夏休みに大活躍するタフ防水カメラOLYMPUS「TG-5」レビュー。水中や顕微鏡モードで見たことがない世界を撮影
オリンパスのタフ防水デジカメ「TG-5」のアウトドア実践レビューをお届けします。

TG-5は IPX8相当の15m防水とIP6X相当の防塵、2.1mからの落下に耐える耐衝撃性能を持つタフネスデジカメです。オリンパスは伝統的にタフネスデジカメをリリースしており、ダイビング愛好者の間では定番カメラとなっていたりもします。

TGシリーズの特徴とも言える防水15mかつ、明るい解放F2.0レンズという性能を引き継ぎながら、リニューアルの度に機能追加されてきたTGシリーズの最新型「TG-5」を海で、山でどこまで使えるかレビューしました。

【ギャラリー】TG-5 (118枚)



防水、防塵デジカメの利点は、水や砂を気にすることなく使用できる点です。水辺でのレジャーや、シュノーケリングなど水に潜る遊びで「防水」が役に立ちます。水中など普段見ることのない環境では、撮影したい被写体も多くあります。



例えば磯部に住む生物の観察です。水中の岩陰に潜む貝や蟹などの生き物や、海藻などの植物などは、写真に撮ることで肉眼では気付けなかった様子が写真によってわかることもあるでしょう。水面、水上からではわかりにくかった水中の様子も、防水デジカメならではの写真となります。



海水や、泥や砂などをかぶった際は真水で洗い流せるのも防水ならではです。15m防水くらいの能力があると流水を使っても浸水する心配がないので思い切ったお手入れができます。



突然の雨など水のアクシデントに遭遇しても、気にせず撮影できます。スマホでは防水でも水濡れでタッチ操作がやりにくくなったりしますが、専用カメラはズームやシャッターなどがハードキーなので、晴天時と変わらずに操作できます。



もう一つの特徴がレンズから1cmまで寄れるマクロ撮影モードです。水中ではもちろん、日常生活のなかでもミクロの世界を覗くことができます。顕微鏡コントロールモードでは光学4倍ズームと合わせて最大44.4倍まで表示できるので、印刷の網点や皮膚の様子までくっきりと観察できます。



しかし、顕微鏡モードのマクロ撮影時には、レンズと対象物の間の空間が少なく光も入ってこないので、撮影が困難になります。そのような場合にオプションの「LEDライトガイド」を装着することで、内蔵LEDの光をレンズの周囲に拡散します。



レンズガイドを装着して完全に光を遮るようにカメラを伏せて置いた場合、レンズとの距離がちょうど1cmと最小撮影距離になります。その状態では周囲から光はほぼ入ってこないので、LEDライトの光を入れることで、撮影に必要な明かりを確保することができるというわけです。



手の甲の皮膚の様子や、山奥にある日影の木に生えている苔の様子など、拡大+ライトアップにて撮れる写真は、他のカメラではなかなか撮れないものになります。



樹皮にカメラを着けて撮影したものです。なにげに見過ごしている樹木も、クローズアップしてみると、そこには別の世界があるのだなと認識させられます。



GPSログによる行動記録との連携が便利

TG-5には、GPSや各種センサーが内包されており撮影した地点の場所や気圧、高度などの情報が写真と一緒に記録されます。それ以外に、LOGモードをONにすると常に位置情報を取得。ログとして記録します。このことで、登山やクルージングなどのレジャーにて、移動した軌跡などを後で確認したり、どこでどのような写真を撮ったのか(この写真は行程のどのあたりで撮影したのか)などを振り返ることができます。



見知らぬ土地での旅行や、登山やクルージングなど、自分がどのルートを移動しているのかを客観的に把握できない状態では、後から振り返ってこの写真はどの場所で撮ったものなのか、確認できるのは嬉しい機能です。例えばこの花が咲いていた場所を確認したい、この景色が撮れた場所にもう一度行きたいなどにおいても、地図上で確認できるので、観察記録や次回の旅行計画などの参考にすることができます。



それを実現するのが、スマートフォン用アプリ「OI.Track」です。ログと一緒に写真を取り込んで、移動履歴に撮影ポイントをプロットしてくれます。撮影ポイントをタップするとその地点で撮影した写真を表示し、高度や時間、その他EXIFデータなどを参照することができます。



コンデジとしての基本性能も秀逸

防水、防塵、耐衝撃など、タフネスデジカメとしての機能が目立つTG-5ですが、普段使いのデジカメとしても優秀なスペックを持っています。12メガピクセルイメージセンサーと、オリンパスのハイエンド一眼デジタルカメラ「OM-D E-M1 Mark II」にも採用されている最新の画像処理エンジンTruePic VIIIを搭載している豪華仕様です。



TG-4からRAW撮影にも対応していますが、RAWを自分で現像するよりも、カメラの撮影モードでJPG撮影したほうが良い仕上がりになっていると感じられるほどです。



こちらは、明るい昼間の海に面したテラスの写真です。RAWをそのまま書き出しても十分な写真に仕上がってます。



こちらが、撮影モードによるJPG撮って出し(リサイズのみ)です。椅子やテーブルの網目などがくっきりと描写されていますし、海の青さと鳥のコントラストが明瞭になっています。



こちらは夜景モード(手持ち)で撮影したRAWデータをそのままJPGに書き出したものです。高感度ノイズやディテールの甘さなどが目立ちます。



こちらが同じ撮影で生成されたJPG撮って出し(リサイズのみ)です。イメージ通りにライトアップが美しく再現されています。



例えば、一眼レフなどの高性能機種を使用して、レンズも最適なものを選んで撮影し、現像のノウハウも駆使することでカメラの撮影モード以上の写真に仕上げることは可能だと思います。

とはいえ、一眼レフで同じことをやろうとすると、コストも装備もかさばりますし、常に持ち歩いて手軽に撮るということも難しいと思います。コンデジクラスでここまでに仕上がりが実現できるということに、タフネスデジカメ以上の使いどころを感じます。

オリンパスならではの写真が撮れる充実した撮影モード

その他にも多くの撮影モードが、普段使いからアウトドアまでの様々な撮影シーンを助けてくれます。ユニークなものとしては、長時間露光の効果を得られるが、明るい場所が白とびしない「ライブコンポジット」や、ピントをずらしながら複数枚撮影してあとから最も良いピントの写真を選択できるフォーカスブラケッドなどデジタルならではの撮影効果が得られるモードが充実しています。特に面白いと感じたのが「深度合成」です。



接写をすると被写界深度によって手前だけにピントがあって途中からボケてしまう、奥にピントを合わせると手前がボケてしまうなど思うような写真が撮れないことがあります。例えば、花の写真を撮るときに、雄しべ、雌しべの先端から花弁までをきっちりピント合わせて撮りたい。手前から奥にかけて配置したボールペンをボカさずに撮りたいというような場合、望遠レンズを使用したり、絞りを絞って照明を使用するなど手軽に撮るレベルを超えてしまいます。深度合成を使用すると、複数枚撮影したデータからピントがあった部分を合成してくれるので、欲しい部分のピントがあった不思議な写真を簡単に撮ることができます。


深度合成をしない写真

深度合成をした写真

人物をよりキレイに撮れるeポートレートモード

家庭でのスナップとして、求められる機能にポートレート(人物写真)の仕上がりがあります。遊べるデジカメが欲しいお父さんにとって、奥さんを説得できる機能と言っても良いでしょう。TG-5には、あからさまに盛れるほどではありませんが、自然にキレイにしあがる「eポートレートモード」が用意されています。



こちらは、RAWをそのままJPGに書き出したものです。毛穴などの細かいところが目立ってしまいます。



こちらがeポートレートモードのJPGデータです。わざと盛ったような不自然さもなく、キレイに仕上がっています。

総合的にはこの夏イチオシの遊べるコンデジ

アウトドア向けの防水、防塵、耐衝撃機能などが充実しているコンパクトデジカメですが、基本機能や撮影モードなども充実しており、多くの場面で活躍が見込まれます。

基本機能としてさらに評価したいのは起動の速さです。電源ボタンを押して、構えるまでの時間で撮影可能状態になっているので、撮りたいと思ったときにすぐ撮れます。一眼レフやミラーレス機を毎日いつでも持ち歩くのは大変ですが、コンパクトデジカメであれば毎日持ち歩くモチベーションにもなりえます。常に持ち歩いて、撮りたい時にサッと出してすぐ撮れるという意味では、この夏一番に「使える」デジカメだと思います。

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