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『RIZIN FIGHTING WORLD GRAND-PRIX 2017 バンタム級トーナメント 1st ROUND -夏の陣-』
▽30日 さいたまスーパーアリーナ(観衆17,730人)
◎スペシャルワンマッチ RIZIN MIX特別ルール 57.0kg契約
◯那須川天心(1R 1分36秒 KO)才賀紀左衛門●

「次はRIZINでキックルールをやりたいですね」

 前回、4.16RIZIN横浜アリーナ大会の試合後に、RIZINマットでキックボクシングルールをやりたい意向を明らかにした“神童”那須川天心だが、大会終了後にこの発言を聞いた榊原信行RIZIN実行委員長は「天心にはMMA(総合格闘技)ルールの中でキックの強さを見せてもらいたい」とキックルールの実現については否定的だった。しかし、天心のホームリングであるRISE5.20後楽園ホール大会で、才賀紀左衛門が天心に挑戦表明すると、ルール問題が浮上。紀左衛門がキックボクサーとしても活躍していたことから、榊原実行委員長は「ファンの意見を聞いてルールを決めたい」との考えを示した。その結果、1Rはキックルール、2RはMMAルール(時間はそれぞれ5分)のRIZIN MIX特別ルールで行われることが決定。これを受けて会見に臨んだ天心が「僕は2Rいらないかなと思っています。皆さんが喜ぶような試合をして大会一番の試合、メインを食ってやる」と自信満々にコメントすると、紀左衛門も「天心はホンマの天才だと思う。でも立ち技ならぶっちゃけ負ける気はしないので、1Rに俺も倒しに行きます。2R、MMAになったら俺のほうが先輩なのでMMAの厳しさを教えてあげようかなと思います」と応戦し、2Rまで行くのかどうかが、この試合の焦点となった。

 会場では休憩明けにラインナップされた今回の試合は、全国に地上波ゴールデンタイムで放送されたフジテレビ系列では、一番注目が集まる20時頃からオンエア。紀左衛門の入場に続いて、ステージに現れた天心は、史上初となるコスチュームにLEDを仕込んだ電飾衣装で登場。大歓声に包まれる中、矢沢永吉の『止まらない Ha〜Ha』に合わせて威風堂々と入場するその姿には、先にリング上で待ち構えていた紀左衛門も「スターだな」と感じたという。関係者の話によると新コスチュームのテーマは近未来。毎回話題となる髪の色のイメージもコスチュームと季節に合わせて花火にしてきた。常に「入場から会場を盛り上げて、お客さんに楽しんでもらいたい」と語っている天心だが、RIZINマットにおいても入場シーンは出場全選手の中でズバ抜けていた。

 試合は、紀左衛門のワンツーに天心が右ジャブを合わせ、紀左衛門がミドルを撃とうとした瞬間、天心の左ストレートがカウンターで炸裂。紀左衛門は大の字に倒れてしまい天心がKO勝ちを収めた。MMAルールに持ち込むこともなく、キックルールでの96秒殺劇に会場からは溜息が漏れた、

 「紀左衛門さんは、やる前から本当にちょっと昔からお世話になってる先輩なんで、やりづらい部分はあったんですけど、試合が決まってからは、ずっと倒すことばかり考えてました。でも終わった後に控室でちょっと話したら不思議な感じでしたね」

 天心にとって紀左衛門は空手を習い始めたときに教えてもらったこともある旧知の“先輩”なだけに、紀左衛門は「挑発したつもりはなかった」と否定していたが、対戦が決まってから天心に対する“上から目線”とも受け取れる発言の数々について、天心は「なるべく気にしないようにしています」と話していた。「やりづらかった」というのは試合後だからこそ話せる本音である。

 「すげーな天心と思いましたね。スターだなというか、あんなちっちゃかったのに、今オレの目の前に立って試合やって、なんかこう複雑っちゃ複雑な気持ちやったですけど、ここで俺が天心の試合でジャブで距離取って変な試合して、MMAになってじゃあ一撃みたいな試合をしたら、やっぱり先輩としてカッコ悪いし、人としてカッコ悪いと思ったから、ここは天心の得意な土俵で、気持ちよく戦いという気持ちはあったので、楽しもうと思ってやりました。あっさりやられちゃいましたけどね」と、敗れた紀左衛門も天心に対する素直な気持ちを、感慨深い表情を浮かべながら話していたのが印象的だった。