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●フルモデルチェンジと呼ぶにふさわしい完成度

キヤノン「EOS 6D Mark II」は、新開発した有効2,620万画素フルサイズCMOSセンサーを搭載した一眼レフカメラだ。アングルフリーの可動式モニターを採用しつつ、700gを切る軽量ボディを実現。旅行用にも最適なカメラといえそうだ。実写を見ながら、その画質と機能、操作性をチェックしよう。

○センサーを一新し、常用の最高感度が向上

写真撮影が楽しくなる夏の行楽シーズンがやってきた。旅行用のカメラは小型軽量が鉄則だが、せっかく普段とは違った場所に行くのだから、できるだけ高画質で撮りたい気持ちもあるだろう。特に写真を趣味にしている人なら、画質に妥協はできないはずだ。

キヤノン「EOS 6D Mark II」は、そんな夏の撮影旅行にも適した一眼レフカメラである。前モデル「EOS 6D」から高画素化と高速化、液晶のバリアングル化などあらゆる強化を図りながら、ほとんど同じサイズと重量感を維持。軽いフットワークでフルサイズ画質が楽しめる。

最初の写真は、引いた構図で捉えた磯の風景だ。前モデルの2,020万画素から、約1.3倍に精細化した2,620万画素センサーによって、風景のディテールを正確に記録。海面や岩肌の質感までをくっきりと描写できている。また次の2枚では、フルサイズセンサーならではのボケ表現や高感度画質の高さを確認できるだろう。

画像処理エンジンは、キヤノン最新の「DIGIC 7」へと進化した。感度は、常用の最高感度が前モデルのISO25600から2/3段分向上してISO40000となった。拡張での最高感度については、従来と同じくISO102400。これほどの高感度が必要になるケースは一般的には少ないが、暗所での動体撮影や星景写真などでは、拡張も含めた高感度が重宝する。

高感度撮影時の画質をチェックすると、ISO3200くらいまではほとんどノイズは気にならず、細部まで緻密に表現できている。ISO6400を超えるあたりから暗部にざらつきが増えはじめ、解像感も徐々に低下していくが、それでもノイズの粒が揃っているので汚い印象にはならない。ISO12800やISO25600でも実用レベルといえるクオリティだ。

参考として前モデルEOS 6Dで撮った写真も載せておこう。同じ感度で見比べると、暗部ノイズの低減や高画素化によるディテール表現力の向上がわかる。

●バリアングル+高速AFによる自由な撮影

○ライブビュー撮影がキレッキレ

EOS 6D Mark IIの液晶モニターには、バリアングルタイプの3型/約104万ドットTFTを搭載。「デュアルピクセルCMOS AF」によるライブビュー時のオートフォーカス (AF) はスピーディに作動し、一眼レフなのにまるでミラーレスカメラのように、液晶モニターを見ながら快適なAF撮影ができる。タッチパネルによるAF測距点の移動もスムーズだ。

下の写真では、中華様式の天井をレンズを上に向けて撮影。バリアングル液晶によって、狙い通りのフレーミングを選択できた。そのほか、マクロ撮影や三脚使用時にもバリアングルの利便性を体感できた。

一方でファインダー撮影時のAFについては、前モデルEOS 6Dの11点測距から、本モデルでは45点測距へとAFセンサーが高密度化した。全点がクロス測距に対応し、精度と速度が向上している点もありがたい。

唯一残念なのは、測距点の配置が中央に寄っていること。画面の端にある被写体にピントを合わせるためには、その都度フォーカスロックをするなど撮影者の腕でカバーしたい。あるいはライブビューに切り替えて対処するといいだろう。

ファインダー撮影時の測距エリア選択モードは、スポット1点AF、1点AF、ゾーンAF、ラージゾーンAF、45点自動選択の計5モードを用意。シャッターボタンの横に新設された専用ボタンによって、素早くモード変更が行える。

連写は、最高6.5コマ/秒に対応。前モデルの4.5コマ/秒では動体撮影時に力不足を感じることがあったが、本モデルでは満足できるスピードになった。もちろん、今どきは10コマ/秒以上で撮れるカメラも増えており、6.5コマ/秒では超高速とはいえないが、動体を専門で撮る人以外なら、この連写速度に不満を覚えることは少ないだろう。

下のカットは、イルカジャンプの瞬間を6.5コマ/秒の連写で撮ったもの。測距エリア選択モードは「ゾーンAF」に、AFモードは「AIサーボAF」にそれぞれ設定。瞬間的な動きにも迷うことなく追従でき、ショーの最初から最後まで気持ちよく撮影できた。しかも、こうした動体では、表示が大きくてクリアな光学ファインダーを見ながら撮影できる点が使いやすい。

●フルサイズセンサーならではのボケ表現

○開放値F1.2のボケも快適に

AFの進化は、スピードだけでなく精度の面でもメリットが大きい。今回の撮影ではキット付属の標準ズームのほかに、単焦点レンズ「EF50mm F1.2L USM」や「EF85mm F1.2L II USM」を使ったが、この2本による開放値F1.2での撮影は被写界深度が極めて浅い。いい加減な撮り方ではピンぼけ写真を量産してしまう難易度の高いレンズともいえるが、EOS 6D Mark IIでは特に不自由なく開放値でのボケ表現を楽しむことができた。

トータルとしては、フルサイズセンサー搭載一眼レフとしては小さくて軽いボディながら、フルサイズならではの高画質と高感度、ボケ表現を存分に味わえるカメラといえる。

最高シャッター速度が1/4000秒止まりであることや、最高の同調速度1/180秒、ファインダー視野率98%、SDカードのシングルスロット、4K動画非対応といった部分は上位モデルに見劣りする。だが、「バリアングル液晶による撮影自由度」と「取り回しに優れた小型軽量ボディ」という2つのは利点は、スペック面の不足を補って余りある魅力だ。

特に今回のロケは炎天下での撮影だったが、ボディ+レンズ3本を持ち歩いても負担は少なく、小型軽量ボディのありがたみを実感した。EOS 6D Mark IIの発売は8月4日。夏の旅行用にも活躍してくれそうだ。