竹田青嗣と哲学

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現在はあまり目立った書き手ではありませんが、かつて大学生を中心に熱心に読まれた哲学系の書き手として竹田青嗣がいます。『自分を知るための哲学入門 』『現代思想の冒険』(ちくま学芸文庫)といった著作はよく知られています。

わかりやすい言葉

竹田青嗣が多くの読者を惹きつけた理由は、言葉のわかりやすさにあるでしょう。これは現在の著作にあるような、すべてを簡略化したような言葉ではありません。難解な哲学の言葉に竹田青嗣自身が向き合った言葉を、自分の言葉としてアウトプットすることによって成し遂げたものだったのです。

大学院の外側で

現在、哲学の研究者となる場合には、大学院で専門的に学ぶコースが一般的です。しかしながら竹田青嗣は大学卒業後、ボイラー技士などの仕事をしながら哲学の思索を続けます。同時に文芸評論家としても多くの作品の評論を手がけます。なかには自分自身の出自である在日に向き合った著作もあります。専門の研究者の間からは、記述や解釈の間違いに対して批判があるのは確かですが、哲学を材料とした物書きとして竹田青嗣はとてもおすすめです。思考に真摯に向き合おうとする姿勢にも共感が持てます。今こそ、読み返すべき書き手の一人であるといえるでしょう。