前年覇者の下北沢成徳(東京)を2-1で破った福井工大福井【写真:編集部】

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インターハイ女子バレーボール初4強…上坂主将「先輩積み上げた歴史のなかでうれしい」

 全国高校総体(インターハイ)は31日、女子バレーボール準々決勝で福井工大福井(福井)が前年覇者の下北沢成徳(東京)を2-1で破り、初の4強に駒を進めた。

 まるで優勝したかのような喜びようだった。最後のポイントが決まると、福井工大福井の選手たちはコート上で飛び跳ねて感情を爆発させた。喜ぶのも無理はない。女王・下北沢成徳を破ったのだ。

「自分たちの絶対、負けないという気持ちが結果につながった。勝てたことはすごくうれしい」。主将の上坂瑠子(3年)は表情をほころばせた。

 絶対、負けない――。その気持ちをコートにぶつけた。攻撃的なサーブ、アタックを繰り返す下北沢成徳に対し、拾って、拾って、粘りながらポイントを奪取。なかでも、ハマったのは“エース封じ”だ。

「キーマン」と警戒したのは、相手の2年生エース・石川真佑。男子日本代表の中大・祐希を兄に持つ注目アタッカーを徹底的にマークした。チーム最長身の177センチ・若泉佳穂(3年)ら強力なブロック陣が立ちはだかり、「息も合っていて、高さがあった」と上坂。序盤からアタックを決めさせず、第1セットを25-23で奪った。

「一つのヤマをクリア」も…目指すは初の日本一「ここを通過点にして優勝したい」

 第2セットこそ23-25で落としたが、第3セットもブロックがさえた。

 中盤につけた最大5点リードを追いつかれる嫌な流れとなったが、22-21の勝負所で再び石川からブロックポイントを奪取。一気に流れをたぐり寄せ、最後は25-22でものにし、女王撃破を達成した。

「絶対に落とさずにボールをつないでいけばどうにかなると思っていた。チームとしてもベスト4は初めて。先輩たちが一つ一つ積み上げてきた歴史のなかで、初めて4強に行けたことはうれしい」

 そう言って、学校の歴史を塗り替えた上坂は胸を張った。しかし、もちろん、ここはゴールではない。頂点まで、あと2勝だ。

「一つのヤマをクリアできた。でも、目指してきたのは日本一なので、ここを通過点にして優勝したい」とチームの想いを代弁した上坂。女王を破った勢いそのままに、一気に頂点まで駆け上がってみせる。