ミークの代名詞であるハードコアなタイトルも目白押し〜ミーク・ミル『Wins & Losses』(Album Review)

写真拡大

 ミックステープやコラボレーション・アルバムのリリースを経て、2012年、アルバム『Dreams and Nightmares』でデビューした、フィラデルフィア出身のラッパー、ミーク・ミル。本作は、全米アルバム・チャート最高2位を記録し、R&Bチャート、ラップ・チャートでは首位をマークした。続く2ndアルバム『Dreams Worth More Than Money』(2015年)では、自身初の全米No,1デビューを飾る。

 その2作に続く、通算3枚目のスタジオ・アルバム『Wins & Losses』は、タイトルが示す通り、「勝利と敗北」をテーマにした作品。これまでの人生において経験した、様々な“暴露話”も飛び出す。

 フューチャリング・ゲストには、今年「バッド・アンド・ブージー」の大ヒットで注目された、ミーゴスのクエイヴォとリル・ウージー・ヴァート、リック・ロス、ヤング・サグ、ヨーガッティ、フューチャーといった、今をトキメく人気ラッパーたちから、トラックメイカーのザ・ドリーム、カニエ・ウェストのビデオで注目されたテヤーナ・テイラー、カリフォルニア出身のラッパー、ヴァース・シモンズなども参加している。プロデュースは、トラヴィス・スコットやグッチ・メインなどの作品を手掛ける、Honorable C.N.O.T.E.や、フィリピン系アメリカ人の音楽プロデューサー、イルマインドなどが担当。

 クリス・ブラウンとタイ・ダラー・サインが参加した、本作からの先行シングル「Whatever You Need」は、トニー・トニー・トニーのクラシック・チューン「Whatever You Want」(1991年)がサンプリングされた、90年代テイストを取り入れたヒップホップ・チューン。“ネタ使い”したナンバーには、コルビン(スポーキー・ブラック)の「Worn」が使われた「Open」や、UKソウルの代表格、7人組のサブモーション・オーケストラによる「Empty Love」(2016年)使用の「Price」、ジェイ・Zの「Blueprint (Momma Loves Me)」(2001年)をサンプリングした「Young Black America」などがある。サンプリングソースの効果もあってか、どこか懐かしさも感じられる。

 もちろん、ミークの代名詞であるハードコアなタイトルも目白押し。リル・ウージー・ヴァートの高速ラップが光る「Fuck That Check Up」や、ギャングスタ系の「Connect The Dots」、「Never Lose」や「These Scars」などは、1曲聞いただけで、お腹いっぱいになるほど重たい。叫び声をあげるタイトル曲や、ニッキー・ミナージュについて歌われた「1942 Flows」なども、ミーク・ミル“らしい”ナンバー。

 次週(2017年8月12日付)発表の全米アルバム・チャートでは、2作連続のNo,1デビューも期待できそうだ。

◎ミーク・ミル『Wins & Losses』
https://youtu.be/uN0qoukeZvI