先週、ビットコインの国内の取引所がサービスの一時停止を発表した。
たとえばbitFlyer(ビットフライヤー)は「8月1日に起こる可能性のあるビットコインのブロックチェーン分岐に向けた対応」として、一部サービスの停止を発表している(状況とともにリリースは更新され、追記が出ている)。

このビットコイン分裂騒動、どういうことなのだろうか?

◎ビットコインのスケーラビリティ
ビットコインなどの暗号通貨に限らず、根本的なところで「スケーラビリティをいかに担保するか」がシステムの課題の1つといえる。特に、決済システムにおいて、そこはクリティカルな問題につながる。

そもそも、ビットコインのメリットは
・手数料が安い
・手早く送金できる

こと。海外/国内にかかわらず個人間の送金が手軽にできることから、昨今での利用も広がっている。ウェブサービスだけではなく、デパートや量販店でも導入され始めている。

そこで問題になってくるのが、ビットコインのスケーラビリティはどうなんですか? ということ。たとえばデータサイズ、クレジットカードや銀行などで使われる決済システムよりも、ビットコインが用いるデータサイズは小さい。すると、ビットコインの利用が拡大し流通量が増大していくにつれ、とてもさばき切れない。現在のシステムでは取引の遅延や停止が心配されるという事態に、すでになっているのだ。

その解消策の1つとして、
・セキュリティ面での改善
・ブロックサイズの上限を拡大する
などの変更(Segwit)が提案されている。
ただ、この案にはデメリットもあり、ビットコイン運用の方針を決定する立場にあるビットコインの開発者やマイニングを行う大手事業者らが全員一致では進んでいない。

Segwitに、一部のマイナー(=マイニングを行う人)が使用する特許技術「ASICBoost」によるマイニングを無効化する機能も含まれていることもあり、コミュニティが分裂しているのだ。

今回の騒動は、そこに端を発している。

◎ソフトフォークとハードフォーク、ビットコイン分岐の行方
Segwitを有効にするかどうかはマイナーの支持により決定されるとして、現在は移行期間というところ。

「2017年11月15日までの調整期間として、それまでに95%以上のブロックがSegwitでマイニングされた場合に変更を有効化する」という収束が図られている。これは「BIP9」と呼ばれる、いわゆるソフトフォーク(以前の仕様にも対応しながらの更新)。

しかし、(途中経過での数字から)なかなか進まないことから、

・2017年8月1日に強制執行(UASF/BIP148)

しようという動きが起こり、これが7月23日に繰り上がり、ビットコイン分裂危機として取引所などの一部サービス停止につながった。これは、すでに多くのニュースが伝える通り回避された事態。

だが、このUASF/BIP148による8月1日の分岐の可能性はなくなったものの、その対抗策として一部のマイナーらが打ち出したとされるBitcoin Cash(https://www.bitcoincash.org/)は、まだその宣言を取り消していない。

ビットコインからBitcoin Cashと呼ばれるコインを分岐(ハードフォーク、以前の仕様には対応しない)するというのだ(予定は、2017-08-01 12:20 p.m. UTCとされている)。

実際問題、UASF/BIP148による強制執行の危機は脱し、Segwit有効化へ向けて動き出すとしても、当初の11月15日までにまた何が起こるかはわからない。さらに、本当にBitcoin Cashへの分岐が発生するのか、発生した後どうなるのか、まだまだ不透明な状態といえる。

一連のビットコイン分裂危機に対し、各取引所など対応をリリースで明らかにしているが、一般社団法人日本仮想通貨事業者協会(JCBA)においても発表がある。

8月1日に予期されるビットコイン分岐危機に向けた対応について(その2)


参考リンク
ゼロから始めるビットコイン
coincheck blog
ビットコイン研究所ブログ


大内孝子