バスケットボール男子日本代表の田中大貴【写真:編集部】

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ウルグアイとの第2戦、ベンチスタートの田中は起爆剤として存在感

 バスケットボール男子日本代表は30日、FIBAランキング26位の強豪ウルグアイと国際強化試合の第2戦を行い、72-57でフリオ・ラマス新ヘッドコーチ(HC)体制初勝利を挙げた。8月8日からはFIBAワールドカップ・アジア予選の切符を賭けてアジアカップ(レバノン・ベルイート)に挑むが、田中大貴は自らに「コートに出たらチームを引っ張らなければいけない」と代表チームでの“ノルマ”を課す。

「日本バスケ界のプリンス」と言われる田中の覚悟が、にじみ出るような試合だった。

 第1戦(69-79)でスタメンを任された背番号24は、第2戦ではベンチスタートとなった。第1ピリオド途中に比江島慎の負傷で出番が回ってくると、ファーストシュートを成功。第2ピリオドには篠山龍青との連係でゴールを陥れ、得意の3点シュートも沈めるなど、立ち上がりに息の合わない部分が見られたチームの起爆剤として存在感を示した。

 パスで崩すスタイルを標榜するラマスコーチの下では、全員の連動性が求められる。始動から10日ほどしか経っておらず、ミスが続く時間帯こそあるものの、第2戦では田中や比江島のドライブから外に展開して攻撃を組み立て、ウルグアイの守備を崩すシーンが見受けられた。

「自分や比江島選手がどんどん(ゴールに)アタックしていくことが大事。もっとペイント(エリアへの仕掛け)を意識してやりたいですね。全員が足を止めずに、誰かがドライブしたら、次に誰かがスペースを作らないといけない。そういう連動性がもっと出てくれば、さらに良いシュートが打てると思います」

激戦区でポジションを争うも、「最初から出ようが、途中から出ようが関係ない」

 田中によれば、まだ各自が良いポジションを取れず、スペースを潰してチャンスを逃している場面があるという。それでも「日本は1対1でそこまで多く点数が取れるわけでないので、ドライブやピック&ロールを何回も何回も仕掛けて、相手に(守備の)ズレを起こさせないといけない」と粘り強く戦う重要性を説く。

 新体制となり、ポジション争いも日に日に注目度を増している。田中がプレーするシューティングガードは、第2戦で16得点を挙げてMIP(最も印象に残るプレーをした選手)に輝いた比江島、正確なシュートと味方への檄でチームを盛り上げる古川孝敏、さらには抜群の身体能力を誇る新鋭の馬場雄大と激戦区。しかし、AKATSUKI FIVE(男子日本代表)を「日本のトップチーム」と位置づけ、改めてその舞台で戦う覚悟を口にする。

「最初から出ようが、途中から出ようが関係ない。自分が試合に出た時に、活躍できるように準備をするだけです」

 スタメンへのこだわりは心の奥底にしまいつつも、日本代表でどんな存在でありたいか、と問いには言葉が一気に熱を帯びた。

「(自分は)コートに出たら、ディフェンスでもオフェンスでもチームを引っ張らなければいけない存在。求められるものも高くなってくると思うので、その期待に応えられるようになりたいなと。賢くプレーできるところが自分の武器なので、激しいなかでもスマートな判断をしていきたいです」

女子日本代表が2018年のワールドカップ出場権を獲得「次は男子の番」

 ウルグアイとの第2戦前日、女子日本代表がアジアカップで3連覇を達成。大会上位4チームに入って来年9月に開催される女子ワールドカップの出場権を獲得し、ひと足先に世界大会行きを決めている。

 田中は「目の前のことに全力で取り組むしかない」と前置きしつつも、「女子が良い結果を出したので、次は男子の番」と世界の舞台への想いを口にする。

「(2019年の)ワールドカップや東京五輪への道は、簡単なものではない。でも、今日みたいにみんなが戦う気持ちを持ってファイトしていけば、絶対に成長していけるという自信はあります。ステップは小さいかもしれないけど、一歩一歩成長して、まずは一番ベストな状態で(8月の)アジアカップに臨みたいと思います」

 日々の積み重ね次第で、田中の言う「自信」は「確信」へと変わるはずだ。

 ラマス新体制となった日本代表で、田中がどんな成長曲線を描くのか。彼の飛躍は、そのままチームの飛躍に直結すると言っても過言ではないだろう。