イタリアにおける“水の都”といえば、真っ先に思い浮かぶのがヴェネツィア。でも、古代から豊富でおいしい飲み水が市内のいたるところで、こんこんと清水のように出るローマは、もうひとつの水の都(街)です。

ところが、いま市民にも観光客にも涼を与え続けてきたローマの「水」に異変が……。

枯渇する2017年ローマの夏
水飲み場に起きた異変

RomaToday」が伝えるところによると、市内の飲み水を管理するインフラ事業会社Aceaは、約2,800ヶ所とも言われる無料水飲み場(ナゾーニ)を、段階的に一時閉鎖することを発表したそう。

7月初旬よりすでに始まっているこの節水対策は、夏の終わりまで続く予定。ちなみに噴水は現在のところ対象外です。

そもそも、豊かな水はローマ繁栄の象徴。紀元前300年ごろに市内へと引いた水路を、15世紀ルネサンスの時代に復活させ、それを今日まで大切に使ってきました。人々は噴水のそばで憩い、365日止まることなく流れ出るナゾーニの蛇口からひんやりおいしい水を口にする。いわば、ローマの情景そのものでもあった水辺のストップで、街もローマっこの心も干上がってしまいそう。

60年で2度目の「暑い春」
節水対策でどこまで

事の発端は、今年の春先から続く市北東部に位置する、ブラッチャーノ湖の水位低下問題。観測至上2番目に暑い春を迎えた今年、ローマを含むラツィオ州はほぼ1ヶ月分の降水量が不足していたそうです。この大干ばつが引き金。

いま、ブラッチャーノ湖をはじめ南部のカーヴォ山など、“ローマの水がめ”となる近郊の水脈は、どこも同じように深刻な状況だとか。

「利用中止により、多くの人に不便を与えることは分かってます。それでも、非常事態解決の打開策として、今後もイニシアチブをとって閉鎖を続けていきます」

とは、AceaプレジデントPaolo Saccani氏の弁。付け焼き刃な対策と思えるかもしれませんが、多くのナゾーニは蛇口にハンドルがなく、言ってみれば垂れ流し状態なんですよね。ということを考えれば、打つべき手というのも納得。

オオカミや天使を象った蛇口から、再びこんこんと水が流れ出る日はいつになるのか。温暖化の影響は、街の風物詩まで変えてしまおうとしています。

Reference:Tgcom24,RomaToday