おもてなしは江戸の商人から健在!おっと、日影町だけはご用心?

写真拡大 (全3枚)

日本のこころ、おもてなし

外国と日本で大きく違うものといえば、お店の人の接客態度です。「お客様は神様」という精神が根付いた接客は、日本特有ですよね。お客を敬う態度は江戸の商人に、すでに健在だったとか。すべての商品が表示価格で買えるので、値切ったり、価格交渉する風景もないのです。お店の人の言葉遣いは丁寧で親切、安心して買い物ができたのが江戸でした。

「白木屋」歌川国貞

油断は禁物、要注意のエリアもありました!

買い物天国だった江戸で唯一の要注意地域は、勤番侍が集まる日影町のあたりの土産物屋です。芝口橋(現在の新橋のあたり)の南・芝口3丁目から宇田川町にかけての西裏側の新道は、当時日影町と呼ばれていました。日当たりが悪いこの道には、武具やカミソリ、刀剣、書物などいろんなものが並べられており、中には偽物や不良品もあったそうです。「え!この値段で?」と言いたくなるほど高いものもあり、油断したら大変。痛い目にあいます。

美味しいものもいっぱいの江戸の町

飲食店も多く、江戸はいつも活気があり、賑わっていました。例えば、江戸のお寿司は安くて美味しいし、お酒は口当たりがいいからどんどん飲みたくなる美味しさ!蕎麦は、江戸の蕎麦つゆで和歌山の蕎麦を食べたら美味しいだろうといわれていました。江戸の蕎麦は、つなぎに卵を使わないため口ざわりがぼそぼそしているのです。お菓子は、上方の方が断然に品質が良かったそう。江戸でお菓子を売っていても、京都菓子と看板に書いてある店もあるほどで、お菓子=上方がスタンダードだったようです。

「大江戸年中行事之内 正月二日日本橋初売」橋本貞秀

遠くの人も江戸を求めて

江戸の物は地方でも人気で、故郷の知り合いから注文を受けて江戸で買い物をして、飛脚で故郷に送る家臣もいました。食器やら装身具やら生活用品から反物まで、何でもそろうのも江戸ならでは。故郷からの注文も、お気に入りのものがあるのか「あの店のあれね」と指定してがあったり、価格も大体わかっていたりと、地方在住ながら江戸に詳しい人も少なくなかったようです。江戸のものや生活スタイルはもはや江戸だけのものではなく、江戸以外の地方にも浸透していました。

江戸は、文化の発信地でもあり、お買い物を楽しむのにお店の接客態度も文句なし。ただし、日影町だけは、お気をつけて〜。

参考文献:山本博文(2009)『江戸に学ぶ日本のかたち』NHK出版
Images:「江戸・東京デジタルミュージアム」古きをたずねて、新しきを知る。|東京都立図書館