夜空に浮かぶ月(2016年年12月14日撮影、資料写真)。(c)AFP=時事/AFPBB News

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【AFP=時事】米フロリダ(Florida)州のスタートアップ「ムーン・エクスプレス(Moon Express)」は、年内に小型無人月面探査機の打ち上げを目指している。民間企業として初めての成功を目指しており、その目標は高く設定されている。

 成功を収めることができれば、科学探査機器の運搬や月資源の開発、宇宙ビジネスといった商業面での可能性に道筋をつけるものとなり得る。

 同社共同創業者であるロバート・リチャーズ(Robert Richards)最高経営責任者(CEO)は、最近行われたAFPとのインタビューで、「ロケットはまだ軌道に達しておらず、探査機も製造中であることを考えれば、非常に楽観的なスケジュール」だと認めている。

 この厳しいスケジュールでの目標達成に挑む背景には、2007年に発表された「Google Lunar X-prize」コンテストの優勝賞金2000万ドル(約22億円)の存在もある。

 コンテストでは、民間団体であることが必須条件で、2017年12月31日までに月の表面に探査機を送り込む。そして月面では、探査機やロボットを500ヤード(約457メートル)以上移動させ、動画や写真を地球に送信することが求められている。

 米フロリダ州ケープ・カナベラル(Cape Canaveral)に本社を置くムーン・エクスプレスは、コンテストの決勝に進出した5チームのうちの一つ。

 他の4チームは、日本の「Hakuto」、イスラエルの「SpaceIL」、インドの「Indus」、そして世界15か国以上が参加する国際共同チームの「Synergy Moon」だ。

■長期探査計画

 リチャーズCEOは、月資源に関する調査や採取、最終的な活用を含めた長期的計画で最初に着手するのは、水だと語る。「月は、宇宙では燃料供給所のような役目を果たす。というのも、酸素と水素からできている水は、ロケットの燃料となるからだ。そのため、こうした考えは非常に重要だ」

 月の内部には、地球では希少なプラチナやヘリウム3が豊富に含まれており、これらは核融合に利用できる可能性が指摘されている。

 ムーン・エクスプレスの月面探査機「MX1-E」は、幅3フィート(約91センチ)、高さ4.5フィート(約1メートル37センチ)ほどで比較的小型だ。そのコンパクトなサイズにより、スタートアップ企業「Rocket Lab」のロケット「エレクトロン(Electron)」で打ち上げることが可能だ。

 また、MX1-Eは探査システムの最初のモジュールで、レゴ(Lego)ブロックのように、モジュールを組み合わせることでさらに重い荷物を運ぶことができるようにもなると同氏は説明する。

 リチャーズ氏によると、打ち上げから月面着陸までは5〜6日かかるという。

 今後の予定としては、2回目の打ち上げで氷の豊富な月南極域でのロボット探査ステーション設置を目指し、3回目は月土壌のサンプルを持ち帰る計画だという。
【翻訳編集】AFPBB News