プテット・フランスの家並み

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 パリ、ロンドン、ベルリン、ローマ…。ヨーロッパ、というとまず思い浮かぶ町は、旅の“玄関”でもある。でもどの国に行こうか迷ったら、二か国の空気を同時に楽しめる国境の町を目的地にするのも悪くない。地続きの欧州、国境付近に行けば、その向こうに広がる別の国の文化が混じり合い、徒歩で国境をまたぎつつ独特の雰囲気を楽しめる。パリから高速鉄道で2時間弱。北フランス特有の木組みの家並みと、ドイツ国境のグルメ、歴史に翻弄された土地の遺産を堪能できるストラスブールに行ってみた。

 10年前、パリ―ストラスブール間は列車で4時間以上かかったが、高速鉄道のTGV東線が開通して2時間20分に、さらに昨年、これが1時間50分に短縮された。ストラスブールがまだドイツ帝国だった19世紀に造られた駅舎を保護するため、これを丸ごと収めたコクーンのようなガラス張りのストラスブール駅。出発地点から、かつてのドイツと現代のフランスの融合を見ることができる。ここから旧市街まで歩いて15分だ。

 コロンバージュと呼ばれる可愛い木組みの家並みを楽しみながら、ストラスブールの全貌を把握するのに便利なのが遊覧船。旧市街中心のカテドラル横、観光案内所の隣にあるBATORAMAでチケットを買い、乗り場へ。(ちなみに、アクリルで覆われたエアコン付きの船は、オープンデッキの船より若干値段が高く、筆者は熱波が来ている最中の旅でエアコンのある船の座席を買ったが、アクリル張りの屋根で太陽光線は防げず、さして涼しいというわけでもなかったので念のため付記)

 この遊覧船のハイライトの一つは、旧市街の運河を行くときの水門だ。水門の前後で水位が違っており、遊覧船が1隻ぎりぎり入る大きさの水門まで来ると、後方の水門が閉じられ、その狭い場所に水が流れ込む。船を揺らす水は次第に水かさを増し、行く手の水位と同じ高さまで上がると、前方の水門が開く。船に乗っている人だけでなく、船がこの水門を通る時は、近くの人が立ち止まり“見学会”の様相を呈する。

 欧州議会や木組みの家が連なるプティット・フランスなど、船の音声ガイド(日本語もある)を聞きながらクルーズを終えると、ストラスブールの歴史はほぼ概観できる。次回は旧市街に繰り出し、腹ごしらえを。