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 2016年4月に博報堂DYデジタル、そして7月に電通デジタルが営業を開始し、1年が過ぎた。社名の似ている両社だが、戦略や提供するサービス、組織体制に違いはあるのだろうか。また、両社が考える広告業界に必要な人材はどういった人なのだろうか。本記事では、デジタルマーケティング領域における人材事情に詳しいホールハートの野崎氏、電通デジタルの杉浦氏、博報堂DYデジタルの糸永氏による鼎談の模様をお届けする。

■デジタル領域で駆け抜けてきた二人

野崎:今回の鼎談では、2016年4月に営業を開始した博報堂DYデジタルの糸永さん、そして同7月に営業を開始した電通デジタルの杉浦さんに昨今の広告会社に関するトピック、また今後業界で求められる人材のスキルなどについてお伺いします。
左から、株式会社ホールハート アカウント本部 デジタルマーケティングチーム マネージャー
コミュニケーションエージェント 野崎大輔氏
株式会社博報堂DYデジタル 執行役員 アカウントプロデュース本部 本部長 糸永洋三氏
株式会社電通デジタル 執行役員 広告事業統括責任者 杉浦友彦氏

 先に、私のプロフィールを簡単に説明すると、現在ホールハートという広告・デジタル業界に特化した中途・新卒の採用支援などを行うコミュニケーションエージェンシーでコンサルタントをしています。

 続けて、お二人のプロフィールについてもお伺いしたいと思います。まず電通デジタルの杉浦さんからお願いします。

杉浦:私は電通に入社して20年目になり、1998年の入社以降、ずっとデジタル一本でやってきています。媒体社のWebビジネス開発に始まり、企業のWebサイトコンサルティング、アクセス解析やCRMなどの専門領域を経て、過去10年ぐらいは主に運用型広告を中心としたPDCAマネジメントに従事してきました。今回電通デジタルに統合した電通イーマーケティングワンの立ち上げにも関わり、昨年6月まではネクステッジ電通の代表取締役を務めていました。

野崎:電通デジタルではどういった役割を担っていらっしゃるのですか。

杉浦:現在は広告事業統括責任者として、デジタル広告を中心に顧客企業の集客や売上向上を支援しています。これまでのデジタル広告ではダイレクトレスポンスを目的としたものが多かったのですが、昨今ではブランディング目的の案件も増えてきており、両方の目的に対応できる組織となっています。

野崎:ありがとうございます。次は博報堂DYデジタルの糸永さんのプロフィールを教えて下さい。

糸永:私は博報堂に2000年に入社しておりまして、今年で18年目になります。20代は営業として自動車や家電メーカーなどで、制作を中心にブランディングからSP、イベントなどの提案を担当していました。

 その後、博報堂DYメディアパートナーズのi-メディア局にてクライアント企業のデジタルメディア戦略から、今でいうメディア・プラットフォーマーとの協業の推進などを行ってきました。その他にも、社内ベンチャーの立ち上げによる起業・会社経営経験や、博報堂DYインターソリューションズでの経営企画経験など、杉浦さんと違いデジタル一筋というよりは、様々な領域の業務や組織のマネジメントに携わってきました。

■両社の立ち上げ、ポイントは顧客ニーズの爆発

野崎:ここからは両社の組織についてお伺いします。両社が立ち上がった背景ですが、まずは糸永さんから教えて下さい。

糸永:博報堂DYグループはパートナー主義を掲げており、クライアント目線に立ちニーズに応えてきました。その中でデジタル領域に関する要望が圧倒的に増えていて、これまでの体制では対応が難しくなってきました。

 時代の流れが速いデジタルの世界では、新たなソリューション開発やアライアンスなどもスピーディーに行う必要があります。そのために、スピード感を持って事業を展開するのにもっと小回りが利く体制を構築する必要がありました。

 これらの背景から、デジタルメディア戦略やメディア・プラットフォーマーとの協業などを推進する博報堂DYメディアパートナーズのi-メディア局と、デジタルマーケティングソリューションを提供する博報堂DYインターソリューションズを戦略的に統合し、博報堂DYデジタルを立ち上げました。

野崎:杉浦さんはいかがですか。

杉浦:糸永さんと背景は近いですね。デジタルが顧客のマーケティング課題の中心になってきて、ニーズが急増した結果、スピード感のある経営と外部人材を含めたデジタル専門人材の採用・育成の体制強化の必要性が高まったことが大きいと思います。

 デジタルマーケティングに関わるスキルは、これまでのインターネット広告やWeb制作の領域から格段に広がりを見せています。元々存在していた、インターネット広告中心の「ネクステッジ電通」、オウンドメディアやCRM領域で強みがあった「電通イーマーケティングワン」、それに電通本体のコンサルティングやデータ分析、クリエーティブの部隊を加えて、3社統合で「電通デジタル」としてスタートし、新しい事業、新しい文化を作っていこうと決意しました。

関口 達朗[写]、道上 飛翔(編集部)[著]