日産リーフ

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「腹が減っては戦はできぬ」と申しますが、デンマーク語で同じ意味を表すことわざは、「食事と飲み物なしでは英雄ももたない」になるそうです。

片や、現代をサバイブする私たちからすれば「充電がなくては戦はできぬ」となるでしょうし、ビジネスなら「充電とコンセントなしでは我が社のエースももたない」と言い換えたっていいかもしれません。

とりわけ、ライフハッカー[日本版]の編集部員・開發(かいほつ)は、スマホなどの充電が減ってくるとソワソワしてきてしまう「充電恐怖症」を抱えるひとり。そんな彼が他人からも薦められるものの、どうも気乗りしないのが「電気自動車」なんだそう。

日産リーフ
Image: 日産自動車

「だって、電気自動車はガソリン車と比べて補給できるスポットが少ないし、充電に時間もかかるし、航続距離が短いから不安で乗れないですよ…」と顔を曇らせますが、彼はどうやら電気自動車に対する情報のアップデートがなされていないご様子。電気自動車を取り巻く現状は、彼の心配を上回る進化を遂げているからです。

そこで今回は、横浜にある日産グローバル本社ギャラリーを共に訪れ、100%電気自動車の「リーフ」に試乗させてもらいつつ、彼を納得させてみることにしました。

彼の不安(1):そもそも、電気自動車って長い距離を走れないのでは?

もしかすると、以前まではそうだったかもしれません。普段の通勤で自宅と職場を往復するくらいなら心配なくても、旅行では心もとない走行距離…というような。

しかし、スマートフォンも日夜タフになってきているように、電気自動車のバッテリーも進化しています。日産のリーフを例に取れば、現行モデルでは30kWhの大容量駆動用バッテリーを搭載し、フル充電時の航続距離は最大280km(※1)にも及びます。

Photo: 長谷川賢人

さらに、いわゆるスマホなどで言う「省電力モード」のような「エコモード」もあります。 走行中の使用電力をセーブしてくれます。バッテリーをあまり減らしたくない時は、普段からエコモードをオンに。軽快なドライビングを楽しみたいときはオフに。

使い方次第でスマートフォンの電池持ちがよくなるのはライフハッカー読者にはおなじみのこととは思いますが、そのハックたちは電気自動車であっても同様なのです。

*1 一充電走行距離は定められた試験条件での値です。お客さまの使用環境(気象、渋滞等)や運転方法(急発進、エアコン使用等)、整備状況(タイヤの空気圧等)に応じて値は異なります。電気自動車は、走り方や使い方、使用環境等によって航続可能距離が大きく異なります。

彼の不安(2):走っている間に電池切れを起こしたりしない?

表示される走行可能距離は、走り方や使い方、使用環境等によって変動する。
image: 日産自動車

モバイルPCやスマートフォンなら当たり前の「バッテリー残量表示」は、電気自動車でも当たり前です。残量からおおよその走行距離が常に導かれるので、充電スポットも事前に探しておきやすいでしょう。

Photo: 長谷川賢人

カーナビの機種によっては、目的地を入力した時点で、到着時にどの程度のバッテリー残量となるかを予測してくれる機能もあります。長距離走行であれば、利用する道路のルート差によって残量表示も変わってきます。

もしもバッテリー残量が少なく目的地まで到達できない場合は、メッセージが表示され、充電すべきタイミングを知らせてくれます。さらに、バッテリー残量が低下するとメーターに警告が表示され、ナビゲーション画面で近くの充電スポットの検索を促してくれるという機能もあります。

「電池切れ」の不安はどんな電化製品にもつきものですが、リーフはそうならないためのセーフティネットがいくつも用意されていることがわかります。

彼の不安(3):そもそも充電スポットが足りなくて、道端で電池切れしそう…

バッテリー残量がわかっても、コンセントがなかったらどうなのさ、という話ですね。

リーフのような100%電気自動車は、走行中にCO2をはじめとした排出ガスを出さないことから、環境負荷の面でも期待が寄せられています。その点もあってか、国や地方自治体も電気自動車の普及を後押しし、「充電スポット」が全国各地に次々と設置されています。

充電スポットの場所を示す看板
Photo: 開發祐介

自動車メーカー各社の販売店以外にも、コンビニエンスストア、商業施設、高速道路、自治体にも配備。ドライブ中に立ち寄る定番の「道の駅」には現在623基あまりの急速充電器が設置されています。

各家庭に自主的に設置したものをのぞき、2017年4月現在で、急速充電器と普通充電器を合わせた充電スポットは全国におよそ28,000箇所と試算されています。ためしに、電気自動車用の充電スタンドを検索できるサイトで、自分の生活圏内にどれくらいのスポットがあるかを見てみると、その意外な数の多さに驚くかもしれません。

実は全国にあるガソリンスタンドが約32,000カ所と言われているので、それに引けを取らないほど普及してきていると言えるのではないでしょうか。

彼の不安(4):とはいえ、充電スポットを見つけられなかったらどうするの?

…さすが充電恐怖症の彼だけあって、充電に関する悩みは根が深いようですが、そちらにも安心材料はあります。

「リーフ」のカーナビでは、現在地周辺から充電スポットを探すことができた。
Photo: 長谷川賢人

上記のようなウェブサイトから検索するだけでなく、カーナビから充電スポットを調べたり、空き情報を事前に確認することもできるのです。最近では予約サービスを提供しているスポットもあります。

Photo: 長谷川賢人

実際にカーナビで検索してみましたが、数え切れないほどのスポットが表示されました。むしろ大都市圏であれば、自動車メーカー各社の販売店や商業設備に設置されていることを思うと、一般的なガソリンスタンドよりも探しやすいケースもあるかもしれないくらいだと感じました。

知って得するEV充電ハック

試しに、近場の商業設備にあった急速充電器で、彼に充電してみてもらいました。運転ハンドルそばのスイッチを押し、車の先頭にある充電ポートリッドをオープン。急速充電ポートのキャップを開けたら、充電コネクタを差し込むだけです。

Photo: 長谷川賢人

あとはお買い物するなりコーヒーでも嗜むなりして、待っているだけでOK。急速充電器なら、およそ30分でバッテリーの8割ほどまで充電できます(※2)。

Photo: 長谷川賢人

リーフの場合は、充電中は外からもみえるダッシュボード上の充電インジケーターが点灯して、おおよその蓄電量を教えてくれます。

試乗後、日産のサービス担当者の方が、「充電の仕方にも工夫ができるんですよ」と2つのポイントを教えてくれました。

1.急速充電のスピードは一定ではなく、80~90%を超えると充電のスピードが遅くなる(普通充電は一定速度)。

2.急速充電は上限の30分まで待つ必要はない。目的地や次の充電スポットまでの距離に合わせて、必要な量だけ入れたら充電を切り上げて出発することも可能。

急速充電器であれば、早ければ15分程度で80%まで充電できます。つまり、急速充電を1回30分上限までするよりも、15分の充電をそれぞれ別の場所で行った方が時間を効率的に使えるということ。

高速道路のSAなどで30分も待つのは長く感じるかもしれませんが、15分程度であればトイレ休憩などであっという間に時間が過ぎてしまうので、ストレスを感じず充電することができそうです。

ひとつだけ注意があるとすれば、急速充電器は日本充電サービス(NCS)をはじめとした会員向けに提供されているものが多く、会員費用などが別途かかる点です(普通充電器は、スポットによって料金は異なるものの誰でも利用ができます)。

とはいえ、たとえば日産のリーフオーナーを対象としたサポートプログラム「日産ゼロ・エミッションサポートプログラム2」では、月額2,000円で急速充電器が使い放題といったサービスが提供されていたりもします。つまり、いわゆる「燃料代」が月2,000円で固定、ということ! SpotifyやNetflixと同じくサブスクリプション型のサービスともいえます。

先ほどからスマートフォンやウェブサービスをつい引き合いに出してしまいますが、電気を必要とするもの同士といいますか、似ているところが多いようにも思いました。

※2:充電時間は、急速充電器の仕様、環境温度によって異なります。

彼の不安(5):うーん、でも、正直なところ“走りの楽しさ”ってやつは…

Image: 日産自動車

充電恐怖症の彼の不安もだいぶぬぐえたようですが、ついには言い出しました、「走りの楽しさ」なるものを…。自動車を移動手段と捉えるか、あるいはレジャーのひとつと考えるかは運転する方の趣向によりますが、「走っていて楽しい!」と感じたい気持ちも理解できます。

今回、リーフに試乗をした率直な感想としては、「ガソリンエンジンとは異なる、"電気自動車ならではのモーターの加速や走り"の楽しみ」がはっきりとあるな、と感じました。ストップ時からの立ち上がりは、ガソリンのそれと思ってアクセルを踏むと面食らうほどのレスポンスの良さ。いきなりトップスピードへ上がっていくというか、背中をグンと押されるような感覚があるのです。

ステアリング操作への反応もキビキビとしていて、バッテリーが車体中央の底部に設置されていることから低重心のおかげか、安定性も高いと感じました。

さらには、エンジンノイズがないおかげも手伝って車内はとても静か。アクセルを強めに踏んだときは「キューン!」といったモーター音を感じますが、静音性は比べられないと思えるほど。これなら、デートの甘い囁きや旅行のワイワイはもちろん、ドライブをしながらの会談やシリアストークにもってこいではないでしょうか。

EVの価値に気づいてみると、選択はもっと面白くなる

リーフの試乗を終えてみると、充電恐怖症の彼は「たった数年前と比べても、環境も性能もだいぶ変わったんですね」と安心した様子。

もっとも、電気自動車もまだまだ発展中。寒冷地の運転やエアコン利用時には航続距離が短くなるなど、不安がすべてなくなったわけではありません。ただ、充電の工夫をはじめとした「使い方」でカバーできる部分もあり、充電スポットの整備も着々と進んでいます。

リーフが掲げる合言葉は「誰もがあたりまえに電気自動車を楽しむ時代へ」。電気自動車ならではの価値に気づいた人たちから、未来にシフトしていく。そんなことも十分にあり得るのではないか、と感じられたひと時でした。

それこそ今回、幾度となくたとえに使ってきたスマートフォンと同じように。

Source:リーフ [ LEAF ] 、日産ゼロ・エミッションサポートプログラム2(ZESP2)