの自殺や自殺方法の検索件数が急増したとする調査結果が7月31日、米研究チームによって発表された。

 米国医師会雑誌(Journal of the American Medical Association、JAMA)インターナル・メディシン(Internal Medicine)に掲載された調査結果によると、同作品の配信後に実際の自殺件数が増加したかどうかは調べられていないが、安全対策が取られるまではネットフリックスから同シリーズを取り下げるべきだとの声が専門家の間で上がっている。

 調査では、作品配信後の自殺関連の検索件数が、通常考えられるよりも19%高かったことが分かった。

 共同執筆者である米ジョンズ・ホプキンス大学(Johns Hopkins University)のマーク・ドレッゼ(Mark Dredze)教授(コンピューターサイエンス)は、「シリーズ公開後19日間の自殺関連の検索件数は、通常考えられるよりも90万〜150万件多かった」と語っている。

 同時期、「自殺ホットライン」といった自殺対策に関するワードの検索件数は同12%増、「自殺防止」は同23%増となった。

■物議を醸す番組

 このドラマでは、自殺した女子学生が残したカセットテープ7本を同級生が1本ずつ再生しながらストーリーが展開する。テープには、生前の少女の声が録音されており、ファンらは、この悩み多き十代若者の等身大の描写を称賛している。

 しかしその一方で、自殺の恐れのある人々に対してその防止に役立つ情報の入手先が十分に紹介されておらず、さらに最終話では自殺を生々しく詳細に描いているとしてこの作品に批判的な声もある。

 研究では、同シリーズが配信された3月31日から、4月18日までの19日間、米国内で検索されたキーワードの傾向をグーグル(Google)トレンドのデータを用いて分析。番組公開前の今年1月から3月までの傾向も調べた。

■セカンドシーズン製作中

 ネットフリックスは、同番組のセカンドシーズンを現在製作中だという。同社は、米メディアに宛てた声明で、同作品の配信によって自殺という難しい問題をめぐる議論が活発化するだろうと常に考えていたとした上で、今後のさらなる調査結果もしっかりと受け止め、次のシーズンに生かしたいと述べている。

 同番組の公式ツイッター(Twitter)アカウントには「13reasonswhy.info」へのリンクが貼られ、ここで各国の自殺ホットラインや自殺防止に関する情報を提供している。

 今回の調査結果についてJAMAは米ボストン子ども病院(Boston Children's Hospital)のキンバリー・マクマナマ・オブライアン(Kimberly McManama O'Brien)氏、米ハーバード大医学部(Harvard Medical School)のジョン・ナイト(John Knight)氏、同学部のシオン・ハリス(Sion Harris)氏による論説記事を掲載した。

 論説記事は、検索を行ったのが単なる好奇心に駆られた人なのか、あるいは自殺を考えている人なのか確認することは不可能だと指摘。また自殺が若者の死因として2番目に多いことに配慮しながら、「同シリーズの製作者らは自殺防止の専門家らが推奨している措置を講じるべきだった」と話した。
【翻訳編集】AFPBB News